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思春期・若年成人(AYA世代)に発症するがん診療

はじめに

「小児がん」とは、一般的に15歳未満のお子さんに発生するがんを指しますが、東病院小児腫瘍科では、15歳から30歳前後の思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult, AYA)の患者さんに発症する「がん」を特に専門的に治療しております。

AYA世代に発生するがんは、15歳未満の小児に発生する場合に比較して、一般的に予後不良とされます。AYA世代のがん診療の専門家が少なく、特にわが国では未だAYA世代に発生するがんの現状が正確に把握されていません。

当センターでは、AYA世代に特有のさまざまな問題点に配慮し、豊富な治療経験を生かし、各成人診療科・先端医療科やサポーティブケアセンターなどとの協力体制の下、最善の医療を提供しております。特に、AYA世代の患者さんに発生する固形腫瘍を対象とした多施設共同臨床研究も複数計画しております。

国内でも数少ない「専門家」の意見をお聞きになりたい方は、当センターまでご相談ください。

AYA世代に発生するがんの特徴

  • 15歳未満の小児に多く発生するがんと、成人に多く発生するがんのいずれも発生し得るため、小児腫瘍科と成人診療科の密な連携が必須となります。東病院では腫瘍内科血液腫瘍科頭頸部外科骨軟部腫瘍・リハビリテーション科放射線治療科などと連携し、成人領域の専門家の意見も取り入れながら適切な治療を選択します。
  • 成人がんと異なり、進行の早い肉腫などは診断が遅れることがあり、注意が必要です。
  • 患者さんの数がきわめて少ないため、適切な治療法が確立していません。このため、十分な情報・経験を有するチームによる治療が必須です。

思春期・若年成人(AYA世代)に発症するがん診療 図

AYA世代のがん患者さんが抱える問題・対策

小児期と成人期の間にあたるAYA世代の患者さんは、さまざまな問題を抱えています。例えば、病気の治療が生殖機能に及ぼす影響や晩期合併症、通勤や通学に及ぼす影響、思春期という多感な時期に病気に罹患することによるさまざまな精神的ストレス、将来への不安などです。

これらの問題を可能な限り解決し、それぞれの患者さんのニーズに応じた医療を提供するため、当センターでは院内の連携(サポーティブケアチーム)に加え、院外にネットワークを形成し(外来診療ネットワーク、妊孕性温存ネットワーク、緩和医療ネットワーク)、積極的に取り組んでいます。

AYA世代の患者さんを取り巻くさまざまな問題

精神的なストレス 病気や治療への不安、入院のストレス、治療の副作用によるストレス、
外見の変化(脱毛や色素沈着など)に伴うストレス
家族の問題 親子関係、同胞との関係
社会の問題 学校の問題、友人との関係、仕事・職場の問題、経済的な負担
将来への不安 進学、就労、結婚、出産など晩期合併症について

AYA世代のがん患者さんに対する東病院の取り組み

外来管理中心の治療

通勤・通学への影響を最低限とするため、地域医療機関と連携し外来管理を中心とすることで、入院期間を可能な限り短縮する取り組みを行っております。がんに罹患しても日常生活を可能な限り維持し、「社会復帰」が必要ない医療を目指しております。

豊富な治療選択肢の提示

AYA世代に発症するがんは、しばしば難治であることを経験します。標準治療も確立されていないなか、再発した患者さんや、治療しても効果が得られない患者さんに対する治療選択は限られてしまいます。
このような問題を解決するため、当センターでは先端医療科との協力体制の下、企業治験や医師主導臨床試験により、新しい薬の選択肢を提供しております。特に成人年齢に達する患者さんで治療にお困りの方を全国から受け入れております。

妊孕性の温存・生殖サポート

がんの治療を開始すると、妊孕性(にんようせい)が失われる可能性があります。我々は、小児内分泌医や産婦人科、泌尿器科など生殖医療の専門家とネットワークを形成し、妊孕性を温存するための取り組みを行っています。二次性徴の発来しているAYA世代の患者さんには、ご希望に応じて治療開始前に精子保存や卵巣凍結保存などが可能な施設への紹介を行っております。
また、治療終了後に出産を希望される場合、適切な生殖医療機関への紹介がスムーズに行えるよう、ネットワーク形成に取り組んでおります。

心理・社会的支援

サポーティブケアチームと連携し、心理的支援や外来管理中の指導、経済的負担を軽減するための社会資源に関する情報提供、就労サポートなど、幅広い支援を行っています。また、患者さん同士の交流によるピアサポートを支援しています。

お問い合わせ先 AYA世代がん・小児がん電話相談

当科では、治療前、治療中にかかわらず専門家の意見を聞きたいという患者さん・ご家族のために電話での相談窓口を設けております。小児がん専門の医師が直接対応いたします。診断や治療、臨床試験や治験、療養環境など、なんでもご相談ください。ただし、電話での相談には限界がございますので、詳細につきましては小児腫瘍科外来を受診していただけますと幸いです(初診もしくはセカンドオピニオン外来)。

小児がんなんでも相談2

AYA世代がん・小児がん 電話相談
電話番号:04-7130-0191
受付時間:平日10時から16時
注:相談は無料です(通話料は発生します)。
注:入院中の患者さんや外来患者さんの対応などにより、時間内であっても電話に対応できない場合があります。ご了承ください。

更新日:2022年9月13日