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国立がん研究センター

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今後10年にがんに罹るリスクをウェブで自己チェック「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」公開

2015年6月12日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人 国立がん研究センター(理事長:堀田知光、所在地:東京都中央区、略称:国がん)がん予防・検診研究センター(センター長:津金昌一郎)は、ウェブ上で生活習慣等に関する質問に回答することでがんなどが発生するリスクを算出する診断ツール「がんリスクチェック」(NCC管轄サイトへリンクします)を2011年に開発し、これまで「がんと循環器の病気」「大腸がん」「脳卒中」のリスクチェックを公開しています。

「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」は、この度新たに公開したもので、がんに罹るリスクの高い喫煙、飲酒、食習慣(塩分)、運動習慣、肥満度(身長と体重から算出されるBMI)の5つの健康習慣について、現在の習慣を続けた場合、今後10年間に全てのがんに罹るリスクを算出します。リスクチェックの対象年齢は、45歳から74歳の男女です。

国立がん研究センターでは、喫煙や飲酒・運動などの生活習慣と肥満度など、がんをはじめとした生活習慣病に関係が深いとされてきたものと実際の罹患率について、20年間にわたり10万件(人)を追跡調査する多目的コホート研究を行っています。そのほか日本人を対象とした研究を科学的に検証し、日本人にとってがんを予防するために重要な6つの要因(禁煙、節酒、食生活、身体活動、体形の維持、感染検査と適切な措置)を「日本人のためのがん予防法」(がん情報サービスへリンクします)として提言しています。

「がんリスクチェック」では、感染の要因以外の5つの健康習慣をもとにがんに罹るリスクを算出します。チェックを進める過程で、生活習慣の改善によるがん予防の実践への動機づけを行い、がん罹患率の減少を目指しています。

「がんリスクチェック」は、がん研究開発費「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」(主任研究者:がん予防・検診研究センター 予防研究部 笹月静)の成果です。

「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」の特徴

5つの健康習慣
  • 45歳から74歳の男女が対象です。
  • 禁煙、節酒、塩分控えめ、運動習慣、適正BMIの5つの健康習慣をどれだけ守っているかを診断し、今後10年の間にがんに罹るリスクを算出します。
  • チェックを進める中で、5つの健康習慣の知識が得られます。
  • リスクチェックの後に、改善シミュレーションにもトライできます。

がんを遠ざける5つの健康習慣とは

これまでの研究から、がんの原因は喫煙や飲酒、食事などの日常生活習慣に関わる場合も多く、以下のような健康的な生活習慣を送ることで、ある程度、がんは予防できることがわかっています。

喫煙習慣:非喫煙

喫煙は多くのがんの発生リスクを上げることがわかっています。吸っている人は禁煙しましょう。吸わない人も、他の人の吸う、煙草の煙を避けるようにしましょう。

  • 喫煙はがんだけでなく、様々な重大な疾患のリスクに繋がります。20年以上の禁煙で非喫煙状態と同等までがんのリスクが低下するとの報告も多数ありますので、吸っている場合は少しでも長く禁煙する心がけが大切です。

飲酒習慣:節酒

お酒をエタノール量に換算した場合、週あたり150グラム未満の酒量に抑えるのが良いでしょう。

  • 例えば、日本酒1合はエタノール量に換算して23グラムです。毎日、日本酒を1合飲めば1週間で摂取するエタノール量は161グラムになります。

食習慣(塩分):塩蔵品を控える

塩分のとり過ぎによって、高血圧などの重大な疾患の引き金となる症状が起こることは、広く知られています。がん予防の観点からは、特に塩分の高い塩蔵品(たらこ、すじこ等)の摂取を1週間に1回未満にすると良いという研究結果が出ています。

運動習慣:活発な身体活動

1日あたりの身体活動量が<男性 37.5メッツ・時以上><女性 31.9メッツ・時以上>の人が、がんのリスクが低いという研究結果が出ました。

  • 例えば37.5メッツ・時とは?
    筋肉労働や激しいスポーツ1時間以上+座位を8時間以上+歩く、立つ状態を1時間未満+上記以外の時間を睡眠の場合
  • 例えば31.4メッツ・時とは?
    筋肉労働や激しいスポーツなし+座位を3時間未満+歩く、立つ状態を3時間から8時間未満+上記以外の時間を睡眠の場合

身長と体重から算出されるBMI(肥満度):適正なBMI

肥満度の指標となるBMI(Body Mass Index)は以下の式で計算できます。
BMI値=体重(キログラム)/身長(メートル)2
男性 21以上から27未満
女性 19以上から25未満
体重は、上記BMI値の範囲内にあるよう、管理しましょう。

  • 「日本人のためのがん予防法」では、中高年女性のBMI値は最新の研究から21以上から25未満が推奨されています。このサイトではそれ以前の研究結果を用いるため、上記の値を目標として計算します。

「がんリスクチェック」サイト概要

「がんリスクチェック」は2011年4月に開設し、「がんと循環器の病気リスクチェック」を公開して以降、男性を対象とした「大腸がんリスクチェック」、「脳卒中リスクチェック」を公開し、今回新たに「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」を加え、がん予防・検診研究センターのページで公開しました。いずれのリスクチェックも10問以内の簡単な設問で構成されているため短時間でチェックすることができます。

がんと循環器の病気リスクチェック

40歳から69歳の男女が対象。
すべてのがん、および心臓病や脳卒中など循環器の病気に今後10年のうちに罹るリスクを算出します。

大腸がんリスクチェック

40歳から69歳の男性が対象。
年齢、肥満度、飲酒、喫煙、運動習慣から大腸がんに罹るリスクを算出します。

脳卒中リスクチェック

40歳から69歳の男女が対象。
年齢、性別、喫煙、肥満度、糖尿病、血圧から脳卒中を発症するリスクを算出します。

5つの健康習慣によるがんリスクチェック

45歳から74歳の男女が対象。年齢、性別、喫煙、飲酒、食習慣、運動習慣、肥満度から、今後10年の間にすべてのがんに罹るリスクを算出します。

  • リンクについて(NCC管轄サイトへリンクします)

    「がんリスクチェック」へのリンクに際して、許可願いなど事前連絡の必要はなく、バナーをご使用いただくこともできますが、「サイトご利用にあたって」の注意事項をよくお読みになりご使用ください。

プレスリリース

  • 「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」公開

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