13指-1 ヒトがん発生に係わる環境要因及び感受性要因に関する研究
 
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13指-1 ヒトがん発生に係わる環境要因及び感受性要因に関する研究

主任研究者 国立がんセンター研究所 若林 敬二


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
若林 敬二
*1 国立がんセンター研究所 部長
*2 国立がんセンター研究所 副所長
胃発がんの修飾要因の検索
山本 順寛
*3 東京大学大学院工学系研究科 助教授
*4 東京大学大学院バイオニクス学部 教授
生体内酸素ラジカル生成の評価と発がんへの関与
細川 真澄男*1
北海道大学遺伝子病制御研究所 教授
炎症による発がん機構とその阻止
岡 田 太*2
北海道大学遺伝子病制御研究所 助手
炎症による発がん機構とその阻止
増村 健一*2
国立医薬品食品衛生研究所 研究員
突然変異を指標とした変異原・がん原性の検索系の開発に関する研究
片岡 洋行
*5 岡山大学薬学部 助教授
*4 就実大学薬学部 教授
ヘテロサイクリックアミンのヒト曝露量の測定
後藤 順一*3
東北大学大学院薬学研究科 教授
プロテオミクス手法を用いる胆汁酸によるDNA損傷及び組織損傷の解析
梅本 淳
*1 徳島大学医学部 講師
*5 徳島大学医学部 助教授
胆汁酸と大腸発がんとの関連性
眞野 成康*4
東北大学大学院薬学研究科 講師
プロテオミクス手法を用いる胆汁酸によるDNA損傷及び組織損傷の解析
多田 敦子*1
国立がんセンター研究所 研究員
生体内メイラード反応により生成する変異原・がん原物質の検索
渡辺 徹志
京都薬科大学公衆衛生学教室 助教授
肺腺がん発生に関連する環境中の変異・がん原物質の検出
祖父江 友孝*3
国立がんセンター研究所がん情報研究部 部長
肺腺がんの疫学及び発生要因に関する研究
山崎 洋
関西学院大学理学部 教授
非変異原性環境発がん要因の同定と作用機序
下遠野 邦忠
京都大学ウィルス研究所 教授
細胞増殖に対するHCV複製の影響
横田 淳
国立がんセンター研究所生物学部 部長
発がん感受性に関与する遺伝子の研究
鎌滝 哲也
北海道大学大学院薬学研究科 教授
遺伝子多型と発がん
渡邉 昌俊
三重大学医学部病理学第二講座 助教授
遺伝子多型と発がんに関連する研究
山添 康
東北大学大学院薬学研究科 助教授
薬物動態の変動に関わる核内因子とヒト感受性
松本 譽之
*6 大阪市立大学大学院医学研究科 助教授
*7 兵庫医科大学総合内科学 教授
炎症性腸疾患の大腸発がんへの関与における環境因子と宿主応答
野口 雅之
筑波大学基礎医学系病理学 教授
肺腺がんおよびその背景病変の病理とがん発生要因の関係についての解析
金井 弥栄
*3 国立がんセンター研究所病理部 室長
*4 国立がんセンター研究所病理部 部長
ヒト多段階発がん早期におけるDNAメチル化の変化
柳原 五吉
国立がんセンター研究所実験動物管理室 省令室長
胃スキルスの発生に関わる因子の検索
中釜 斉
国立がんセンター研究所生化学部 部長
大腸がんの初期病変を指標とした発がん感受性要因の解明
立松 正蝣*3
愛知県がんセンター研究所 部長
胃がん発生に関わる環境要因に関する研究
塚本 徹哉*4
愛知県がんセンター研究所 主任研究員
胃がん発生に関わる環境要因に関する研究
堤 雅弘
*1 奈良県立医科大学附属がんセンター 講師
*2 奈良県立医科大学附属がんセンター 助教授
膵がんの発生に係わる内因性及び環境要因に関する研究
吉見 直己
琉球大学医学部第一病理学教室 教授
胆道発がんモデルとしてのerbB2遺伝子導入マウスの解析
白井 智之
名古屋市立大学医学部 教授
ラット前立腺がん発生に関わる要因の解析
豊國 伸哉*1
京都大学大学院医学研究科 助教授
発がん過程における酸素ラジカルの意義に関する研究
吉川 邦衛*1
東京農業大学応用生物科学部 教授
感受性浸透率を修飾する因子
津田 洋幸*1
国立がんセンター研究所化学療法部 部長
環境物質の相互作用による発がん強度の修飾効果
高須賀 信夫*2
国立がんセンター研究所化学療法部 主任研究員
環境化学物質の相互作用による発がん強度の減弱
福島 昭治*1
大阪市立大学大学院医学研究科 教授
発がん物質の低用裏発がんに関する要因
鰐淵 英機*2
大阪市立大学大学院医学研究科 助教授
発がん物質の低用裏発がんに関する要因
杉江 茂幸
*8 岐阜大学生命科学総合実験センター 助教授
*9 金沢医科大学第一病理 助教授
ヘテロサイクリックアミンによる大腸、乳腺発がんと発がん抑制物質
今井田 克己*2
香川医科大学医学部第一病理学 教授
肺腺がん発生における環境要因の検討
渡辺 敦光*2
広島大学原爆放射能医学研究所 教授
ヘテロサイクリックアミンを用いた腸上皮化生からの胃発がん
田畑 泉(班友)*4
国立健康・栄養研究所
大腸がんの予防に対する身体運動・トレーニングの効旺に関する研究
*1:平成13年4月1日−平成14年3月31日
*2:平成14年4月1日−平成16年3月31日
*3:平成13年4月1日−平成15年3月31日
*4:平成15年4月1日−平成16年3月31日
*5:平成14年4月1日−平成15年3月31日
*6:平成13年4月1日−平成16年2月29日
*7:平成16年3月1日−平成16年3月31日
*8:平成14年4月1日−平成15年9月30日



