患者さまが受けられた医療に関するご遺族の方への調査報告書
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 Ⅱ 結果 1 全体・死亡場所別  11●本調査の患者に関する設問の回答結果は、遺族による代理評価の結果であることに注意する。●自宅で死亡したがん患者は、必ずしも医師の訪問診療を受けていないことに注意する。外来通●死亡場所のうち「PCU」の特定は、遺族の回答をもとに判断しているため、実際の死亡場所と●調査に回答した遺族の続柄は、施設で死亡したがん患者の遺族は、子が多くなった。これは他●施設で死亡したがん患者は、病院など他の場所で死亡したがん患者と比べて、患者が高齢のた②遺族特性回答遺族の特性は、表4 全体・死亡場所別 遺族特性 に示す。●全体•調査に回答したがん患者遺族全体の年齢は、60-70代の割合が57.1%と最も高く、続柄は、配偶者44.1%や子39.7%であった。●死亡場所別•調査に回答した遺族の続柄は、病院・自宅・PCUで死亡したがん患者の遺族では配偶者の割合が43.1%以上、施設で死亡した患者の遺族では子の割合が61.7%とそれぞれ最も高かった。他の場所と比べて、施設で死亡した患者の年齢が80歳以上の割合が高いため、回答遺族の続柄は子が多くなると考えられる。4)回答結果評価項目ごとに全体・死亡場所別の回答割合を示す。全体・死亡場所別の回答分布は、資料に示す。め、日常生活動作の低下や認知症を併存していた割合が高かった。院中や急死、回答遺族が当時の状況を把握していないことなどが考えられる。は異なる可能性がある。の場所と比べて患者の死亡時の年齢で80歳以上の割合が高いためと考えられる。《結果を解釈するうえでの留意点》●本調査は、わが国のがん患者が人生の最終段階の療養生活をどのように過ごしたか、その全体像を記述したものである。本結果は全体を重視して解釈すべきものであり、最期の療養場所として、どこで死亡することが良い・悪いと単純に比較・判断することは困難である。例えば「介護施設で死亡した患者は、もともと痛みなどの症状が少なかったので、医学的な介入を必要とせず入院することがなかった」など、療養場所によって患者のもともとの病状が異なる。したがって、療養場所の違いを考察する際には病状や本人の治療への希望などに留意し、注意深く考察することが必要となる。《死亡場所別の結果を解釈するうえでの留意点》●施設や自宅で死亡したがん患者は、病院やPCUで死亡したがん患者と比べて、症状が比較的落ち着いているため、施設や自宅での療養が可能になるなど、療養場所によって患者の病状や療養場所の希望が異なることが考えられる。

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