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研究の奥の細道2022年

12月21日 千葉県がんセンター

千葉県がんセンターを訪れ、第884回千葉県がんセンター研究所集団会にて「持続可能なバイオバンクを用いたがん研究のエコシステム」と題する講演をしました。当日はバイオバンクに関わる方々をはじめとして病理医、研究者の方々と交流をもつことができ、楽しいひと時でした。
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12月16-18日 Human Proteome Organization年会

Human Proteome Organizationの年会に参加しました。HUPOは世界最大のプロテオーム学会で、年一回の学術集会が開催されます。今年はメキシコ(カンクン)での開催でした。近藤ラボからは4名が参加しポスター発表を3本行いました。日本全体としては23名が参加でした。オンラインでのミーティングが一般的になりましたが、会って話すことのメリットは大きく、今回も実験の技術的な内容や共同研究の進め方についてin personならではの話し合いができました。これから国際学会の現地開催は増えていくと思われます。来年の予定としては、アジア地域のHUPO年会がシンガポール(2023年5月8-10日)で、次に国内のHUPOが新潟で(2023年7月24-26日)、そして世界のHUPOが韓国(釜山、2023年9月17-21日)で開催されます。

11月16-18日 日本患者由来がんモデル学会2022学術集会

日本患者由来がんモデル学会2022学術集会を開催しました。患者由来がんモデルは、生体内の腫瘍組織・細胞で起きている事象を体外で再現し、病態の理解に向けて新しい遺伝子・タンパク質の機能を解析したり、新しい抗がん剤の薬効を調べたりするのに必須のツールです。今世紀に入りゲノムからプロテオームまで多層的に網羅的な解析が進み、がんの発生や進展の分子機構の解明が進んでいます。このような時代の流れを背景に、患者由来がんモデルの開発と応用はますます盛んになっています。一方、患者由来がんモデルには克服するべき課題がいくつも残されています。学際的な視点から患者由来がんモデルを俯瞰する場を提供することで、医学・生命科学の発展、そしてがんの診断・治療法の開発に役立つ発見に貢献したいと考えて本学術集会を開催しました。参加者は542人に上り、盛況に会になりました。来年も開催の予定です。

11月2日 第72回日本電気泳動学会シンポジウム

第72回日本電気泳動学会シンポジウムにて、パネルディスカッションのセッションの座長を務めました。電気泳動を、教育のツール、農学研究、そして臨床検査に使われている方々の御講演をお聞きしました。日本電気泳動学会は「電気泳動」の開発や応用に軸を置いた学会で、幅広い分野の研究者の方々が参加されています。学会活動としては、年1回の学術大会とシンポジウムの開催、学会誌「J Electrophoresis」「電気泳動」の刊行に加え、技術講習会も開催しています。ご興味のある方はご一報ください。

10月22-23日 日本ヒト細胞学会学術集会

第40回日本ヒト細胞学会学術集会に参加しました。本学会の発刊する「Human Cell」誌には、近藤ラボで樹立した細胞株の論文をいつも掲載していただいています。今回の学術集会では、本会の設立の経緯や、学会誌「Human Cell」誌の刊行状況などについて知ることができました。細胞株の樹立は本会の活動理念に深く関わっていることを知り、これからも会の発展の貢献させていただきたいと思いました。

10月20日 第10回プロテオミクストレーニングコース

第10回プロテオミクストレーニングコースに参加しました。本トレーニングコースは、実習と講習を通じて若手研究者にプロテオミクス技術の最先端を学んでいただくという趣旨で開催されています。今回、近藤ラボから野口玲研究員と小野拓也大学院生がコースに参加し、私は引率ということで参加しました。講習では解析の詳細について学び、がずさDNA研究所のプロテオミクス実験室を見学しました。
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野口先生、小野君と記念写真。

9月30日 第81回日本癌学会学術総会

第81回日本癌学会学術総会のランチョンセミナーにて、「がんゲノム医療の限界を克服する患者由来「希少がん」モデル」と題した講演をしました。希少がんの臨床においては、がんゲノム医療にかかる期待は少なくありません。一方、遺伝子変異だけで治療奏効性を予測しがたいこと、遺伝子変異から予測される抗がん剤の多くは臨床での有用性が確立されていないこと、などが、がんゲノム医療の限界として挙げられます。希少がんの患者由来がんモデルを紹介しつつ、研究の考え方やこれからのトレンドについてお話しました。

9月3日 日本プロテオーム学会2022年大会

日本プロテオーム学会2022年大会にて「疾患プロテオミクス:病態の理解から治療法の開発へ」のセッションのオーガナイザーを務めました。早期発症や治療抵抗性など臨床的に重要な事象の背景には、かならずタンパク質の異常が存在します。プロテオーム解析によってそのような異常をとらえることで、治療法の選択に必要なバイオマーカーや創薬標的を発見することができます。本セッションでは、さまざまなプロテオミクスの技術を駆使して疾患の本態解明や治療法の開発に挑む研究者の方にご講演いただきました。
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会場入り口で記念撮影

8月28日 第41回千葉県整形外科医会夏季卒後教育研修会

千葉県幕張市にて開催されました第41回千葉県整形外科医会夏季卒後教育研修会にて、「患者由来がんモデルを用いた希少がんの研究」と題した教育講演をしました。教育講演ということで、希少がんの中でも特に肉腫をとりあげて話し、希少がんを研究するとはどういうことなのか、患者由来がんモデルをどのように使うのか、というお話しをしました。また、若い医師へのメッセージとして、「うつくしい景色を探すのではなく、景色の中にうつくしいものをみつけること」「一代では終わらない仕事のために教育は重要であること」を伝えました。将来を担う若者たちの心に伝えたかったメッセージが残っていることを願っています。
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8月8-10日 第20回関東骨軟部腫瘍基礎を語る会

