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血液でのがんの超早期診断法の開発

 画像診断では,直径1センチメートルよりも小さながんを捉えることはなかなか難しいですが、その中には10億個ものがん細胞が存在します。そうであれば、血液中に存在するがん細胞や、がん細胞が分泌した蛋白質、あるいはがん細胞が壊れて出てきたDNAなどを捉えることができれば、画像診断よりも早期にがんのリスク診断ができるのではないかと考えられます。我々は、その信念に基づき、根治的切除手術後も極めて再発率の高い、肝胆膵がん患者の術前から再発までの血液検体をせっせと集めて、再発予測マーカーの同定に取り組んできました。我々ががん特異的抗原として同定したGPC3は分泌蛋白でもあり、肝細胞がんの患者血中に腫瘍マーカーとして検出されます。我々は企業との共同研究で、血中GPC3を測定することにより、肝細胞がんの再発予測ができる可能性を見出しました。今後は早期発見にも利用できるかも検証していきます。さらに今後は、血中循環がん細胞のシングルセル解析や、血中遊離変異DNAの解析等により、がんの発症や再発のリスクを早期に診断し、さらに、それらの情報からがん予防ワクチンを作製し予防するということを夢見て研究を進めたいと思っています。

 研究内容6-1

 1. Ofuji K, Saito K, Suzuki S, Shimomura M, Shirakwa H, Nobuoka D, Yawada Y, Yoshimura M, Tsuchiya N, Takahashi M, Yoshikawa T, Tada Y, Konishi M, Takahashi S, Gotohda N, Nakamoto Y, Nakatsura T. Perioperative plasma glypican-3 level may enable prediction of the risk of recurrence after surgery in patients with stage I hepatocellular carcinoma. Oncotarget. 2016 Dec 27. doi: 10.18632/oncotarget.14271.