理事長ごあいさつ << 国立がん研究センターについて

理事長ごあいさつ



堀田知光 理事長写真

「がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会をめざす」


独立行政法人国立がん研究センターの理事長として二期目に入りました。
改めて皆様にご挨拶を申し上げます 。

当センターは、1962年にわが国のがん医療の拠点となる国立機関として創設されて以来、50年余にわたり、地域の方々はもとより全国のがん患者さんに最新かつ最善の医療を提供するとともに、がんの病態解明と治療開発に向けた先端的な研究を行い、適正な臨床試験によって確立された根拠に基づくがん医療を実践する場として医師、看護師をはじめとする専門医療従事者養成の中心的な役割を担ってきました。そして、2010年4月に独立行政法人として新たに生まれ変わり、本年度は独立行政法人の中期計画の最終年度を迎えました。さらに、昨年12月の閣議決定により、研究開発型独立行政法人として「研究開発成果の最大化」を目的とし、「大学又は民間企業が取り組みがたい課題に取り組む」法人として位置づけられました。

この間に、わが国のがんをとりまく状況は大きな変革期を迎えました。第一に2012年に「がん対策推進基本計画」の見直しが行われ、全体目標として「がんによる死亡者の減少」と「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」に加えて、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が掲げられ、社会的な視点が大きくクローズアップされました。そして第二に、2013年に「がん登録推進法」が成立し、全国データに基づいたがん対策とその評価が可能となる時代を迎えました。全国がん登録の実務は当センターが担うこととされています。第三に、2014年度から新たな「がん研究10か年戦略」が「根治・予防・共生 〜患者・社会と協働するがん研究〜」をスローガンとしてスタートしました。今後の日本医療研究開発機構(いわゆる「日本版NIH」)の下に推進されるジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクトの骨格となる研究戦略です。

当センターは高度先駆的ながん医療を行うとともに、全国のがん診療連携拠点病院との連携、臨床研究ネットワークの推進、緩和ケアの実践、相談支援と情報提供のモデルの構築などを通して、患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上に努めています。そして、がんの克服という最終目標に向けて、様々なライフステージにあるひとりひとりにとってより効果的ながんの予防・診断・治療法の開発と、それにつながる基礎研究と臨床への橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)を推進しています。私たちは、当センターがわが国のがん医療とがん研究において中核的な役割をはたすよう国民の皆様から期待されているものと考えています。国立がん研究センターは、「がんにならない、がんに負けない、がんと生きる社会」を目指すナショナルセンターとして新たなビジョンのもと、職員のすべてが各々の職種や専門性を発揮し、その成果をわが国はもとより世界に広く発信して参りたいと考えています。

皆様のあたたかいご支援とご助言を心よりお願い申し上げます。

国立がん研究センターの新ビジョン(PDF)

独立行政法人 国立がん研究センター
理事長 堀田 知光