第20回関東骨軟部腫瘍基礎を語る会を開催しました。本会は、主に臨床医を中心として骨軟部腫瘍の基礎研究について情報や意見を交換する会です。招待講演として、横浜市立大学の小島伸彦先生、そして九州大学別府病院の三森功士先生に御講演をお願いしました。また、近藤ラボからは野口玲、申育實、小野拓也、秋山太郎が発表しました。

7月7~8日 第73回日本電気泳動学会総会

栃木県宇都宮市総合文化センターにて開催されました。本学会の会長・事務局を務めており、理事会・評議委員会・総会の運営で忙しくしていました。野口玲先生が奨励賞(服部賞)を受賞されました。電気泳動はすっかり普及した技術で、タンパク質に関していえば物理特性にしたがった様々な分離モードがあり、プロテオーム解析でよく使われています。ペプチド化してから解析する手法では得難い情報を電気泳動のデータから得ることができます。来年の総会は私が大会長を務めます。今まで、横浜(シンポジウム)、沖縄(総会)、釧路(総会)で開催してきました。コロナの状況をみながら、会員の方々によろこんでいたいだける場所で開催したいと思います。

6月14~16日 ギルソン社ピペットマン生誕50周年記念 研究フォーラム

「患者由来がんモデルを用いた希少がんの研究」と題する講演をしました。録画講演で、あらかじめ収録しておいた動画を配信するというものでした。オンラインの講演は、効率はよいのですが、オンサイトに比べると効果(情報発信)はわるい印象があります。オンサイトの学術集会が増えている印象があり、期待しています。

6月11日 第18回 日本臨床プロテオゲノミクス学会

都市センターホテル・ウェブ併用ハイブリッドにて開催されました。本学会の事務局を務めており、理事会の運営で忙しくしていました。希少がん研究分野からは、野口玲先生と申育實さんが発表しました。

4月6日 Scientific Advisory Board of Cellosaurus

CellosaurusのScientific Advisory Board Memberのページができました。

 

Cellosaurus - Scientific Advisory Board

https://web.expasy.org/cellosaurus/SAB.html

 

Cellosaurusは、細胞株の世界最大のデータベースです。Board Memberとして、より充実した内容にしていきたいと思います。

3月11日 大阪国際がんセンター 第130回OICIセミナー

「患者由来がんモデルを用いた希少がんの研究」と題する講演を行いました。演題で複数の場所で講演していますが、毎回、少しずつ内容を変えています。聴衆によっても変えますし、その時々の自分の考えている内容を講演に反映させています。今回、多くの先生方からご質問をいただき、私自身、勉強になりました。

2月4-5日 日本サルコーマ治療研究学会

第5回日本サルコーマ治療研究学会学術集会(外部サイトにリンクします)に参加しました。シンポジウム「肉腫モデルマウス:発症機構から治療法開発」の座長をまず務めました。実験動物やiPS細胞を使って肉腫の発生や進展の機序の解明を試みたり、創薬のためのスクリーニングを行ったりするなど、興味深い講演が続きました。午後からは「患者由来肉腫モデルの樹立と応用:2021年度アップデート」と題した講演を行いました。がんの研究は1世代ではとても終わりません。目の前の素材・ツールを使って個別研究を手際よくこなすことも重要ですが、長期的な視点から次の世代のための研究基盤を作ることも必要です。

1月28日 南九州癌研究会 第32回学術集会

患者由来がんモデルを用いた希少がんの研究」と題する講演を行いました。オンラインの講演なので、遠方の地でも楽に講演をすることができます。私のラボに在籍していた藤井一恭先生より的を射たご質問をいただきました。

1月24日 HUPO National/Regional Presidents’ virtual meeting

Human Proteome Organization (HUPO、https://www.hupo.org/)のオンラインミーティング(National/Regional Presidents’ virtual meeting)に参加しました。数年前から日本プロテオーム学会では国際交流を担当し、今年からHUPOでは理事を務めています。オンラインでの交流が一般的になり、学会に関係したミーティングは楽になりました。ただ、今のところ以前からの人間関係が基盤になっており、新しい知り合いができるという感じではありません。知り合いができる「懇親会」がないためだと思います。今の状況が長引くといろいろな方面に影響してきそうで、なにかしらの対策が必要かもしれません。今回、一緒にプロテオーム解析をする増田万里先生、野口玲先生に同席(オンライン)していただきました。

1月20日 CellosaurusのScientific Advisory Board

細胞株の世界最大のデータベースであるCellosaurus (https://web.expasy.org/cellosaurus/)のScientific Advisory Boardのメンバーに就任することが決まりました。Cellosaurusの改善を図ったり、寄せられる質問に答えたりするというのがメンバーの役割です。半世紀以上にわたり膨大な数の細胞株が報告されており、Cellosaurusには130万種類以上の細胞株が整理されています。数100種類もの細胞株を体系的に使って遺伝子・タンパク質の網羅的な解析や薬剤スクリーニングを行うプロジェクトが進行中で、Cellosaurusの活動は時宜を得たものだと言えます。これからが楽しみです。