●…患者と医師の間で最期の療養場所に関する話し合いがあったと回答した割合は、疾患別の推定値では●…介護をしたことで全般的に介護負担感が大きかったと回答した割合は、疾患別の推定値では37.6―●…死別後2-3年が経過した時点で強い悲嘆を抱えていた割合の疾患別の推定値は12.5―26.8%であっ●…施設や自宅で死亡した患者は、病院や緩和ケア病棟で死亡したがん患者と比べて、症状が比較的落ち着●…施設で死亡した患者の平均年齢は86.8―92.6歳で、全ての疾患において、他の場所で死亡した患者と●…緩和ケア病棟で死亡したがん患者は、遺族の回答をもとに死亡場所を特定したため、実際の死亡場所と●…調査に回答した遺族の続柄は、がんでは病院・自宅・緩和ケア病棟で死亡した患者の遺族では、配偶者Ⅲ 結果51C 最期の療養場所の希望や医療に関する話し合い22.9―52.9%であった。患者と医師の間で最期の療養生活の希望に関する話し合いがあったと回答した割合は、疾患別の推定値では18.5―47.4%であった。患者と医師の間で最期の療養場所に関する話し合いがあったと回答した割合は、がんが52.9%で最も高く、最期の療養生活の希望に関する話し合いがあったと回答した割合も、がんが47.4%で最も高かった。前回調査からの推移では、全ての疾患で大幅な増加を示していた。患者が死亡した2021年はCOVID-19の流行により、面会制限や行動制限があったため、療養場所として自宅を積極的に検討する場合が増えたことで、最期の療養場所についての話し合いが増えたことが考えられた。F 家族の介護負担感52.5%であった。介護をしたことで全般的に介護負担感が大きかったと回答した割合は、アルツハイマー病が52.5%で最も高く、次いで認知症で50.5%、心疾患が最も低く37.6%であった。アルツハイマー病や認知症で高かったことから、介護負担は、患者の認知機能の低下やそれに伴う行動・心理症状などにより増加したことが考えられた。G 最近1カ月間の遺族の強い悲嘆た。死別後2-3年が経過した時点で強い悲嘆を抱えていた割合は、がんが26.8%で最も高く、老衰が最も低く12.5%であった。前回調査からの推移では、全ての疾患で強い悲嘆を抱えていた割合が減少していた。前回の調査は、死別後1―2年が経過した遺族を対象に行い、今回の調査は死別後の期間がより長く経過しているため、死別からの期間の長さが影響していることが考えられた。患者・遺族の背景の全体像いているため、施設や自宅での療養が可能になるなど、療養場所によって患者の病状や療養場所の希望が異なることが考えられる。比べて高齢となっていた。は異なる可能性がある。の割合が44.6%以上で最も高かったが、施設では子の割合が65.1%と最も高かった。その他の疾患では、どの死亡場所でも概ね子の割合が高かった。死亡した患者の平均年齢が高齢であると、回答遺族の続柄は子が多くなることが影響していると考えられる。A 死亡場所で患者が受けた医療の構造・プロセス●…各疾患の死亡場所別では、医療者は患者のつらい症状にすみやかに対応していたと回答した割合は、病院62.1―76.0%、施設73.8―82.3%、自宅60.6―89.5%であった。医療者は患者の不安や心配をやわらげるように努めていたと回答した割合は、病院60.5―73.6%、施設74.7―82.8%、自宅59.1―88.6%であった。心疾患の場合、病院や施設と比べて自宅の回答割合が低い傾向があった。前回調査からの推移では、肺炎以外の疾患では病院の回答割合が減少傾向、自宅の回答割合が増加傾向だったが、肺炎では病院の回答割合も増加傾向であった。療養場所に依らず、医療者の対応への評価は概ね良好であると考えられた。3.2 死亡場所別の結果を解釈するうえで留意する点
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