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国立がん研究センター 中央病院

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大腸内視鏡検査

内視鏡前処置室の写真
内視鏡前処置室

概要

大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡(ビデオスコープ)を挿入して、直腸から盲腸までの大腸全体の内部を詳細に調べる検査です。がんやポリープなどの病変が見つかった場合には色素をまいたり、ズームアップして病変表面の模様を観察したりして、より詳細な診断を行います。そのため前処置(腸の洗浄)が十分でない場合には詳細な検査が難しくなります。また必要に応じて組織生検(粘膜の一部を小さく採取)を行い、組織が良性か悪性かを顕微鏡で調べる検査(病理診断)を行うこともあります。この場合は別途費用10,000円(税抜)を申し受けます。組織を採取する際には通常痛みなどはありません。

方法

十分に腸内をきれいにするため、まず検査前日は消化のよいものを食べていただき、20時以降の食事は避けていただきます。また就寝前に配布した錠剤(プルゼニド)を2錠服用します。当日は診療棟1階の内視鏡前処置室にて腸管洗浄液を約2リットル飲んでいただき腸管の洗浄を行い、検査を開始します。なお、通常の前処置法にて十分な腸管洗浄ができない場合には、追加の下剤服用や浣腸を行うことがあります。

検査の実際

通常、当センターでの大腸内視鏡検査は食道・胃内視鏡検査に引き続いて行います。食道・胃内視鏡検査終了後、体の向きを変えていただき(頭と足を逆にする)、鎮痙剤を追加投与した後に直腸診(触診)に続きスコープを挿入します。挿入の段階ではより苦痛の少ない挿入を目指し、体位変換、腹部の用手圧迫、鎮静剤や鎮痙剤の追加、スコープの交換を適宜行います。検査自体は20分程度で終わり、ほとんどの場合大きな苦痛もありませんが、開腹手術後などで腸が癒着している方や、腸の長い方は多少の苦痛を伴うことがあります。

大腸の奥(盲腸)まで挿入したらスコープを抜きながら病変の有無を観察していきます。その際、直接テレビモニターの画面を見ながら医師の説明を聞くことができます。

長所・短所

大腸全体(直腸から盲腸まで)を詳細に観察する方法としては、現時点では、内視鏡検査が最も精度の高い検査法であると言えます。大腸CTなどその他の検査で、ある程度大きな病変の有無の確認は可能ですが、小さな病変や平坦なポリープなどの発見には内視鏡検査が適しています。特に拡大観察(ズームアップ)により質の高い診断が可能です。

短所としては少なからず体に負担がかかること、偶発症が発生する恐れがあります。高齢の方は特に起こりやすくなりますので、食道・胃内視鏡検査と同日で受けないこと、他の検査方法に変えてみる、なども選択肢としてご考慮ください。また、血圧が高い方も上記のような偶発症のリスクが上昇します。血圧が高い方は予め主治医にご相談いただき、必要に応じて降圧剤等の処方を受けていただき、安全な血圧値になってから内視鏡検診をお受けになるようにお願い致します。詳細は当センターにご相談ください。

なお、当センターでは従来発見したポリープの切除(治療)は行いませんでしたが、平成26年5月の検診再開に際しまして、切除を希望される受診者様には、安全に切除可能と判断される条件下において、別料金をいただき切除を行う事といたしました。条件が満たない場合には従来通り治療のため、改めて大腸内視鏡検査が必要となります。この場合後日面談にて結果説明を行い、治療のご相談(施設など)をさせていただきます。詳しくは下記5)ポリープ切除についてをご参照ください。

偶発症(有害事象)

検査後に腹部の張りや軽い腹痛などが残ることがありますが、通常は数日以内に消失します。大腸内視鏡検査に伴う危険性として、以下のようなものが挙げられます。このような危険をさけるよう細心の注意を払い、万一生じた場合にも入院治療・緊急外科手術を含め最善の対処をしますが、事前に「絶対にない」とは言い切れないものとしてご理解ください。このような重篤な偶発症は、2010年に発表された全国調査報告(2003年から2007年5年間の期間)では大腸内視鏡検査・治療全体での偶発症発生率は0.078%(1,000人に1人以下)、また、生検を含めた観察のみの大腸検査にて、発生率0.012%(1万人に約1人)と報告されており、それに関連した死亡が0.00082%(約10万人に1人以下)と報告されています。

その他、検査による偶発的な症状(危険性がゼロではない起こりうる事象)としては、以下のようなものがあります。

前処置(下剤内服)に伴う腸閉塞および腸管穿孔(腸に穴が開くこと)

