乳腺科・腫瘍内科
乳腺外科
1.乳腺外科について
2.診療について
3.研究について
当院における治療を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。
また乳がんの手術術式もここ10年〜20年で劇的に変貌を遂げており、定型的乳房切除術から胸筋温存乳房切除術、そして乳房温存療法と手術は縮小の方向にあります。当院では、1998年から術前化学療法を積極的に導入し、すでに500人以上の方を治療した経験を有し、従来は乳房温存療法の適応外であった患者さんに対しても、腫瘍内科専門医と連携して手術前に抗がん剤治療を施行して、半数以上の方に対して乳房温存手術が可能となっています。また、乳房温存療法を安全に行うために、各種の画像診断法を用いて乳管内進展や微小多発病巣といった乳がんの広がりを診断して治療に応用しています。さらにセンチネルリンパ節生検1)の導入によって、早期乳がんに対する腋窩リンパ節郭清を省くことがほぼ実用段階に入っており、当院においても現在は約7割の患者さんに適応しています。
1)センチネルリンパ節とは、乳がん側から最初にリンパが流入するリンパ節であり、このためがん細胞が最初に転移するリンパ節と考えられています。このセンチネルリンパ節を検索して取り出して、特殊な方法でがん細胞の有無を調べます。ここにがん細胞が無ければ、その先のリンパ節には転移していないと考え、残りのリンパ節切除を省くことができます。
診断においては、MRI・CT・乳腺エコー・MMGなど、各種の画像検査による良性・悪性の判定とそれに対する細胞診・針生検・摘出生検・マンモトーム生検などを駆使し、専門医による正確・迅速な診断を心がけております。
治療は、個々の患者さんの乳がんの状態に応じて、1)手術療法、2)薬物療法、3)放射線療法を組み合わせて行っています。
化学療法と分子標的治療による治療は、乳腺科・腫瘍内科の乳腺腫瘍内科医により、主に実施されます。
ホルモン治療は乳腺科・腫瘍内科の乳腺外科により、主に実施されます。
乳腺外科 診療実績(症例数)
* 術前化学療法は乳腺科・腫瘍内科の腫瘍内科により実施される。
乳腺科・腫瘍内科 治療成績
* 初診時、遠隔臓器転移あり、未治療症例のみ
** 初再発の症例のみ
2.診療について
3.研究について
1.乳腺外科について
| 医師名(ふりがな) | 役職・専門分野 | 専門医・認定医資格 | メッセージ |
| 木下 貴之 (きのした たかゆき) ![]() |
乳腺科・腫瘍内科 副科長 乳腺外科 |
乳腺専門医 外科学会指導医・専門医 がん治療暫定教育医・認定医 マンモグラフィ精度管理中央委員会 読影認定医 |
高度医療評価制度下のラジオ波熱焼灼療法(RFA)=非切除治療の研究責任者。形成外科と緊密に連携して整容性の高い乳房再建も実施しています。 |
| 北條 隆 (ほうじょう たかし) ![]() |
外来・病棟医長 乳腺外科 |
乳腺専門医・外科学会専門医 がん治療認定医機 がん治療認定医 マンモグラフィ精度管理中央委員会 読影認定医 |
蛍光センチネルリンパ節生検と内視鏡補助下乳房切除に関してご相談ください。 |
| 麻賀 創太 (あさが そうた) ![]() |
医員 乳腺外科 |
乳腺専門医 外科専門医 がん治療認定医 マンモグラフィ精度管理中央委員会読影認定医 |
多くの知識と経験からわかりやすく、納得のいく説明を心がけています。術前薬物療法を併用した整容性の高い乳房温存療法に関してご相談ください。 |
| 鈴木 純子 (すずき じゅんこ) ![]() |
医員 乳腺外科 |
乳腺専門医 外科学会専門医 マンモグラフィ精度管理中央委員会読影認定医 |
女性外科医の立場から、女性ならではの悩みに応じた納得のいくベストな治療を受けていただけるよう一緒に問題を解決してゆきましょう。 |
| 岩本 恵理子 (いわもと えりこ)
|
非常勤医員 乳腺画像診断 乳腺外科 |
乳腺専門医 外科学会専門医 マンモグラフィ精度管理中央委員会読影認定医 |
検診で見つかる超早期乳がん診断の第一人者として他院で診断に難渋している患者さんへ最高レベルの医療を提供いたします。 |
| 神保 健二郎 (じんぼ けんじろう) ![]() |
がん専門修練医 乳腺外科 |
外科学会専門医 マンモグラフィ精度管理中央委員会読影認定医 |
患者さんが安心できる最良の医療を提供するためのチーム医療を実践いたします。 |
