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国立がん研究センター 東病院

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診療について

肝胆膵の位置

当科は、肝臓がん、胆道がん、膵臓がんの非手術療法(内科的治療)を担当しています。肝臓がん、胆道がん、膵臓がんに対する化学療法(抗がん剤による治療)をはじめとして、超音波検査、CT、MRI、超音波内視鏡などによる画像診断、超音波または超音波内視鏡を用いた針生検、肝臓がんに対する経皮的局所壊死療法(ラジオ波焼灼術など)、閉塞性黄疸に対する内視鏡的および経皮的胆管ドレナージなど、診断から治療・処置、そして抗がん剤による治療まで幅広く診療を行っています。通常の抗がん治療に限らず、さらなる治療成績の向上を目指して臨床試験/治験など、新規抗がん剤の開発にも積極的に取り組んでいます。また、肝胆膵外科放射線診断科放射線治療科をはじめとした各科との連携を図り、薬剤部、看護部など各所とのチーム医療を行い、患者さんによりよい治療を提供することを心がけています。

主な活動

以下、主な活動をご紹介します。

肝臓がん

肝臓がんのほとんどが肝細胞がんと呼ばれるタイプの腫瘍です。肝細胞がんの治療としては、切除術、ラジオ波焼灼療法などの経皮的局所壊死療法、カテーテルによる肝動脈化学塞栓療法が主に行われています。また、がんが限局し、肝機能も保たれている場合には先進医療として陽子線治療を行い、良好な治療効果が得られています。定位放射線療法という保険適応となった放射線療法も積極的に取り入れています。高度に進行した例や遠隔転移を認める例では、全身化学療法(ソラフェニブ、レゴラフェニブ)や肝動注化学療法(肝動脈内からがんに直接抗がん剤を投与する)などを行っています。そして、より良好な治療効果を期待して、新規治療法の開発(治験/臨床試験)にも積極的に取り組んでいます。当科では、肝細胞がんの腫瘍部位や大きさ、肝機能の状態などを総合的に判断して、肝胆膵外科放射線診断科放射線治療科との合同カンファレンスにより治療方針を決定しています。

胆道がん

胆道がんには、肝内胆管、肝外胆管、胆嚢、ファーター乳頭部のがんが含まれます。胆道がんは外科的切除が第一選択の治療法ですが、状態により切除ができない場合も少なくありません。当科では切除以外の治療法として、化学療法(ゲムシタビン+シスプラチンなど)を中心に行っています。近年、胆道がんの治療は進歩しており、有効な薬剤の開発が進んでいます。当科でも、より有効な新規治療法を開発するため、化学療法の治験/臨床試験を積極的に進めています。

胆道がんではしばしば黄疸となります。黄疸の治療は胆道がんの治療全体をスムーズに行い患者さんの生活の質を高めるために大変重要です。当院では、通常の内視鏡的ドレナージに加え、超音波内視鏡によるドレナージ、以前から行われている経皮的ドレナージなどを適切に選択し、患者さん一人一人に最適な黄疸の治療を提供します。

膵がん

膵がんは早期発見が最も難しいがんのひとつであり、診断されたときにはすでに切除できない場合が多いのが現状です。当科では、切除ができない膵がんに対し、抗がん剤による化学療法や、放射線療法と化学療法の併用治療を積極的に行っています。切除できない段階の治療成績は極めて不良でしたが、最近では新しい治療法(FOLFIRINOX、ゲムシタビン+ナブパクリタキセルなど)が開発され、治療成績も向上しています。当科では、患者さんの状態に応じた最適の治療法を行うと同時に、より有効な薬を開発するため、国内だけでなく国際的な臨床試験も進めています。また、切除後の再発抑制を目指して、術前・術後補助化学療法も外科グループと連携をとりながら行っています。

膵がんでは痛みを伴うこともしばしばあります。適切に痛みをコントロールすることは患者さんの生活の質を保ち、体調を整えるために大変重要です。当科では通常の飲み薬での鎮痛に加え、超音波内視鏡による神経ブロック、緩和医療科との連携などにより総合的に痛みを抑え、痛みのない元気ながん治療の継続を目指しています。

膵神経内分泌腫瘍

膵神経内分泌腫瘍は比較的まれな疾患でありますが、近年治療の開発が進み、注目を集めている疾患です。外科的切除が第一選択の治療法ですが、当科では切除が困難な膵神経内分泌腫瘍に対して、ホルモン療法(オクトレオチド、ランレオチド)や分子標的薬(エベロリムスやスニチニブ)、細胞障害性抗がん剤(ストレプトゾシン)などの化学療法を中心に実施しています。また、肝転移に対して、カテーテルを使った肝動脈塞栓療法も実施しています。

