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療養環境について

小児がんの治療は一般的に6ヶ月以上の長期にわたり、小児・AYA世代の患者さんにとっては充実した治療環境はもちろんのこと、あそびを含めた療養環境の整備、治療中の学習のサポートは不可欠と考えています。当院では、ちいさな子どもからAYA世代までのがんと闘う患者さんが安心して治療を受けることが出来るように、院内学級(いるか分教室)・看護師・子ども療養支援士・保育士・こころのケアチーム等の専門家が連携して、それぞれの患者さんに適した治療環境の提供を目指しています。

家庭を重視した療養環境

小児がんの治療は長期に渡るため、入院が長期間続く事は珍しくありません。長期の入院は、本人はもちろんの事、御家族や自宅に残る兄弟にとっても大きな負担となると考えています。当科では欧米型の通院治療を組み込んだ治療のスタイルを取り入れており、治療がない日は極力自宅で過ごせるように配慮をしています。

  • 原則抗がん剤および必要な支持療法の継続中のみの入院とし、治療の間の期間は週1,2回の通院で血液検査のチェックや必要な検査を行っています。
  • 遠方からの通院の患者さんについても地元のクリニックや病院と連携して、それぞれの患者さんに合わせてより良い療養環境を提供します。

プレイルームでのあそび

療養生活の中で子どもたちは寂しさ・不安・恐怖心・怒りなど様々な感情を抱きますが、それを大人のように言葉にすることは簡単ではありません。あそびは、そのような、入院中の表面化しないストレスを発散し、心を癒すための大切な手段であり、成長発達にもかかせないものです。小児病棟ではプレイルームなどで、子ども療養支援士を中心に乳幼児から思春期までそれぞれの状況や個性・発達に応じたあそびを提供し、あそびを含めた子どもたちの交流、企画なども行っています(感染予防の観点から、現在一部の企画をお休みしています)。

  • プレイルームの画像1
  • プレイルームの画像2

いるか分教室での学習

図3 いるか分教室

いるか分教室は1998年(平成10年)に東京都立墨(ぼく)東(とう)特別支援学校の分教室として国立がん研究センター中央病院に開設された学校です。小学1年生から高校3年生までを対象にしており、入院中も学校生活を続けることができます。
12階の病棟内に教室があり、治療中でもそれぞれの体調や進度に応じて学習を進めています。
(詳しくは右リンクをご覧ください:いるか分教室

子ども療養支援士による支援

小児腫瘍科では、患者さんとご家族が安心して治療を受けて頂けるように、2名の子ども療養支援士が入院療養生活をサポートしています。子ども療養支援士は医療チームの一員として子どもの目線を大切にしながら、療養環境の整備やあそびの支援を行う専門職です。(あそびの支援については、上記のプレイルームでのあそびをご覧ください。)

その他の子ども療養支援士の取り組み

心の準備のサポート・検査処置中のサポート

子どもたちは病院という慣れない環境の中で初めての人や物事にたくさん出会います。「どんなところに行くのか」「どんなことをするのか」などを子どもの目線に立ってお話したり、検査・処置をどのように乗り越えるかを子ども自身と相談したりしながら、他職種と連携して心理的サポートを行うことで、医療環境におけるストレスの軽減やトラウマ予防に繋がるよう支援を行っています。

診断や病名告知等に伴う心理社会的支援

小児がんは治療期間も長く、入退院の繰り返しや治療による副作用、外見や生活の変化、家族や友達からの分離など様々な困難を経験します。その中で子どもたちが抱えうる「どうしてこのようなことをするのか」「どうなるかわからないから怖い」などの子どもの気持ちに寄り添い、保護者の方や他職種とも連携しながらその子の発達段階に合わせた理解を促し、子ども達がその子なりに病気に向き合い、主体的に治療を乗り越えていけるようサポートします。

グリーフサポート

様々な喪失体験において、多職種チームで本人ときょうだいを含めた家族をサポートしています。治療方針においてもその子の意思や希望が尊重され、どんな時もその子らしく、ご家族との時間を大切に過ごせるよう、環境づくりや心理社会的支援を行います。

子どもに優しい環境づくり

子ども達にとって、「怖くない」「楽しい」環境づくりを多職種と協働し工夫しています。

子ども療養支援士からのコメント

子ども達一人ひとりがその子らしく過ごすことができるよう、子どもの気持ちに寄り添うことを大切にしています。いつでもお気軽にお声掛けください。

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お問い合わせ先について

お問い合わせ先(代表番号):03-3542-2511
または小児腫瘍科 小川千登世:chitogaw●ncc.go.jp(●を@に置き換えください)

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