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主な関連診療科・部門のご紹介
乳腺外科
乳腺外科では、主に乳がんの診断手術および内分泌療法を担当しています。乳がんは30代から60代の女性にとって罹患率の高いがんの一つとされ、当科にも年間3,600人程度の女性がん患者さんが来院されます。
女性がん患者さんは手術による乳房の変形はもちろんのこと、ライフステージに応じ、妊娠・出産、子育て、介護、仕事の継続など様々な悩みや問題を抱えている方が多くいらっしゃいます。乳腺外科ではレディースセンターと連携して術式の選択支援だけでなく、個々の患者さんの診療支援を行なっています。
また、2020年度より遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の診療の一部が保険適応となりました。乳腺外科では遺伝子診断とともに、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の患者さんに対してリスク低減乳房切除術を行なっています。
婦人科
卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がんを主な疾患として手術を行っています。婦人科がんの患者さんの負担が出来る限り少ないよう、早期がんと思われる患者さんへ腹腔鏡手術やロボット支援下手術を取り入れています。また術後に抜糸や抜鈎の必要がないよう、全手術症例へ吸収糸を用いた閉腹を行っています。さらにリンパ節郭清が必要な患者さんへは、術後に下肢浮腫を予防するための指導を行い、日常生活に支障なく復帰してもらえるよう配慮しています。
2020年からは遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)といって、乳がんや卵巣がんを高いリスクで発症する遺伝性腫瘍の患者さんへ、リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が保険適応となりました。当院でも腹腔鏡手術を用い1時間程度で手術が出来るようスタートし、すでに多くの患者さんが手術を受けられています。
婦人科がんに限らず当院に受診されるすべての患者さんへ、将来の妊娠出産に向けた妊孕性(にんようせい)温存に関しても相談をお受けし、連携病院と協力して当科が対応しています。
形成外科
疾患や予防的手術によって患者さんに機能的、形態的に不都合な状態が生じてしまう場合に、形成外科医の立場からその問題の改善に取り組んでまいります。
たとえば、乳房切除により変形、あるいは失われた乳房をとりもどすための手術である乳房再建手術 について、相談に応じたり手術を提供したりすることができます。 遺伝性乳がんに対する予防的乳房切除術後の乳房再建についてはこちらをご覧ください。
腫瘍内科
腫瘍内科は、乳がん、婦人科がんをはじめ、骨軟部肉腫などの稀少がんを含めた様々ながんに対する薬物療法を担当しています。近年のがん薬物療法には、従来の抗がん薬に加え、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など、様々な種類のお薬が用いられます。我々は、これらお薬を上手く使いこなせるようトレーニングされた専門家集団であり、近年のがんゲノム医療に基づく発生臓器を問わない臓器横断的な診療にも力を発揮しています。お薬の効果を最大限に引き出し、副作用などのデメリットを最小限に抑えられるよう、日々最新の情報を取りいれ努力を重ねています。また、ご病気そのもの、あるいは治療に用いるお薬により患者さん一人一人に及ぼす心理的、社会的な影響にも目を向け、全人的医療を提供しています。
小児腫瘍科
全国的に専門家の少ない「思春期・若年成人(AYA世代)に発症するがん診療」の経験が豊富にあり、成人診療科との連携も強く、AYA世代患者さんに対して適切な医療を提供します。再発や難しい状況でも最善の治療を考えます。
学校生活や仕事の継続など今まで通りの生活を出来るだけ継続できる治療を行うこと、患者さんやご家族の心のケアも大切に考えています。
放射線治療科
放射線治療に関するご相談、放射線治療の実施、副作用に対する対応など、放射線治療業務全般を担当しています。強度変調放射線治療(IMRT)や陽子線治療などの先進的な放射線治療技術を積極的に導入し、からだへの負担が少ない低侵襲な治療を提案しています。他の病院で手術などの治療を受けた患者さんに関しても、当院で放射線治療を行うことが可能です。さらに、婦人科がんに対する小線源治療も開始しましたので、女性特有のがんに対して全般的な放射線治療が可能となりました。
経験豊富な医師、看護師、診療放射線技師、医学物理士が揃っていることに加え、多数の女性スタッフを有していますので、安心してお任せください。
遺伝子診療部門
遺伝子は私たちのからだをつくる設計図にたとえられます。遺伝子診療部門はがんで生じている遺伝子の変化や、がんになりやすい体質など生まれつきの遺伝子の変化を調べる検査に関することを担当しています。これらの遺伝子の変化を調べることが治療法の選択にかかわるようになってきました。一方で、生まれつきの遺伝子の変化は、がんにかかられた患者さん本人だけでなく、ご家族の方の発がんリスクにもかかわる情報となります。