肝胆膵内科グループの特徴

肝胆膵内科グループの特徴として、以下の点があげられます。

診療科・職種を超えた協力体制

肝胆膵領域のがんは外科、内科、放射線科などいくつかの治療法を組み合わせた「集学的治療」が必要です。当院の肝胆膵グループは、外科と内科が同じ入院病棟、隣同士の外来ブースで診療を行い、絶えず意見交換をしながら診療にあたっており、定期的に肝胆膵内科・肝胆膵外科放射線診断科放射線治療科合同でのカンファレンスを実施し、最適な治療の提供に努めています。また、がんによる症状を緩和するためにも精神腫瘍科・緩和治療科などとのチーム医療を提供しています。抗がん剤治療に際しては、医師だけでなく、薬剤師、看護師と定期的にミーティングをもち、チームとしてよりよい治療を目指しています。

抗がん剤の副作用マネジメントチーム

患者さんへのサポート

現在、膵がんの患者さんを対象に、医師だけでなく、ソーシャルワーカー、薬剤師など多職種の職員が協力して、1ヵ月から2カ月に1回「膵がん教室(関連ファイルをご覧ください。)」を開催しています。この教室では、病気の性質から、治療、抗がん剤に関して、膵がんの患者さんの食事の工夫、利用可能な公的サービスなど、幅広い側面からの情報の提供を目指しています。

また、膵がんの啓発イベントのPanCan(パンキャン)などにも積極的に参加しており、今後もこのような患者さん向けのサポート活動を充実させるべくいっそう努力していくつもりです。

  • 膵がん教室の光景画像

    膵がん教室の光景

  • PanCanイベントへの参加画像

    PanCanイベントへの参加

新しい治療への積極的な取り組み

国内外の臨床試験やこれまでの経験などから、現在の標準治療を安全かつ確実に実施するだけでなく、さらなる新しい治療の開発にも積極的に取り組んでいます。より優れた治療を目指して、日本国内だけでなく、欧米、アジア諸国などが参加する国際共同治験や研究者主導の臨床試験を多数行っています。現在、当院で行われている治験に関してはこちらのページをご覧ください。

地域病院との連携や緩和治療のサポート

現在、肝胆膵内科で行っている化学療法のほとんどは外来通院で実施することが可能です。患者さんが安心して治療を受けられるように、ご自宅に近い病院や医院との地域連携に取り組んでいます。緩和治療に関しても、緩和医療科などと連携をとりながら、最適な緩和ケアの提供を目指して、訪問診療医の先生による在宅緩和ケアや入院による緩和ケアなど調整を行っています。

診察実績

平成28年の初診患者数は732人(初診529人、医療相談203人)で、1日平均入院患者数は49人、1日平均外来患者数は76人でした。

表1 年別新規患者数
 2012年2013年2014年2015年2016年
肝臓がん 119 118 82 103 108
胆道がん 53 90 92 94 105
膵臓がん 178 199 211 228 262
350 407 385 425 475
表2 治療法別の患者数の推移
がん種治療法2012年2013年2014年2015年2016年
肝がん 穿刺療法(PEI/RFA) 87 85 82 81 73
肝がん 肝動脈化学塞栓術 192 200 196 190 192
肝がん 肝動注化学療法 59 47 47 56 55
肝がん 全身化学療法 70 68 47 49 67
肝がん 放射線療法 6 3 7 3 4
肝がん 陽子線 13 29 30 28 23
肝がん 緩和ケア 34 21 19 18 19
胆道がん 全身化学療法 55 61 118 96 101
胆道がん 動注化学療法 0 0 0 0 2
胆道がん 放射線療法 4 1 7 3 8
胆道がん 緩和ケア 25 34 30 29 32
膵がん 全身化学療法 208 193 264 286 333
膵がん 化学放射線療法 13 10 8 3 0
膵がん 緩和ケア 61 62 54 52 64
胆膵内視鏡等 ERCP(ドレナージを含む)   289 432 605 772
胆膵内視鏡等  バルーン内視鏡
 下胆道 ドレナージ
  - - 14 12
胆膵内視鏡等 EUS
(FNAや関連手技を含む)
  146 237 382 529
胆膵内視鏡等  EUS下腹腔神経叢ブロック   - - 34 37
胆膵内視鏡等  EUS下瘻孔形成術   - - 19 23
胆膵内視鏡等 十二指腸ステント   - - 32 39

関連ファイル

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