コンテンツにジャンプ
国立がん研究センター

トップページ > 広報活動 > プレスリリース > 国立がん研究センター発 抗体医薬開発ベンチャーを認定

国立がん研究センター発 抗体医薬開発ベンチャーを認定

がん診断薬・治療薬の開発を目指す 株式会社凜研究所

2016年3月8日
国立研究開発法人国立がん研究センター

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:堀田知光、所在地:東京都中央区、略称:国がん)は、抗体医薬の開発を行う株式会社凜研究所(代表取締役:松井秀文、所在地:東京都千代田区、以下「凜研究所」)を国立がん研究センター発ベンチャーとして認定しました。国がん発ベンチャーとしては3社目となります。

凜研究所では、先端医療開発センター(センター長:大津敦)松村保広 新薬開発分野長と連携し、同分野で見出された新規の抗体シーズ数種によるがん診断薬ならびに治療薬の開発に取り組み、いち早く臨床応用を達成し、研究成果を社会に還元することを目的としています。

株式会社凜研究所

会社設立:2016年1月21日
代表者名:松井 秀文
所在地:東京都千代田区五番町2番地
事業内容:がん抗体医薬の開発

会社設立の背景

現在、抗体医薬は最も重要な治療薬および診断薬となっています。実際には、2014年の世界医薬品売上ベスト10のうち、5品目を抗体医薬が占めています(Evaluate 社調べ)。特に、がん治療の分野における抗体の応用範囲は非常に広く、診断では体外診断および体内診断に応用されています。治療では、抗体による直接作用や、生体内の補体や免疫細胞でがんを攻撃する方法、最近では抗体に抗がん剤や放射性核種を付加した抗体抗がん剤複合体など、多岐にわたる効用があることが特徴で、今後もさらなる開発が進むと予想されています。しかしながら抗体医薬の開発においては、日本は欧米にかなりの後れをとっており、このままでは現在の医薬品等の輸入超過がいっそう進むことが予想されます。

先端医療開発センター 新薬開発分野では、独自の方法で新しいがん特異分子を見出し、それらのモノクローナル抗体の作製に成功しました。凜研究所は、国立がん研究センターと連携していち早く臨床応用を達成することにより、研究成果を社会還元することを目的に設立されました。

事業内容

大腸がん抗体

すでに樹立している大腸がん特異抗体は、まったくの新規の大腸がん細胞表面膜タンパクを認識します。将来の臨床開発を目指し、ヒトキメラ化まで成功しています。今後、抗体製造ならびに非臨床試験を行い、2018年の治験開始を目指しています。また、大腸がん患者の血中に特異分子が遊離していることを見出しており、革新的な大腸がん体外診断法を確立し、腫瘍マーカーあるいは早期診断法の開発へとつなげてまいります。

血液凝固系抗体

新薬開発分野では、凝固系タンパクのなかで、がんの間質中に存在する不溶性フィブリンのみを認識する抗体を世界で初めて作製することに成功しました。さらにこの抗体には、血中に存在する、フィブリンの前駆体であるフィブリノゲンと可溶性フィブリン分解産物を認識しないという特徴があり、高精度にがんを特定することができます。凜研究所では、この抗体を用いて、がんの局在診断や悪性度診断の開発を行います。また、松村新薬開発分野長が提唱した、抗不溶性フィブリン抗体を用いたがん間質ターゲティング療法の臨床開発を行ってまいります。

国立がん研究センター発ベンチャー

国立がん研究センターでは、研究成果を社会還元するため、知的財産戦略、産学連携を積極的に推進し、その一環として、センター発ベンチャーによる研究成果の実用化を支援しています。当センターの役職員が成し得た知的財産権や研究成果等を活用するために設立したベンチャーからの申請に対し、研究成果の活用が期待できるベンチャーを国立がん研究センター発ベンチャーとして認定しています。

プレスリリース

  • 国立がん研究センター発 抗体医薬開発ベンチャーを認定

関連ファイルをご覧ください

報道関係からのお問い合わせ先

国立研究開発法人 国立がん研究センター
企画戦略局 広報企画室(柏キャンパス)
郵便番号:277-8577 千葉県柏市柏の葉6-5-1
電話番号:04-7134-6945(直通)04-7133-1111(代表)
Eメール:ncc-admin●ncc.go.jp(●を@に置き換えください)

関連ファイル

Get Adobe Reader

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

ページの先頭へ