日本のがんの最新罹患推計数(2009年、2010年)を算出 がん情報の総合サイト「がん情報サービス」にて公開 << 国立がん研究センター
ホーム > プレスリリース > 日本のがんの最新罹患推計数(2009年、2010年)を算出 がん情報の総合サイト「がん情報サービス」にて公開

日本のがんの最新罹患推計数(2009年、2010年)を算出
がん情報の総合サイト「がん情報サービス」にて公開
罹患の実数と実態を把握する「がん登録推進法」施行の礎として精度維持が課題

2014年5月7日
独立行政法人国立がん研究センター


 独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター(所在地:東京都中央区、センター長:若尾文彦)は、日本のがん罹患(新たに診断されること)に関する唯一の統計である「全国がん罹患モニタリング集計」の最新データをがん情報の総合サイト「がん情報サービス」にて公開しました。

 今回公開したデータは、既に公開している2008年までの集計に新たに2009年と2010年の2年分を加え、各種がんの推計罹患数・率を男女別、年代別など詳細にみることができます。

がん情報サービス http://ganjoho.jp/public/index.htmlがん情報サービスへのリンク



1.現状課題−なぜ推計なのか

国や地方自治体が、がん対策を確実に推進していくためには、死亡動向と合わせ罹患の実測数値の把握が不可欠です。しかし、わが国において死亡動向は人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部)により把握できるものの、いずれの疾患においても罹患については実測数値がないのが現状です。

「全国がん罹患モニタリング集計」は、2003年から2013年まで実施された厚生労働省第3次対がん総合戦略研究事業「がん罹患・死亡動向の実態把握に関する研究」班(研究代表者:祖父江友孝)の研究活動として、全国の地域がん登録事業実施道府県に協力を呼びかけ、提供いただいた罹患データが基になっています。それを、がん対策情報センターが事務局を担い、サーベイランスシステムの開発、品質管理、地域別集計、全国がん罹患数・率推計作業、生存率集計を行っています。

今回の2010年集計では、医療機関や都道府県の協力、努力により、報告書の発行までの期間が1年前倒しされ即時性が高まり、さらに罹患推計の人口カバー率も半数を超えました。しかしそれは、約半数はまだ実態把握ができていないことを現しています。また、2015年には47都道府県から2012年症例収集が可能となるためさらにカバー率の上昇が見込まれますが、精度基準を満たさなければ集計対象にはならず、登録ルールの標準化と精度の維持が課題となります。


2.今後の展望−がん登録の法制化−

実測数値を把握し、確実ながん対策の立案、評価、推進を行うため2013年12月6日に議員立法として「がん登録推進法」が可決、2016年より施行されます。これにより、医療機関や都道府県が篤志的に行っていた登録事業が義務化され、全国集計が実現されると推計ではなく、実数把握ができるようになります。一方で、前述の標準化と精度維持への取り組みを引き続き行う必要があります。

1950年代からの医師や研究者、都道府県の努力、1975年の立ち上げ以来、引き継がれてきた厚生労働省研究班、および2006年に設立された国立がん研究センターがん対策情報センター等により約60年かけて取り組まれてきたがん登録への貢献が、「がん登録推進法」の礎となり、実数をはじめとする罹患時の詳細等がん対策に寄与する実態把握へと発展します。


3.集計ポイントと見解

集計は、精度基準を達成した県のデータを用いる方法で行われ、全国集計最初の集計対象の2003年症例では13県だった精度基準達成県が、2009年症例では32県となり、人口カバー率が初めて半数を超えました。

また、これまで集計から報告書の発行までに4年3カ月費やしていたものを、2010年分の8度目の集計で初めて3年3カ月で発行することができるようになり、即時性が高まりました。

1年間に診断されたがん症例の罹患推計数(全部位、男女計)は2009年、2010年でそれぞれ、77.6万人、80.5万人
部位別に2010年の罹患数は、男性では胃、肺、大腸、前立腺、肝の順で多く、女性では乳房、大腸、胃、肺、子宮の順で、男性は2005年、女性は2003年より順位の変化は見られません。
罹患データを提出可能な地域がん登録41県中、2009年は37県、2010年は31県のデータが集計対象となりました。このうち、精度基準を満たす地域は、2009年は32登録、2010年で28登録でした。これは、総人口の54.5%、47.1%に相当するもので、参加登録の精度指標は着実に向上

上記の罹患推計数の傾向について、本当にがんが増えているのか懸念を持っており、登録される症例数が増加したために、これまで把握できていなかったがんも数えられるようになった可能性も増加の一因と考えています。

 2003年集計から2009年集計への 人口カバー割合の変遷
2003年集計から2009年集計への 人口カバー割合の変遷


 2010年集計 罹患数部位割合(左:男 右:女)
2010年集計 罹患数部位割合(左:男 右:女)


参考:がん情報サービス
最新がん統計:
1.日本の最新がん統計まとめ  3.がん罹患(新たにがんと診断されること 全国推計値)
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.htmlがん情報サービスへのリンク
集計表のダウンロード:
2.罹患データ(全国推計値) *詳細なExcelデータをダウンロードできます
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.htmlがん情報サービスへのリンク
全国がん罹患モニタリング集計
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/monitoring.htmlがん情報サービスへのリンク


プレスリリース
日本のがんの最新罹患推計数(2009年、2010年)算出(PDF)



<内容に関するお問い合わせ>
全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ)事務局
独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター
がん統計研究部 地域がん登録室
    〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1
TEL:03-3542-2511 内線1637、1639  FAX:03-3546-0605
E-mail:office_canreg @ ml.res.ncc.go.jp

<その他のお問い合わせ>
独立行政法人国立がん研究センター 広報企画室
  TEL:03−3542−2511(代表)/FAX:03−3542−2545
  E-mail:ncc-admin @ ncc.go.jp
  迷惑メール防止のために@の前後にスペースが入っております。メールソフトにより、スペースが入ったままでは送信できない場合がございます。送信できない場合は、スペースを削除してご利用ください。