患者さまが受けられた医療に関するご遺族の方への調査報告書
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32●全体の結果(主解析) がん患者の遺族全体では、介護をしたことで全般的に介護負担感が大きかったと回答した割合は38.9%であった。●全体の考察 家族の介護負担感は決して低い割合ではなかった。介護負担は、患者の高齢化による、認知機能の低下やそれに伴う行動・心理症状などにより増加することが考えられる。今後も高齢者が増加するわが国では、介護者が必要に応じて適切な社会的支援を利用できる体制の整備を推進する必要がある。●死亡場所別の結果(副次解析) 死亡場所別のがん患者遺族では、介護をしたことで全般的に介護負担感が大きかったと回答した割合は、病院38.0% 施設54.5% 自宅40.2% PCU 38.3%であった。●死亡場所別の考察と留意点 施設で死亡したがん患者の遺族では、病院など他の場所と比べて、介護負担感が高かった。施設に患者が入所しても家族の関与が必要なことや、他の場所と比べて、患者が高齢であるため、病気の進行が比較的緩やかで療養期間が長くなる可能性があること、日常生活動作や認知機能が低下していること、主介護者が配偶者より子が多くなること、複合的な理由によって介護の負担をより感じた家族が、患者の療養場所として施設の利用を選択していることが影響したと考えられる。設問あなたの介護体験についてお伺いします。最も近い番号を1つお選びください回答選択肢「1全くそう思わない」「2そう思わない」「3あまりそう思わない」「4どちらともいえない」「5ややそう思う」「6そう思う」「7とてもそう思う」 のうち○は1つ集計方法「5ややそう思う」~「7とてもそう思う」の合計回答割合(%)について、人口動態死亡数の都道府県比率,死亡場所比率で調節した補正値と、推定される95%信頼区間を示したE 家族の介護負担感

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