●…前回調査の対象であった5疾患については、「患者と医師間で最期の療養場所に関する話し合いが●…死亡場所別の前回調査結果からの推移では、がんでは「からだの苦痛が少なく過ごせた」と回答した割●…本調査結果と類似した調査結果を用いれば海外の状況と比較することが可能である。しかし、文化や医Ⅲ 結果53めて対策を検討する必要があることが示唆された。あった」と回答した割合および「望んだ場所で過ごせた」と回答した割合が大幅に増加していた。COVID-19の流行により、病院や施設での面会制限や行動制限が行われたことで、在宅療養を検討する患者が増加し、それが最期の療養場所についての話し合いが増えた一因であると考えられる。その結果として、望んだ場所で過ごせた割合が増加し、話し合いの重要性が改めて示唆された。合が、緩和ケア病棟で減少していた。COVID-19の流行期の医療提供体制や療養場所の多様化、診療報酬改定による在宅連携の促進や平均在院日数の短縮化の影響など、複合的な理由が潜在することが考えられる。これらの要因を解明するためには、継続的なの調査結果の推移を注視し、緩和ケア病棟を取り巻く医療提供体制の変化について詳細に検討する必要がある。療制度、社会的背景の違いがあるため、直接的な比較には慎重な解釈が求められる。●…今後、本調査をさらに発展させ、以下のような調査研究を行うことで、わが国の終末期医療の現状を精密に把握し、具体的な政策検討につなげることが期待される。・本調査結果の推移を把握するための定期的な継続調査・患者と医療者の間での療養場所や医療に関する情報提供および意思決定支援の実態把握・本調査結果とレセプトデータなどのデータベースを個別単位で連結させた多面的評価
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