患者さまが受けられた医療に関するご遺族の方への調査報告書
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  30●全体の結果(主解析) がん患者の遺族全体では、患者と医師の間で最期の療養場所の希望や医療に関する話し合いがあったと回答した割合は35.7%、患者と医師の間で心肺停止時の蘇生処置の実施について話し合いがあったと回答した割合は35.1%であった。●全体の考察 患者の意向・希望に沿った医療を提供するためには、主治医等の医療者から提供される情報に基づく患者本人による意思決定が基本となるため、改善を図る必要がある。患者と医師間で話し合いが十分にできていないことにより生じる影響を調査したうえで、具体的な対策の検討が必要である。●死亡場所別の結果(副次解析) 死亡場所別のがん患者遺族では、患者と医師間で最期の療養場所の希望に関する話し合いがあったと回答した割合は、病院28.6% 施設28.0% 自宅64.4% PCU46.1%、患者と医師の間で心肺停止時の蘇生処置の実施について話し合いがあったと回答した割合は、病院32.8% 施設35.8% 自宅37.5% PCU42.9%であった。●死亡場所別の考察と留意点 病院や施設で死亡したがん患者の遺族では、患者と医師の間で話し合いがあったと回答した割合は限られていた。他の場所と比べて、病院で死亡した患者の場合は、治癒や治療に対する希望があるため、最期の療養生活に関する話し合いに至らなかったことが考えらえる。施設で死亡した患者の場合は、高齢で認知症を併存しているため、患者との話し合いが難しいことが影響したと考えられる。患者さまがお亡くなりになる1カ月前の状況についてご回答ください1.患者さまがお亡くなりになる1カ月前頃までに、最期をどこで過ごすかについて、患者さまは主治2. 患者さまは主治医等と、症状が悪化して心臓や呼吸が止まった場合に備え、蘇生処置を行うかに設問回答選択肢4.あなたは患者さまの主治医等と、患者さまの病状が悪化して心臓や呼吸が止まった場合に備え、蘇「3そう思う」「4とてもそう思う」の合計回答割合(%)について、人口動態死亡数の都道府県比率,死亡場所比率で調節した補正値と、推定される95%信頼区間を示した集計方法医等と十分に話し合いができましたか回答選択肢「 1まったくそう思わない」「2そう思わない」「3そう思う」「4とてもそう思う」「 5急に亡くなったので、話し合える状況ではなかった」「6わからない」 のうち○は1つついて、十分に話し合いができましたか回答選択肢「 1 まったくそう思わない」「2 そう思わない」「3そう思う」「4 とてもそう思う」「 5 わからない」「6 該当しない」 のうち○は1つ3.あなたと患者さまは、意思決定できなかった時に備えて、療養場所や蘇生処置など、どのような医療や療養を受けたいか、十分に話し合いができましたか回答選択肢「 1 まったくそう思わない」「2 そう思わない」「3 そう思う」「4 とてもそう思う」「 5 わからない」のうち○は1つ生処置を行うかどうかについて、十分に話し合いができましたか回答選択肢「 1 まったくそう思わない」「2 そう思わない」「3そう思う」「4 とてもそう思う」「 5 わからない」「6 該当しない」 のうち○は1つD 最期の療養場所の希望や医療に関する話し合い

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