患者さまが受けられた医療に関するご遺族の方への調査報告書
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26●全体の結果(主解析) がん患者の遺族全体では、患者が死亡前に強い痛みを感じていたと回答した割合は28.7%であった。●全体の考察 該当遺族が回答した痛みの主な理由は、痛みに対して医療者は何らかの対処をしたが、不十分であったからと回答した割合が28.4%と最も高かった。その他の理由には、患者の認知機能が低下していることにより痛みの評価が難しい場合や、褥瘡や骨折・腰痛などのがん以外の併存症・医療処置による痛みがある場合も含まれており、複数の要因が影響していたと考えられる(資料p72)。 痛みは患者の療養生活の質に影響する重要な要因であるため、改善を図る必要がある。●死亡場所別の結果(副次解析) 死亡場所別のがん患者遺族では、患者が死亡前に強い痛みを感じていたと回答した割合は、病院29.1% 施設13.5% 自宅29.3% PCU29.9%であった。●死亡場所別の考察と留意点 施設で死亡したがん患者の遺族は、病院など他の場所で死亡したがん患者と比べて、死亡前に痛みや倦怠感、息苦しさなどの苦痛となる症状を抱えていたと回答した割合が低かった。他の場所と比べて、患者が高齢であるため、日常生活動作や認知機能の低下を併存しており、症状がはっきりと現れず非定型的となる可能性があることや、症状が比較的落ちついているため、施設での療養が可能となり、施設の利用を選択して療養していたと考えられる。設問患者さまは療養中の苦痛症状について、どのように感じていたと思いますかお亡くなりになる前の1週間の状況について、最も近い番号を1つずつお選びください回答選択肢「0わからない」「1症状はなかった」「2少し」「3まあまあ」「4ひどい」「5とてもひどい」のうち○は1つ集計方法「4ひどい」「5とてもひどい」の合計回答割合(%)について、人口動態死亡数の都道府県比率,死亡場所比率で調節した補正値と、推定される95%信頼区間を示したC 死亡前1週間の患者の苦痛症状

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