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国立がん研究センター 東病院

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研究について

国立がん研究センターでは質の高いがん治療を個々の患者さんに提供すると同時に、先進的な治療法を積極的に開発・応用し、未来に向けた治療体系を確立させる責務もあります。当科はJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)胃がんグループ(外部サイトにリンクします)の一員として多くの多施設臨床研究に参加し、得られた経験、エビデンスを活かしたがん治療成績の向上に努めています。JCOGで行われる臨床研究以外にも、安全な術式、手術手技を開発することを目的とした研究にも積極的に参加しています。現在、当科では以下の臨床研究を行っております。

  1. 局所進行胃癌に対する術前術後化学療法の術後補助化学療法に対する優越性に関するランダム化第III相試験(JCOG1509:図5):遠隔転移のない進行胃がん患者さんの標準治療は、胃癌治療ガイドラインにおいて手術(胃切除)+術後補助化学療法(抗がん剤)とされています。この臨床研究は胃切除を行う前に術前化学療法を行うことで治療効果が良くなるかを標準治療と比較する臨床研究です。全国で470人の胃がん患者さんに参加いただく予定です。
    図5.JCOG1509試験

    図5

  2. 高度リンパ節転移を有するHER2陽性胃癌に対する術前トラスツズマブ併用化学療法の意義に関するランダム化第II相試験(JCOG1301C:図6):HER2蛋白が発現している胃がんには「トラスツズマブ」という抗がん剤が効果的であることが分かっています。この臨床研究では、リンパ節に転移がみられ、HER2蛋白が発現している進行胃がんの患者さんを対象として、術前化学療法を行った後に手術および術後補助化学療法を行います。術前化学療法としてこれまで有効とされているSP療法(S-1+シスプラチン療法)を行った患者さんと、SP療法にトラスツズマブを加えたSP-T療法(S-1+シスプラチン+トラスツズマブ療法)を行った患者さんの効果・副作用を比べることを目的としています。全国で130人のHER2陽性の胃がん患者さんにご協力いただく予定です。
    図6:JCOG1301C試験

    図6

  3. 腹腔鏡下胃全摘術/噴門側胃切除術の食道空腸吻合におけるCircular stapler法とLinear stapler法のランダム化第II相比較試験(大阪大学との共同研究):腹腔鏡下に胃全摘あるいは噴門側胃切除を行ったあとには、新たな食物の通過経路のために食道と空腸をつなぐ(食道空腸吻合)必要があります。腹腔鏡下の食道空腸吻合法には大きく分けて、環状の自動吻合器を使用する方法(Circular stapler法)と線状の自動縫合器を使用する方法(Linear stapler法)があります。どちらの方法がすぐれているかを明らかにすることがこの研究の目的です。
  4. 食道胃接合部癌に対する縦隔リンパ節および大動脈周囲リンパ節の郭清効果を検討する介入研究
  5. 固形がん患者に対するMogamulizumab(抗CCR4抗体)・Nivolumab(抗PD-1抗体)術前併用投与の安全性を観察するための第I相治験

ランダム化について:臨床試験に登録後、どちらの治療法を受けていただくかは「ランダム」に(五分五分の確率で)決まります。患者さんや担当医が治療法を選ぶと、その意思が影響して比べたい治療法の患者さんの特徴に偏りが生じてしまい、正しい臨床研究の結果を得ることができません。ランダム化はどちらがよいかわかっていない治療法を比べるには最もよい方法と考えられており、世界中の臨床研究で採用されています。

これらの研究に関しては患者さんへの十分な説明のもとに、ご理解・ご協力をお願いしながら進めております。