当院における治療を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。
1)活動の歴史と成果
わが国の乳がんは生活様式の欧米化に伴い増加の傾向にあり、当院においても乳がんの患者さんは増加傾向にあります。1990年代前半では毎年270件前後の原発性乳がん患者さんに対する手術を行っていましたが、90年代後半には300件を超え、現在では年間500件弱の手術を施行しています。また乳がんの手術術式もここ10年〜20年で劇的に変貌を遂げており、定型的乳房切除術から胸筋温存乳房切除術、そして乳房温存療法と手術は縮小の方向にあります。当院では、1998年から術前化学療法を積極的に導入し、すでに500人以上の方を治療した経験を有し、従来は乳房温存療法の適応外であった患者さんに対しても、腫瘍内科専門医と連携して手術前に抗がん剤治療を施行して、半数以上の方に対して乳房温存手術が可能となっています。また、乳房温存療法を安全に行うために、各種の画像診断法を用いて乳管内進展や微小多発病巣といった乳がんの広がりを診断して治療に応用しています。さらにセンチネルリンパ節生検1)の導入によって、早期乳がんに対する腋窩リンパ節郭清を省くことがほぼ実用段階に入っており、当院においても現在は約7割の患者さんに適応しています。
1)センチネルリンパ節とは、乳がん側から最初にリンパが流入するリンパ節であり、このためがん細胞が最初に転移するリンパ節と考えられています。このセンチネルリンパ節を検索して取り出して、特殊な方法でがん細胞の有無を調べます。ここにがん細胞が無ければ、その先のリンパ節には転移していないと考え、残りのリンパ節切除を省くことができます。
2.診療について
我々は、乳がん治療に関連する乳腺外科、乳腺内科、放射線科、病理、形成外科などの多くの科の医師と看護部門、あるいは診断治療に携わる技師や薬剤部などが協力して、最新の医療を患者さんに実施することを目標としています。診断においては、MRI・CT・乳腺エコー・MMGなど、各種の画像検査による良性・悪性の判定とそれに対する細胞診・針生検・摘出生検・マンモトーム生検などを駆使し、専門医による正確・迅速な診断を心がけております。
治療は、個々の患者さんの乳がんの状態に応じて、1)手術療法、2)薬物療法、3)放射線療法を組み合わせて行っています。
1)手術療法
乳房切除には、乳房全摘術と乳房温存手術があります。乳房温存療法は、腫瘤を中心とした乳腺(乳房)を部分的に切除する方法です。適応外の患者さんに対しても、手術の前に抗がん剤治療やホルモン療法を行ってがんを縮小させた後に手術をすることで乳房を温存することが可能になることもあります。手術の後の再発をできるだけ少なくするために詳細な画像診断を行い、手術で切り取る範囲をしっかりと決めることを目指して行っております。腋窩郭清については、約7割の患者さんでセンチネルリンパ節生検1)を行っており、早期乳がん以外の患者さんに対する適応を広げています。患者さんによっては、臨床試験に登録していただいくこともお願いしています。2)薬物療法
抗がん剤である化学療法、ホルモン治療、分子標的治療薬などの各種の薬剤を主体とした全身療法です。個々の患者さんの乳がんの状態に応じて、手術前・手術後の補助療法・全身療法や転移巣に対する治療として行います。化学療法と分子標的治療による治療は、乳腺科・腫瘍内科の乳腺腫瘍内科医により、主に実施されます。
ホルモン治療は乳腺科・腫瘍内科の乳腺外科により、主に実施されます。
3)放射線治療
放射線治療専門医が担当しますが、詳細は放射線治療科をご覧ください。4)乳房再建
術前診断でDCIS(非浸潤性乳管がん)や再発リスクの少ないと考えられる患者さんに対して乳房全摘を行う場合、形成外科と連携して乳房再建を行っています。今後は、対象となる患者さんを広げることも検討中です。再建の方法は、現在は一期的再建と二期的再建方法を行っています。つまり、前者は乳房全摘直後に乳房再建を同一手術内で行います(乳房同時再建手術は月曜日あるいは金曜日の外来で受け付けております)。後者は乳房全摘直後に組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)を挿入し、その後は連携を行っている大学病院で最終的な再建手術を行います。詳細は頭頸部腫瘍科・形成外科をご覧ください。乳腺外科 診療実績(症例数)
| 2007 | 2008 | 2009 | |||
