国立がん研究センター
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高齢者との関わりを大切にしてきた私に老人看護専門看護師の資格取得を勧めてくれたのは、当時の師長でした。進学は、高齢の認知症患者さんの世界を知り、老人看護の専門知識を得たという点でもちろん有意義でしたが、良かったことはほかにもあります。例えば、それまでの自分がいかに井の中の蛙だったかと気づけたり、必死に学んだからこそ働くことの素晴らしさを痛感したり。プレッシャーがある中、やり切ったことは自信にもなりました。最初はやりたいことが明確でなくても、働くうちに自分の内側からチャレンジしたいことが出てきます。この病院なら周りがその意欲を後押ししてくれると思います。18それぞれが描く看護師としてのあり方や、目指したいキャリアアップの姿に応じて、各種支援を行っています。[大学院進学][大学院進学]正解のない問いと向き合った大学院での日々多くのがん患者さんは、答えのない苦悩を抱いています。それを知っている看護師もまた苦悩します。私ががん看護専門看護師を目指したのも、正解のない問いと向き合うためでした。患者さん、家族、看護師、医師をどう捉えるのか、人としてどう見たらいいのか、大学院でとことん考えた体験は私の財産です。私は当初から「スタッフのためにもなる専門看護師」を目指して大学院に進学しました。仲間の看護師には、アドバイスするよりも一緒に考えることを大切にしています。少しはできていると思いたいのですが…笑。休職して大学院に進学できる病院は多くありません。看護で社会に貢献したい方にぜひ来てほしいです。ここにはチャレンジできる環境がある▶︎どのようなキャリアアップ支援がある?□大学院進学研究休職制度を通じて、大学院進学の支援を行っています。2年間の休職中に給与の一部が支給され、また修了後は、学んだことを生かして当院で活躍することが期待されます。□海外研修がん看護専門プログラムを受講した上で、海外研修に参加可能な語学力があれば、海外のがん専門病院などでの実習に参加できます。□院外研修認定看護師教育課程、実習指導者講習会など、院外で研さんを積むための、さまざまな学びの場への参加を積極的にバックアップしています。□研究支援看護部には研究支援チームがあり、新たながん看護・支持療法などの研究がスムーズに進められるよう支援しています。安川 弘平中央病院 17B病棟(呼吸器内科、呼吸器外科、肝胆膵内科)がん看護専門看護師2014年度入職神戸市看護大学卒神戸市看護大学大学院修了藤本 遼東病院 緩和ケア病棟老人看護専門看護師2014年度入職国立看護大学校卒聖路加国際大学大学院修了大学院進学など多彩な支援制度を用意

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