  • 頻度:0.00001%以下
    少しでもその危険性のある方(高齢者・初回検査の方、大腸病変を指摘されている方など)については、腹部症状をお聞きしながら慎重に前処置を進めますが、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状発生時には検査を中止する場合があります。

出血・腸管穿孔(腸に穴が開くこと)

  • 頻度:約0.04%(4/10,000)
    万一、このような重篤な偶発症が発生した場合には、再検査や輸血、緊急外科手術も考慮した治療が必要となる場合があります。また、血液をサラサラにするお薬(抗血栓薬)を常用されている方は、あらかじめ問診時にお申し出ください。

使用する薬剤(鎮痙剤、鎮静・鎮痛剤)によるアレルギーショック、低血圧・低血糖・不整脈など

  • 頻度:非常にまれ
    前述の食道・胃内視鏡検査の説明(偶発症ア))をご参照ください。一過性のものがほとんどですが、ごく稀に重篤となる場合もあるため、これまでに使用された薬剤で具合が悪くなった経験がある場合には必ず申し出てください。また、鎮痙剤や鎮静剤による影響のため、目のちらつき、眠気およびふらつきが残ることがあるため、検査当日は来院時を含めて車・バイクの運転は絶対にご遠慮ください。

その他

上記の緊急処置を要する偶発症の他にも検査後の腹部膨満感、吐き気、空嘔吐、めまいなどの比較的軽微な偶発症が起こり得ます。これらの多くは検査後の休憩により自然に改善するものですが、持続する場合には必要に応じて点滴などの対応を行います。休憩中は看護師によりしっかりと状態を観察いたします。なお、当センターではほとんどの方が食道・胃内視鏡に引き続き大腸内視鏡を受けておられますが、2005年から2009年までの期間にこのような軽微な偶発症は10,519名中307名(2.9%)に生じ、入院を要した方は2名(全体の0.016%)でした。

必要性と他の検査法との比較

大腸内視鏡検査は、大腸のポリープや腫瘍および炎症性腸疾患に対して、最も精度の高い検査法であると考えられています。病変の発見や診断だけでなく、腫瘍と非腫瘍との判別や治療法決定のための組織検査(生検)、および治療まで可能であるためです。その他の大腸検査法として、バリウムを肛門から流し込んで、X線撮影する方法がありますが、最近は内視鏡検査の安全性がある程度確立されていますので、内視鏡検査を中心に検査を行うのが一般的となっています。しかしながら以前お受けになられた大腸内視鏡検査で強い苦痛があったり、挿入困難であったりした場合には上記の大腸CT検査をお勧めします。なお、当センターでは開設された2004年2月から2010年8月まで、のべ15,345件検査を施行しており盲腸に到達できなかったものは89件(0.6%)でした。また便を少量採取し血液反応をみる便潜血検査があります。簡便な検査法であり、国の政策で行われている大腸がん検診の一次検診に用いられています

ポリープ切除について

当センターでは従来、安全な内視鏡検査を最優先とするため、発見されたポリープについては切除を行いませんでした。しかしながら受診者様からポリープ切除を希望されるご要望を多くいただき、この度平成26年5月より術者が安全に切除できると判断した場合に限り別途料金をいただき、切除することといたしました。

ポリープ切除可能とする条件

ポリープ条件
  • 大きさ(10ミリメートル以下)
  • 形状(隆起型)
  • 位置(屈曲部など困難な位置を除く)
  • 内視鏡観察で良性腫瘍と思われるポリープ
受診者条件
  • 当センターの近隣にお住まいの受診者
  • 抗血栓薬を継続服用中ではない受診者
  • 出血傾向の認められない受診者
  • 切除後1週間以内に飲酒、スポーツ、温泉入浴、旅行、出張の予定のない受診者
その他
  • 担当術者の判断で安全な切除が不可能と判断された場合は行いません

上記の条件を満たし、安全と判断された上で切除を行っても、一定の確率で偶発症は起こりえます。もっとも高い頻度で起こる偶発症は出血(0.5%以下)です。これはポリープを切除しない場合の出血のリスク(0.04%)に比べ10倍以上高いものです。その他非常にまれな偶発症として穿孔(腸に穴が開くこと)が考えられます。これら偶発症が起こった場合には保険診療にて適切な対応をいたします。また当センターでは不測の脳血管疾患の発生を避けるため抗血栓薬を継続して服用されている方には、これを休薬せずに受診していただいております。ポリープ切除を希望されるために自己判断で抗血栓薬を休薬することは絶対におやめください。