| 年間手術件数 | 546 | 462 | 462 | ||
| 進行期 | 0 期 | 65 | 32 | 45 | |
| I 期 | 187 | 177 | 183 | ||
| II 期 | 252 | 197 | 194 | ||
| III 期 | 26 | 41 | 36 | ||
| IV 期 | 3 | 1 | 0 | ||
| その他 | 13 | 14 | 4 | ||
| 術式内訳 | 乳房切除 | 乳房全摘(%) | 249(46.7%) | 197(44.0%) | 209(45.6%) |
| 乳房温存手術(%) | 284(53.3%) | 251(56.0%) | 249(54.4%) | ||
| 腋窩治療 | 腋窩リンパ節郭清(%) | 155(29.1%) | 100(22.3%) | 89(19.4%) | |
| センチネルリンパ節生検(%) | 373(70.0%) | 342(76.3%) | 368(80.3%) | ||
| 術前薬物療法 | 術前化学療法*(%) | 63(11.5%) | 90(19.5%) | 77(16.7%) | |
| 術前内分泌療法 (%) | 7 (1.3%) | 18(3.9%) | 28(6.1%) | ||
乳腺科・腫瘍内科 治療成績
| 2002-2007年 症例数 | 1年生存割合 | 3年生存割合 | 5年生存割合 | |
| 0期 | 210 | 100% | 98% | 97% |
| I 期 | 786 | 100% | 99% | 98% |
| II 期 | 1,243 | 99% | 96% | 82% |
| III 期 | 168 | 98% | 82% | 67% |
| IV 期* | 100 | 82% | 45% | 25% |
| 再発乳癌** | 199 | 80% | 50% | 25% |
** 初再発の症例のみ
3.研究について
我々は現在、国内外の研究者と共同して新たな治療・診断法の開発にも積極的に取り組んでいます。以下に、ご参考までに現在取り組んでいる研究内容を記します。- 「stage II−IIIA のホルモン感受性閉経後乳癌患者に対する術前内分泌療法におけるエキセメスタン4ヶ月投与と6ヶ月投与のランダム化第
II 相比較試験」
術前内分泌療法の指摘投与期間を検討しています。 - 「乳癌の易罹患性の診断とそれに基づく予防に関する研究」
遺伝性・家族性乳がんの研究です。 - ラジオ波凝固療法(RFA)の効果と安全性の試験を共同研究にて実施しています。
近年、乳房へメスを入れない新しい乳がん治療として、腫瘍のがん細胞を高温で死滅させる新しい治療法の1つとして「ラジオ波熱凝固法(Radio Frequency Ablation: FRA)」があります。肝臓がんの治療としては保険適応ですが、乳がんに対しては安全性や有用性に関して不確実な部分があります。このため本研究では、乳がんに対してFRAを行い、その後に乳房切除術を行うことの安全性と有用性に関する試験を行っています。 - 「術前化学療法後乳がん患者に対する、センチネル生検のfeasibility study」
センチネルリンパ節生検の適応拡大に関する研究です。 - 「乳がん症例に対する乳房温存療法の長期観察の解析結果に基づく乳房への放射線照射不要グループの同定を目指した多施設共同試験」
乳房温存療法後の放射線治療の必要性を検討しています。 - 「リンパ浮腫の実態調査と治療・予防のガイドライン作成」
リンパ浮腫の頻度や発症に及ぼす危険因子を明確にするための研究です。 - 「MRX手術室における術中画像診断を併用した標準的乳腺外科手術法の確立に関する研究」
画像検査で病変を確認するためのMRIやCT、あるいはフラットパネルX線透視装置を手術室に設置し、その結果を見ながら切除範囲や切除部位を確認することにより、より安全で適格な手術方法を検討する研究です。 - 「乳癌術前補助療法後のリンパ節転移検査へのOSNA法適用の検討」
OSNA法は、分子生物学的手法を用いた乳がんリンパ節転移検査法です。手術前に乳がんに対して抗がん剤治療を行った患者さまのリンパ節転移の診断を、乳がん細胞中に存在する特定の遺伝子(サイトケラチン19)が、乳がん周辺のリンパ節にあるかどうかを調べ、リンパ節にがんが転移しているかどうかを高い精度で簡便かつ迅速に検査できるかどうかの検討を行う研究です。




