コンテンツにジャンプ
希少がんセンター

トップページ > さまざまな希少がんの解説 > 腹膜がん

腹膜がん

腹膜がんについて

腹膜がんは腹膜から生じたがんと考えられています。さまざまな定義がありますが、現在は、漿液性腺がん(病理分類の1つであり、卵巣がんに最も多いタイプの組織型)で腹腔内に腫瘍があっても、卵巣や卵管に原発となるような病変がない(すなわち、卵巣がんや卵管がんではない)場合に腹膜がんと診断されています。卵巣がん(がん情報サービスへリンクします。)、卵管がん、腹膜がんを合わせた中で腹膜がんの占める割合は10%から20%と言われています。

病気の性質や治療への反応は卵巣がん(がん情報サービスへリンクします。)と類似していると考えられており、診断や治療の方法も卵巣がんと同じです。

症状について

腹膜がんは卵巣がん(がん情報サービスへリンクします。)や卵管がんと同様に検診が確立していません。また、腹腔内の病気であるため、早期では症状が出ない、という特徴があります。進行すると腹水貯留による腹部膨満感(お腹が張った感じ)、腹腰痛、不正出血、排便の異常などを感じます。

診断について

腹膜がんは開腹または腹腔鏡による腹腔内の観察、子宮全摘術、両側卵巣と卵管の切除、骨盤や傍大動脈リンパ節生検または郭清、大網切除、腹腔内の腫瘍切除を行い、病理学的に検索を行い、確定診断がつきます。また、進行期も決まります。進行期は卵巣がん(がん情報サービスへリンクします。)と同じです。

しかし、手術を行っていない場合でも

  1. 女性
  2. 腹水貯留 かつ/または 腹腔内の腫瘍が存在する
  3. 腹水の細胞または腫瘍の一部から腺がん、特に漿液性腺がんが確認される
  4. 血清中のCA125値が高い
  5. 画像で卵巣や卵管に明らかな腫大がない
  6. 胃がん(がん情報サービスへリンクします。)大腸がん(がん情報サービスへリンクします。)などの消化器がん、乳がん(がん情報サービスへリンクします。)などの他のがんでないことが確認される

場合に腹膜がんを強く疑います(臨床診断)。

「腹膜がんの疑い」で手術を行った後に病理学的に卵巣や卵管に原発巣と考えられるような病変があった場合には、手術後に「卵巣がん(がん情報サービスへリンクします。)」「卵管がん」と診断が変わることがあります。

治療について

腹膜がんは卵巣がん(がん情報サービスへリンクします。)や卵管がんと同じ治療を行います。

腹膜がんの初回治療は手術による診断と腫瘍減量術(主に腹腔内の腫瘍を完全切除することを目的とした手術)と抗がん剤が主な治療となります。

しかし、腹膜がんは卵巣がん(がん情報サービスへリンクします。)と同様に進行して見つかることが多いため、最初に手術を行うことができないことも多いです。「診断について」であるように、臨床診断として腹膜がんを強く疑う場合には、術前化学療法(手術を行うことを目的とした手術前に行う抗がん剤治療)を行い、手術ができる状態になったら、手術を行います。手術の後には抗がん剤治療を行います。

基本的な手術の方法は開腹または腹腔鏡による腹腔内の観察、子宮全摘術、両側卵巣と卵管の切除、骨盤や傍大動脈リンパ節生検または郭清、大網切除、腹腔内の腫瘍切除です。抗がん剤はパクリタキセルとカルボプラチンを使用します。

執筆協力者

米盛 勧
  • 希少がんセンター 成人の薬物療法担当 米盛 勧(よねもり かん)
  • 国立がん研究センター中央病院
  • 乳腺・腫瘍内科先端医療科
野口 瑛美
  • 希少がんセンター 成人の薬物療法担当 野口 瑛美(のぐち えみ)
  • 国立がん研究センター中央病院
  • 乳腺・腫瘍内科