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先進医療

先進医療については、平成16年12月の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣等との「基本的合意」に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとしたものです。

また、先進医療は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)において、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。

先進医療にかかる料金は、患者さんの自己負担(保険適応外)となります。高額療養費の払い戻しの対象とはなっておりませんが、所得税の控除の対象になります。料金は、先進医療の種類や病院によって異なっております。先進医療以外の通常の医療と共通する部分(診療・検査・投薬・注射・入院料等)の費用は、保険扱いとなります。

令和5年8月1日現在、第2項先進医療【先進医療A】28種類、第3項先進医療【先進医療B】54種類が承認されています。

そのなかで、国立がん研究センター東病院では次の先進医療が承認されています。

先進医療の詳細につきましては、連リンクの厚生労働省ホームページをご覧ください。

先端医療技術名 技術の概要 先進医療に係る費用

陽子線治療

限局性固形がん

[第2項先進医療技術]

放射線の一種である粒子線(陽子線)を病巣に照射することにより悪性腫瘍を治療する。  2,941,000円
(患者負担額)

術後のカペシタビン内服投与及びオキサリプラチン静脈内投与の併用療法

小腸腺がん(ステージがI期、II期又はIII期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)

[第3項先進医療技術]

治癒切除後病理学的Stage I/II/III小腸腺癌を対象に、手術単独群に対し術後化学療法群の無再発生存期間(RFS:relapse-free survival)が優位に優るかを判断する。 1,747,184円
(実質患者負担額29,600円)

陽子線治療

根治切除が可能な肝細胞がん(初発のものであり、単独で発生したものであって、その長径が三センチメートルを超え、かつ、十二センチメートル未満のものに限る。)

[第3項先進医療技術]

根治切除可能な初発・単発・結節型肝細胞癌患者を対象として、標準治療である外科的切除に対して、試験治療である陽子線治療が全生存期間で劣っていないことを非ランダム化同時対照試験により検証する。 1,600,000円
(患者負担額)

術後のアスピリン経口投与療法

下部直腸を除く大腸がん(ステージがIII期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)

[第3項先進医療技術]

Stage III(UICC-TNM 第 7 版)の下部直腸を除く大腸癌[結腸(C、A、T、D、S)、直腸 S 状部(RS)、上部直腸(Ra)]の治癒切除患者を対象とし、術後補助療法として低用量アスピリンを併用することが、プラセボに対して、無病生存期間において優れていることを検証する。 治療:術後補助化学療法+プラセボ/アスピリンプラセボ/アスピリン:1 日 1 回 1 錠(100 mg)、連日内服する。内服期間は 3 年とする。pStage IIIA/IIIB ではカペシタビン療法、pStage IIIC ではオキサリプラチン併用療法(mFOLFOX6療法、または CAPOX 療法)を行うことを原則とする。ただし、患者希望により、pStage IIIA/IIIB に対するオキサリプラチン併用療法(mFOLFOX6 療法、または CAPOX 療法)、pStage IIIC に対するカペシタビン療法も許容する。 882,684円
(実質患者負担額0円)

プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡による胃上皮性病変の診断

胃上皮性病変

[第3項先進医療技術]

 本試験は、先進医療Bの制度下で多施設共同前向き臨床試験にて胃上皮性病変に対するpCLEの診断能を評価し、pCLEの有用性とフルオレセイン静脈投与の適応拡大につながるエビデンスを構築することを目的とする。本試験の適応は、上部消化管内視鏡検査にて組織学的に早期胃癌と診断または疑われる(生検にてGroup4または5)、または、早期胃癌に対して内視鏡治療後(EMRまたはESD)後、40週以上経過している、のずれかを満たす患者である。 280,848円
(実質患者負担額13,515円)

周術期デュルバルマブ静脈内投与療法

肺尖部胸壁浸潤がん(化学放射線療法後のものであって、同側肺門リンパ節・縦隔リンパ節転移、同一肺葉内・同側の異なる肺葉内の肺内転移及び遠隔転移のないものに限る。)

[第3項先進医療技術]

