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研究について

放射線治療・陽子線治療グループの研究活動は、1.臓器の機能と形態を温存した治療法に関する臨床研究、2.化学療法・手術療法との併用による局所制御率向上に関する臨床研究、3.病院設置型医療専用陽子線治療装置に関する基礎的臨床的研究、4.放射線治療・陽子線治療の増感効果やゲノム関連情報を用いた基礎的臨床的研究に大別されます。

  1. 臓器の機能と形態を温存した治療法については、主として頭頸部がんを対象に行っております。
  2. 化学療法・手術療法との併用による治療成績の向上については、主として肺がん、食道がん、膵臓がん、直腸がんなどを対象に研究しております。
  3. 陽子線治療においては、頭頸部がん、頭蓋底腫瘍、非小細胞肺がん、食道がん、肝細胞がん、前立腺がん、小児がんなどが主たる対象に、スキャニング照射法を始めとする陽子線治療の技術開発を行っており、その有効性を検証する臨床試験も実施しています。
  4. 増感効果に関する研究については、X線や陽子線の薬剤併用による増感効果やその機序解明の基礎的研究から、頭頸部がんや食道がん、臨床検体を用いたトランスレーショナルリサーチも実施しています。ゲノム関連情報を用いた研究は、頭頸部がん、肺がんを主な対象として、先端医療開発センターの研究分野とも連携して研究を進めています。

臨床研究や治験も多く実施しており、現在放射線治療科で行われている主な臨床試験は以下の通りです。

  • JCOG1315CA(先進医療B)
    切除可能肝細胞癌に対する陽子線治療と外科的切除の非ランダム化同時対照試験
  • JCOG1408
    臨床病期IA期非小細胞肺癌もしくは臨床的に原発性肺癌と診断された3センチメートル以下の孤立性肺腫瘍(手術不能例・手術拒否例)に対する体幹部定位放射線治療のランダム化比較試験
  • JCOG1510
    切除不能局所進行胸部食道扁平上皮癌に対する根治的化学放射線療法と導入Docetaxel+CDDP+5-FU 療法後のConversion Surgery を比較するランダム化第III相試験
  • JCOG1612
    局所切除後の垂直断端陰性かつ高リスク下部直腸粘膜下層浸潤癌(pT1癌)に対するカペシタビン併用放射線療法の単群検証的試験
  • JCOG1801
    直腸癌局所再発に対する術前化学放射線療法の意義に関するランダム化比較第III相試験
  • JCOG1806
    薬物療法により臨床的完全奏効が得られたHR陰性HER2陽性原発乳癌に対する非切除療法の有用性に関する単群検証的試験
  • JCOG1807C
    肺尖部胸壁浸潤癌に対する化学放射線療法後の術前後デュルバルマブもしくはデュルバルマブ維持療法を併用した集学的治療に関する単群検証的試験
  • JCOG1904
    高齢者切除不能局所進行非小細胞肺癌に対する低用量カルボプラチンを用いた化学放射線療法とカルボプラチン+アルブミン結合パクリタキセルを用いた化学放射線療法を比較するランダム化第III相試験
  • JCOG1914
    高齢者切除不能局所進行非小細胞肺癌に対する低用量カルボプラチンを用いた化学放射線療法とカルボプラチン+アルブミン結合パクリタキセルを用いた化学放射線療法を比較するランダム化第III相試験
  • JCOG1916
    病理学的N2非小細胞肺癌に対する術後放射線治療に関するランダム化比較第III相試験実施計画書
  • JCOG1912
    頭頸部癌化学放射線療法における予防領域照射の線量低減に関するランダム化比較試験
  • JCOG2002
    進展型小細胞肺癌に対する胸部放射線治療の追加を検討するランダム化第III相試験
  • JCOG2010
    下部直腸癌に対するTotal neoadjuvant therapy (TNT)およびwatch and wait strategyの第II/III相単群検証的試験
  • iProton試験(先進医療B)
    局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する強度変調陽子線治療による晩期有害事象低減効果に関する多施設共同臨床試験
  • 気管・気管支原発腺様嚢胞がんに対する陽子線治療における血中DNA遺伝子変異解析の有用性の検討
  • 食道扁平上皮癌、大腸癌に対する放射線治療後のがん免疫応答の解析
  • 放射線治療に対する Exceptional response を規定する分子遺伝学特徴を明らかにする多施設共同研究
     
    陽子線治療に関しては、全国の粒子線施設において全例登録を行っております。当院でも陽子線治療に関わるデータを登録し、将来の治療に役立てられる様、また、陽子線治療の保険収載を目指し、研究を行っております。

    放射線品質管理室

    また、放射線治療による皮膚障害のケアなど、QOL向上を目的とした支持療法の開発にも重点的に取り組んでいます。

  • 放射線皮膚炎グレーディングアトラス(関連ファイルをご覧ください)
    放射線皮膚炎の重症度を判定する基準になる写真集(注:医療者向け)

関連ファイル

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更新日:2023年8月29日