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国立がん研究センター

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国立がん研究センター50周年を祝って

理事(研究・評価) 岩坪 威

理事(研究・評価) 岩坪 威写真

このたび国立がん研究センターが創立50周年を迎えられましたことを、皆様とともに心より喜びたく思います。

本邦において、がん(悪性新生物)が全死因に占める比率は、戦後65年間のうちに間断なく増加し、昭和56年に脳血管障害を凌駕して以来第1位の座にあり、平成22年度には全死因の30%にまで達しております。すなわち、国民の3人に1人はがんで死亡していることになります。国立がんセンターが設立された1962年、すでにがんは死因の第2位を占めていましたが、当センターががんの医療と研究に負う責任は、時代とともにますます大きくなっていることは申すまでもありません。この中で、がんセンター中央病院、東病院はがん診療の、また研究所はがん研究の中心として、名実ともに飛躍的な発展を遂げ、本邦のがん医療の牽引車となってまいりました。

この間のがんをめぐる展開に目を転じますと、基礎研究面では、分子・細胞生物学やゲノム科学の爆発的な発展と歩調を合わせて、本邦においてもがんセンターを中心に、がんの病因・病態研究が高いレベルで展開されてまいりました。がんの治療も、外科的治療、traditionalな低分子抗がん剤に加えて、分子標的薬や抗体医薬の登場により、格段の発展を遂げており、がんはもはや不治の病ではなくなりつつあると申せます。しかし難治性のがんが課題となり、進行がんの増加と医療体制の不備に伴う「がん難民」の出現も社会問題として取り上げられております。いつの時代にも、がんをめぐる問題は深刻で、急を要するものばかりであります。

このような状況下、独立法人化して2年を迎える国立がん研究センターは、がんをめぐる難題の解決に身を挺してあたろうとの活気に満ちております。基礎研究と臨床研究が融和し、その成果を本邦発の治療法・治療薬の開発にも展開し、国民の皆様に果実が還元される時代が訪れたことが実感されます。

当センターが創立50周年を迎えるこの節目の時機に、私も研究・評価担当理事として、センター内外の皆様と手をとりあい、未来のがん医療と、高齢化社会を迎えた国民の健康増進に力を尽くしたいと、決意を新たにいたしております。

注:このページは、平成24年1月に作成されたものであり、所属名称や役職については平成24年1月24日現在のものとなります。

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