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薬物動態・薬力学・薬理遺伝学(PK/PD/PGx)解析に基づく臨床薬理研究

多くの抗がん薬の至適投与量は、最大耐量に従って決定されます。投与された薬物体内動態(PK)は、加齢、臓器機能、併用薬、食事などの変動要因が知られるため、薬力学(PD)に基づくPK/PD解析から投与量・治療域を決定することは、最適化医療の実現に重要な情報です。早期臨床開発における臨床薬理試験は、臓器機能が正常であり、比較的若い患者を対象とした薬物動態解析に留まる試験が多く、高齢者・臓器機能低下したハイリスク患者の報告が少ないです。ハイリスク患者を対象とした標準治療開発は喫緊の課題ですが、日本人における使用経験が少なく、海外の臨床試験結果にて承認される場合、強い毒性の発現も認められます。そこで、診療科と共同で高齢者・臓器機能低下などハイリスク患者における抗がん薬の至適投与方法の確立を目指したPK/PD試験を実施しています。さらに、PK/PDに基づく至適投与量と治療域濃度を推定します。個人差の要因探索として薬理遺伝学(PGx)、免疫モニタリングを行い、薬剤の直接的な影響に加え、宿主の薬剤反応応答性についても評価する研究支援体制を構築しています。

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