トップページ > 診療科 > 小児腫瘍科 > 診療について

診療について

診療について

小児がんの診断は放射線診断科、病理診断科・臨床検査科、また、外科の専門医も協力して行い、正確な診断を最速で行うことができます。治療に必要な中心静脈ラインの留置も小児であっても当日予約での実施も可能ですので、診断確定後は速やかに治療開始が可能です。生検を必要とする固形腫瘍であっても当科での初診から治療開始までの期間は約7日から10日間です。
治療においては、初発時の標準的な治療はもちろんですが、標準的な治療で治すことが難しい難治・再発白血病や固形腫瘍の治療を提供していることも当科の特徴です。未承認薬や適応外薬を含む治験や臨床試験への参加による治療や造血幹細胞移植を含む治療などを提供しています。また、放射線治療科とも緊密に連携し再発の患者さんに対しても放射線治療を積極的に行っております。発症初期からの痛みのコントロールを、緩和ケアチームとともにサポートしています。国立がん研究センターの総力を結集し、どのような小児がんの患者さんに対しても、適切な治療を提示することができます。
(現在進行中の治験/臨床試験については、「研究について」をご覧ください)

また、当科の特色として、国内随一のがん専門施設の中の小児腫瘍科として、乳幼児から思春期・若年成人(AYA, adolescent and young adult)世代の幅広い年代のがん診療にも力を入れています。高校に在学中の治療では、地元の高校に通えないために単位が足らず時に留年や退学となってしまうことがありますが、当院の院内学級(いるか分教室)は、高等部までを有し、地元校のカリキュラムを踏襲しながら高校課程の単位を履修できる全国でも数少ない院内学級です。
(詳しくは右リンクをご覧ください。:「いるか分教室」について)

小児に多いがんに加えて、乳児からAYA世代までのさまざまながんの治療への対応が可能ですので、当科での相談や受診を希望される場合は、患者さん・ご家族専用初診予約電話番号:03-3547-5130にいつでもご相談ください。

AYA世代のがんの診療について

AYA世代は、中学生(一般的には15歳以上)から30代までの年齢を含み、小児に好発するがんと成人に好発するがんがともに発症する可能性がある年代です。また、肉腫など、この年代に多い特徴的ながんも存在します。従って、この年代のがんの診療には、小児腫瘍/成人腫瘍にまたがる多岐にわたる腫瘍に対応できる専門知識が必要となり、時に適切な治療提供が難しい場合があります。小児腫瘍科は長年にわたり、この世代の腫瘍診療に携わってきており、経験は豊富です。当院では、各分野のエキスパートが集まる日本随一のがん専門施設である事の強みを生かし、外科各科、骨軟部腫瘍・リハビリテーション科や腫瘍内科と連携・協力・情報共有する事により、外科的切除を含む標準治療や各科で実施中の治験を含む新しい治療までAYA世代のあらゆるがんに対して幅広い選択肢を提供する事が可能です。また、成人には見られるが小児/AYA世代では頻度が少ないようなリンパ腫などの血液疾患も血液腫瘍科・造血幹細胞移植科との連携の下、診療を進めています。

図1 AYA

妊よう性温存への取り組み

AYA世代のがん治療においては、がん治療後の妊よう性の保持への取り組みも必要です。抗がん剤や造血幹細胞移植の合併症としての不妊は、将来挙児を希望する可能性が高いAYA世代にとっては重大な問題となります。当院では、希望される中学生以上の患者さんにおいては、聖路加国際病院生殖医療センターとの医療連携を開始し、抗がん剤投与前の精子/卵子・卵巣保存や治療後の不妊相談を連携して進めています。

図2 NCC-聖路加妊孕性連携

診療実績

  項目 2018 2019 2020 2021 2022
固形腫瘍 横紋筋肉腫 7 8 6 4 6
ユーイング肉腫 5 2 1 2 7
骨肉腫 9 13 8 7 12
神経芽腫 8 13 8 4 5
網膜芽腫(注) 10 13 8 8 15
その他の骨軟部腫瘍 10 11 11 2 22
その他の固形腫瘍 16 9 20 13 24
造血器腫瘍 急性リンパ性白血病 9 8 7 4 3
急性骨髄性白血病 2 1 2 0 1
非ホジキンリンパ腫 1 2 5 4 1
その他造血器腫瘍 4 3 1 3 1
  81 83 77 51 97

注:化学療法実施例のみ
注:診療実績について、4月から翌年3月までの1年間で集計しています。

外来診療担当 曜日別一覧

場所:G外来(外来フロア案内図をご覧ください。)

  • 月曜日:小川
  • 火曜日:渡辺
  • 水曜日:荒川
  • 木曜日:杉山(午前)/野上(午後)
  • 金曜日:中島