骨軟部腫瘍科・リハビリテーション科
1.骨軟部腫瘍科・リハビリテーション科について
2.診療について
3.研究について
骨軟部腫瘍科・リハビリテーション科は、骨組織や筋肉、神経、血管、脂肪などの軟部組織に発生する骨・軟部腫瘍の診断および治療を専門としています。
骨や軟部から発生する悪性腫瘍は肉腫と呼ばれ、内臓などから発生する悪性腫瘍である上皮性腫瘍(より狭い意味で「がん」と呼ばれます)とは区別されています。肉腫は腕や足の他、胸部や腹部などの骨軟部組織から発生することが多いのですが、がんに比べて発生頻度が低いため、非専門施設では診断に時間を要すことも多く、適切な治療方針も広く知れわたっていないのが現状です。また、内臓のがんと比べ、肉腫は骨・筋肉・神経・血管・脂肪などさまざまな組織から発生するためにその種類が多く、顕微鏡による診断名の確定(病理診断)にも専門的な知識が必要となります。
骨軟部腫瘍科では、昭和37年の設立以来、経験豊富な病理医、画像診断医などの協力のもと、骨軟部腫瘍の診断治療を数多く行い、個々の病態に応じた適切な治療を目指してまいりました。その結果、現在では約90%の患者さんに切断術ではなく、四肢を温存した集学的治療(手術治療・化学療法・放射線治療)が行えるようになっています。
4名の骨軟部腫瘍専門スタッフを中心に、整形外科がん専門修練医・レジデントがチームとなって、骨軟部腫瘍の外来・入院治療を行っています。
治療の基本は手術治療、抗がん剤治療、放射線治療であり、個々の診断・病期に合わせて適切な治療を選択します。
当科の特徴として、がん専門の形成外科医、胸腹部を専門とする外科医との協力のもと、四肢や胸腹部で主要血管・神経や内臓の切除が必要と考えられる肉腫に対しても、完治を目指し、可能な限り積極的な手術治療を行います。また、小児腫瘍科、腫瘍内科、放射線治療科と密に連携し、より専門的な抗がん剤治療、放射線治療が必要な場合には個々の病態に応じた集学的治療を行います。さらに、緩和ケアチーム、がん専門の理学療法士の協力のもと、積極的な除痛を行い、適切な術後リハビリテーションを行うことにより、早期の社会復帰を目指します。
1.骨肉腫(初診時症例) 化学療法と手術療法による集学的治療
2.悪性軟部腫瘍(組織亜型別)
(1980-2003、がん研究センターにて病理診断された全症例における)
3.進行再発骨軟部肉腫例(2002―2007)の予後(集学的治療が実施された症例)
2.診療について
3.研究について
1.骨軟部腫瘍科・リハビリテーション科について
| 医師名(ふりがな) | 役職・専門分野 | 専門医・認定医資格 | メッセージ |
| 中馬 広一 (ちゅうまん ひろかず) ![]() |
科長 整形外科 骨軟部腫瘍、脊椎腫瘍、転移性脊椎腫瘍 |
日本整形外科学会専門医 日本臨床腫瘍学会 暫定指導医 |
悪性骨軟部腫瘍の手術、薬物療法が専門です。がん骨転移や治療に伴う骨関節疾患のご相談にも積極的に取り組んでいます。 |
| 川井 章 (かわい あきら) ![]() |
外来医長 リハビリ科医長併任 整形外科、骨軟部腫瘍 |
日本整形外科学会専門医 リハビリテーション科専門医 臨床腫瘍学会暫定指導医 がん治療認定医 |
骨軟部腫瘍の診断と治療を専門にしています。心の通った根拠に基づいた診療に努めています。何でもご相談ください。 |
| 中谷 文彦 (なかたに ふみひこ) ![]() |
医員 整形外科 骨軟部腫瘍 |
日本整形外科学会専門医 | まれな腫瘍である骨軟部腫瘍(肉腫)は早期の診断による適切な治療が最も重要です。是非、骨軟部腫瘍が疑われた場合には、安易に治療を開始せず、お気軽に御相談ください。 |
| 丹沢 義一 (たんざわ よしかず) ![]() |
医員 整形外科 骨軟部腫瘍 |
日本整形外科学会専門医 | 骨軟部腫瘍、特に肉腫の治療を専門に行っています。何なりと気軽にご相談頂けたら幸いです。 |
| 山口 洋 (やまぐち うみお) ![]() |
東病院医員 (中央病院併任) |
日本整形外科学会専門医 | |
| 浅野 尚文 (あさの なおふみ) ![]() |
がん専門修練医 | 日本整形外科学会専門医 | |
| 小倉 浩一 (おぐら こういち) ![]() |
がん専門修練医 | 日本整形外科学会専門医 | |
| 藤原 智洋 (ふじわら ともひろ) ![]() |
レジデント | 日本整形外科学会専門医 | |
| 薛 宇考 (せつ のきたか) ![]() |
レジデント | 日本整形外科学会専門医 |
骨軟部腫瘍科・リハビリテーション科は、骨組織や筋肉、神経、血管、脂肪などの軟部組織に発生する骨・軟部腫瘍の診断および治療を専門としています。
