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がん診療連携拠点病院 院内がん登録 2011年全国集計報告

2011年に新たにがんと診断された患者約7割の詳細集計
国際小児がん分類に基づく小児がんの診療実態、大学病院が小児がんの診療を支える実態も明らかに

2013年8月1日
独立行政法人国立がん研究センター

独立行政法人国立がん研究センター(理事長:堀田 知光)では、がん対策情報センターにおいて、がん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)における2011年の1年間にがんと診断された症例のがん種、進行度、治療方法等の収集し、都道府県および全国の)拠点病院ごとに集計を行いました。拠点病院のがん登録情報の集計は2007年以降毎年実施され、今回が5回目となります。

集計の詳細を、さまざまに加工・分析可能な仕様で、都道府県と拠点病院に提供することで、引き続き、国や都道府県のがん対策や、各施設による自施設の評価に活用されることが望まれます。さらに今後、昨年度より全都道府県に拡大した地域がん登録とも協力し、より詳細なデータの収集・検討を行うことで、日本のがん医療の質の向上・評価につなげたいと考えています 。


■2011年集計結果のポイント

集計対象:拠点病院395施設/全登録数:584,120例
(日本全体で1年間に新たに診断されたがん患者さんの約7割の診療を担っていると推計)
1) 国際小児がん分類に基づく、国内の小児がんの診療実態がデータ精度の高い院内がん登録において全国規模で明らかに。大学病院が小児がんの診療を支える実態も確認
2) 直近3年間の治療法の傾向変化により、全国における標準治療の均てん化が進み始めたことを確認
3) 拠点病院以外のがん診療施設(155施設)も別途集計
拠点病院とそれ以外の診療施設の特徴等を明らかにし、国や都道府県のがん対策に活用

本年2月には、15の小児がん拠点病院が指定され、2014年度には新たな指定要件に沿ったがん診療連携拠点病院等の施設の指定が予定されています。国立がん研究センターは、各都道府県、各施設に還元する集計資料が、がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院等における診療実績等を測る資料のひとつとして有効活用され、さらに患者さんの知りたい情報が現場レベルで正しく活用されるよう、解釈の難しい情報を活用しやすくするなど、引き続き努めて参ります。


1) 国際小児がん分類に基づく、国内の小児がんの診療実態がデータ精度の高い院内がん登録において全国規模で明らかに  大学病院が小児がんの診療を支える実態も確認

小児がんは、成人のがん(胃がん、大腸がん、肺がんなど)でみられる特定の場所に起こる固形腫瘍より白血病、悪性リンパ腫、骨、筋肉、神経といった、血液組織や軟部組織などにできるがんが多いのが特徴です。そのため、小児のがん分類は、成人のがんと違い原発部位ではなく組織形態に基づくべきとされ、国際小児がん分類が国際的に利用されていますが、少数のため個人が特定される可能性があるなどの理由により、これまで成人同様の分類でしか集計を行っていませんでした。本集計では、2009年から2011年の3年分を国際小児がん分類(12分類)に基づき、性別、年齢別、都道府県別に集計を行いました。
その結果、年間2,500から3,000とも言われている小児がんについて、がん診療連携拠点病院では少なく見積もって年間約2,000例の診療に関与しており、その約7割が大学病院からの登録で、大学病院が小児がんの診療を支えている実態が明らかになりました。

2) 直近3年間の治療法の傾向変化により、全国における標準治療の均てん化が進み始めたことを確認

2009年以降、ほぼ同様の定義で集計を行っているため、近年3年間も集計値を容易に比較することができるようになりました。それにより例えば、胃癌II期と大腸癌III期の標準治療は外科手術後の抗がん剤治療とされていますが、3年間の推移をみると手術のみの治療が減少し、手術もしくは内視鏡による切除治療と薬物療法の組み合わせの登録症例の増加が見られました。これは、拠点病院における標準治療の均てん化が進んでいることを示しています。

3) 拠点病院以外のがん診療施設も別途集計
  拠点病院とそれ以外の診療施設の特徴等を明らかにし、国や都道府県のがん対策に活用

2011年集計において、集計対象となった拠点病院は395施設で全登録数は584,120例でした。これは日本全体で1年間に新たに診断されたがん患者さんの約7割の診療を担っていると推計されます。反対の見方をすると約3割のがん患者さんは拠点病院以外の医療施設で診療を受けたと推察されます。
国立がん研究センターでは、その約3割のがん患者さんの診療実態を把握すべく、昨年度新たに拠点病院以外の全国155の診療施設から88,060例の院内がん登録の提供を受け、集計を開始いたしました。
その結果、拠点病院はその性質上、特に5大がん(胃、大腸、肝臓、肺、乳房)の診療体制の整備を求められていますが、その他治療の難しい食道がんや希少がんなどの診療にも大きく貢献し、一方、拠点病院以外の医療施設も患者数の多い5大がんと前立腺がんの診療を拠点病院とともに支えている存在であることが分かりました。

今後、さまざまな比較の中で、拠点病院とそれ以外の診療施設の特徴等を明らかにし、国や都道府県のがん対策にさらに貢献したいと考えています。


■掲載サイトについて

がん診療連携拠点病院院内がん登録全国集計は下記URLをご参照ください。
<がん診療連携拠点病院院内がん登録全国集計(がん情報サービス)>
http://ganjoho.jp/professional/statistics/hosp_c_registry.html がん情報サービスへのリンク

【本内容に関する問い合わせ】
国立がん研究センターがん対策情報センター がん統計研究部 院内がん登録室 
西本 寛(がん統計研究部長)
TEL:03−3542−2511(内線3433) FAX:03−3547−8584 E-mail:hnishimo @ ncc.go.jp

【報道対応】
国立がん研究センター広報企画室
TEL:03−3542−2511(代表) FAX:03−3542−2545 E-mail:ncc-admin @ ncc.go.jp

記者説明会資料をこちらからご覧いただけます。
がん診療連携拠点病院 院内がん登録2011年全国集計報告書に関する説明会(2013年8月1日開催)