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希少ながんは希少ではない

希少がんとは、「年間発生数が人口10万人あたり6例未満の悪性腫瘍」と定義されています。(Surveillance of Rare Cancers in Europe)。希少がんの多くは、一般の臨床医の方は一生に一度も診ることがないかもしれません。そのような希な疾患を研究することにどれだけの意義があるのか、という意見は、大きな声で語られることはありません。しかし、論文や学会発表などでみる、「年間○○万人もの方が罹患し○○万人もの多くの方が死亡するから、○○がんの研究は重要である」という常套的なフレーズの裏に、「患者さんの数が少ないがんの研究の重要度は低い」という意識を読んでしまうのは私だけではないはずです。

患者さんが少ない疾患を研究することの意義についてはひとまず置いておくことにして、希少がんはほんとうに希少なのでしょうか?たしかに特定の希少がんは上述の定義にしたがうと、正に希少です。一方、希少がんは発生頻度によって定義されるがんであることから、何100種類もの異なるがんが希少がんに該当します。(Surveillance of Rare Cancers in Europe)。 その結果、希少がんの患者さんは、全体としては膨大な数になります。たとえば、ヨーロッパで新規に診断されるがんの約22%(参考文献1)、本邦では約15%が希少がんに分類されます(参考文献2)。全がんの15~22%と言えば、日本ではたいていのがんより多いことになります。このように考えると、希少がんは決して希少ではないことがお分かりいただけるでしょう。

全体としては希少ではない希少がんですが、個々の希少がんとなると患者さんの数が少ないことから、多くの医療・受療上の課題が存在します。希少がん研究分野では、個々の希少がんの研究に加え、希少がん研究のための基盤構築や特定の希少がんの研究を通じて、希少がん研究全般に通じる方法論を確立しようとしています。私たちの研究が、希少がん研究を大きく促進することを目指しています。