骨や軟部から発生する悪性腫瘍は肉腫と呼ばれ、内臓などから発生する悪性腫瘍である上皮性腫瘍(より狭い意味で「がん」と呼ばれます)とは区別されています。肉腫は腕や足の他、胸部や腹部などの骨軟部組織から発生することが多いのですが、がんに比べて発生頻度が低いため、非専門施設では診断に時間を要すことも多く、適切な治療方針も広く知れわたっていないのが現状です。また、内臓のがんと比べ、肉腫は骨・筋肉・神経・血管・脂肪などさまざまな組織から発生するためにその種類が多く、顕微鏡による診断名の確定(病理診断)にも専門的な知識が必要となります。
骨軟部腫瘍科では、昭和37年の設立以来、経験豊富な病理医、画像診断医などの協力のもと、骨軟部腫瘍の診断治療を数多く行い、個々の病態に応じた適切な治療を目指してまいりました。その結果、現在では約90%の患者さんに切断術ではなく、四肢を温存した集学的治療(手術治療・化学療法・放射線治療)が行えるようになっています。
2.診療について
骨軟部腫瘍の専門科であるため、診断および治療方針が明確です。4名の骨軟部腫瘍専門スタッフを中心に、整形外科がん専門修練医・レジデントがチームとなって、骨軟部腫瘍の外来・入院治療を行っています。
治療の基本は手術治療、抗がん剤治療、放射線治療であり、個々の診断・病期に合わせて適切な治療を選択します。
当科の特徴として、がん専門の形成外科医、胸腹部を専門とする外科医との協力のもと、四肢や胸腹部で主要血管・神経や内臓の切除が必要と考えられる肉腫に対しても、完治を目指し、可能な限り積極的な手術治療を行います。また、小児腫瘍科、腫瘍内科、放射線治療科と密に連携し、より専門的な抗がん剤治療、放射線治療が必要な場合には個々の病態に応じた集学的治療を行います。さらに、緩和ケアチーム、がん専門の理学療法士の協力のもと、積極的な除痛を行い、適切な術後リハビリテーションを行うことにより、早期の社会復帰を目指します。
1)診療実績
1.骨肉腫(初診時症例) 化学療法と手術療法による集学的治療
| 症例数 | 5年生存(%) | 10年生存(%) | |
| 1980-2003 | 131 | 63.10% | 59.30% |
| 1993-2003(NECO93-95プロトコール) | 48 | 74.3% | 71.50% |
2.悪性軟部腫瘍(組織亜型別)
(1980-2003、がん研究センターにて病理診断された全症例における)
| 病理亜型 | 症例数 | 5年生存(%) | 10年生存(%) |
| 紋筋肉腫 | 194 | 34.4 | 27.5 |
| 脂肪肉腫 | 159 | 86 | 72.4 |
| 粘液型線維肉腫 | 67 | 83.2 | 62.2 |
| 悪性線維性組織球腫 | 53 | 46.7 | 36.4 |
| 滑膜肉腫 | 50 | 61.9 | 48.1 |
| 平滑筋肉腫 | 32 | 33.6 | (−) |
| 血管肉腫 | 30 | 15.4 | (−) |
| 悪性神経鞘腫 | 25 | 45.2 | 36.1 |
| 類上皮肉腫 | 25 | 40.1 | 26.7 |
| 骨外性ユーイング肉腫 | 21 | 50.4 | 37.8 |
| 線維肉腫 | 20 | 71.8 | 35.9 |
| 胞巣状軟部肉腫 | 20 | 83.3 | 55.6 |
| 骨外性軟骨肉腫 | 20 | 100 | 80 |
| 淡明細胞肉腫 | 16 | 36.5 | 7.3 |
| 骨外性骨肉腫 | 13 | 72.9 | 72.9 |
| 計 | 745 |
3.進行再発骨軟部肉腫例(2002―2007)の予後(集学的治療が実施された症例)
| 症例数 | 1年生存率 | 2年生存率 | 3年生存率 | 5年生存率 |
| 198例 | 73.70% | 38.10% | 32.30% | 15.30% |
2)その他の注意
診療内容の項にも述べましたが、骨軟部腫瘍の診断および治療には専門的知識と数多くの臨床経験が必要です。悪性骨軟部腫瘍(肉腫)は比較的まれな疾患であり、安易に治療をはじめてしまうと、かえって再発・転移の可能性が高まり、後々の治療が難しくなることも多くなります。骨軟部肉腫の疑いがある場合、あるいは骨軟部肉腫の診断を受けた場合には、ぜひ専門施設で初期治療を受けられることをお勧めします。3.研究について
以上の診療活動に加えて、よりよい治療法を開発するために、以下の研究活動にも取り組んでいます。- 遺伝子解析を用いた診断
- 網羅的な遺伝子・蛋白発現解析を用いた個別治療の開発
- ユーイング肉腫に対する集学的治療の開発、臨床試験
- 高悪性度軟部肉腫に対する補助化学療法の有効性を検証する臨床試験