肺尖部胸壁浸潤癌(superior sulcus tumor:SST)に対する術前化学放射線療法後の術前後デュルバルマブ療法および手術不能例のデュルバルマブ維持療法の集学的治療の安全性と有効性を検証する。現在の標準治療では、SST の半数以上の患者において増悪が認められる。しかし、SSTが稀少な疾患であるため、積極的な治療開発が行われてこなかった。本試験では、術前後にデュルバルマブを追加することにより、治療成績の向上を期待するものである。 22,099,200円
(実質患者負担額79,200円)

シスプラチン静脈内投与及び強度変調陽子線治療の併用療法

頭頸部扁平上皮がん(喉頭がん、中咽頭がん又は下咽頭がんであって、ステージがII期(p16陽性中咽頭がんに限る。)、III期又はIV期のものに限る。)

[第3項先進医療技術]

局所進行頭頸部扁平上皮癌(喉頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌)を対象とした強度変調陽子線治療(Intensity Modulated Proton Beam Therapy: IMPT)の治療後の患者QOLに影響する晩期有害事象発生割合を、X 線による強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)のヒストリカルデータと比較することにより、IMPT の晩期有害事象低減効果を評価する 2,145,000円
(患者負担額)

アスピリン経口投与療法

家族性大腸線種症

[第3項先進医療技術]

本試験は家族性大腸腺腫症患者を対象にして、有効な大腸がんの発症抑制法の実用化に繋がるエビデンス構築を目的とする。多施設単一介入臨床試験にて、低用量アスピリン腸溶錠(100 mg/day)を2年間投与することによる大腸ポリープ発生割合の減少に対する有効性と安全性を検証する。

4,160円
(実質患者負担額0円)

ラメルテオン経口投与療法
悪性腫瘍(六十五歳以上の患者に係るものに限る。)

[第3項先進医療技術]

高齢がん患者の術後せん妄の発症抑制に対するラメルテオンの内服の有効性と安全性について、プラセボを対照とする二重盲検ランダム化比較試験にて検証する。
 試験薬(被験薬もしくは対照薬)を1日1回1錠(8mg)、手術4-8日前から術後4日目まで就寝前に経口もしくは経鼻胃管から投与する。手術後1日目から5日目まで毎日、精神腫瘍医がDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders-5)を用いてせん妄の有無を評価する。

13回投与した場合 1,861円
(実質患者負担額1,121円)

9回投与した場合 1,516円
(実質患者負担額776円)

ネシツムマブ静脈内投与療法
切除が不可能なEGFR遺伝子増幅陽性固形がん(食道がん、胃がん、小腸がん、尿路上皮がん又は乳がんに限る。)

[第3項先進医療技術]
EGFR 増幅陽性食道・胃・小腸・尿路上皮・乳がんを対象とした多施設共同第II 相バスケット試験である。ネシツムマブ: 800 mg(固定量)をday1, 8(day 15 は休薬)に投与し、3 週間毎に繰り返す。主要評価項目は客観的奏効割合、副次的評価項目は奏効期間、無増悪生存期間、安全性、治療開始前EGFR copy number(CN)やその変化と有効性の関連等である。登録期間1 年6 か月で登録症例数22 例を予定する。 2,985,472円
(実質患者負担額53,520円)
術前のゲムシタビン静脈内投与及びナブ―パクリタキセル静脈内投与の併用療法
切除が可能な膵臓がん(七十歳以上八十歳未満の患者に係るものに限る。)

[第3項先進医療技術]
70歳以上79歳以下の切除可能膵癌患者を対象に、標準治療である術前ゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)に対する、術前ゲムシタビン+ナブ―パクリタキセル療法(GnP療法)の優越性をランダム化第III相試験において検証する。
主要評価項目:全生存期間
副次評価項目:無増悪生存期間、術前治療の奏効割合、病理学的奏効割合、非切除割合、R0切除割合、有害事象発生割合(術前、術中、術後)、IADL非悪化割合
予定登録数:400人
718,092円
(実質患者負担額2,400円)

更新日:2024年2月13日