平成15年度研究報告 研究成果の要旨

H. pylori 感染に伴いスナネズミの腺胃において炎症性因子の遺伝子発現が上昇した。アルキル化剤高感受性サルモネラ株を用いた膵発がん物質の高感度な検出系を開発した。高槻市の表層土壌中から強力な変異原性を示すdinitrobenzo[e]pyreneを単離した。胆汁酸アシルアデニレートを介して非酵素的に胆汁酸-ヒストン蛋白質付加体が生成することがわかった。サイクロスポリンが強くHCVゲノム複製を阻害することを見いだした。PhIP誘発ラット大腸発がん感受性の候補遺伝子を遺伝子発現解析により5個同定した。DSS投与によるPhIP誘発のマウス大腸がんモデルを確立した。 H.pylori の早期除菌が胃発がんを効率的に抑制すること、膵発がん物質の検索に膵液のAmes試験が有用なこと、TBP-2が酸素ラジカルによる腎発がんのがん抑制遺伝子である可能性等を明らかにした。ヒト細胞ではOGG1-Cys326は-Ser326より8-ヒドロキシグアニンの変異抑制能が低かった。CYP2A6遺伝子多型が喫煙による肺がんリスクに深く関与することがわかった。DNMT1発現の亢進は膀胱がん発生に前がん段階から寄与することが示唆された。


平成13年〜15年度総合研究報告 研究成果の要旨

タラの骨はスナネズミにおけるH. pylori 惹起性胃炎を促進した。膵発がん物質の変異原性の高感度な検出系を確立した。大阪府の表層土壌中から主要な変異原物質としてdinitrobenzo[e]pyreneを単離、同定した。胆汁酸は、アシルアデニレートを介してヒストン蛋白質付加体生成をすることがわかった。HCVゲノムが恒常的に自律複製する培養細胞を樹立した。PhIPのラット大腸発がん感受性遺伝子座を10 Mb領域に限定し、網羅的発現解析により感受性候補を5個同定した。また、ヘテロサイクリックアミン誘発のマウス大腸がんモデルを確立した。H.pylori 感染では感染期間よりも感染時期がより重要であること、PhIPのラット前立腺発がんの系統差がDNA付加体裏に依存しないこと、膵発がん物質の検索に膵液のAmes試験が有用なことなどを明らかにした。ヒト細胞でのOGG1の変異抑制能は多型Ser326よりもCys326の方が低かった。CYP2A6多型の肺がんリスクは腺がんより扁平上皮がんと小細胞がんで顕著だった。DNMT1とDNMT3aは肝がん・膀胱がんの前がん状態から過剰発現していた。

平成14年度研究成果の要旨

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成15年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01