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B.p53標的遺伝子であり、がん抑制遺伝子であるPHLDA3の機能解析

PHLDA3遺伝子は、がん抑制遺伝子p53の標的遺伝子の1つとして同定された遺伝子であり、p53下流でがん抑制能を発揮する。PHLDA3遺伝子は、全長127アミノ酸からなるタンパク質をコードしているが、そのほとんどをPHドメインという細胞膜のイノシトールリン脂質(PIP)に結合するドメインが占めている。これまでに我々はPHLDA3が、がん遺伝子Aktと競合的にPIPに結合してAktを抑制する内在的性ドミナントネガティブ体として機能し、Akt活性化とがん化を抑制することを解明した。

図3:PHLDA3は、がん遺伝子Aktの抑制因子である。

図3:B.p53標的遺伝子であり、がん抑制遺伝子であるPHLDA3の機能解析

PHLDA3は肺がんや膵がんなどにおいてがん抑制因子として機能しているが、今後、PHLDA3が癌抑制遺伝子として機能しているがんをさらに特定するとともに、PHLDA3によるAkt抑制機構の解明を通して、がん化を強く促進するAkt活性化を抑える新しいがん治療法の開発につなげたいと考えている。

図4:PHLDA3機能喪失は、Akt活性化を引き起こし、がんの悪性化に寄与する。

図4:B. p53標的遺伝子であり、がん抑制遺伝子であるPHLDA3の機能解析