国立がん研究センター
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小学校低学年から看護師に憧れ、自分が患者さんと接する姿をイメージしながら学生時代を過ごしました。実習中にがん看護の奥深さに興味を持ち、がん専門病院を選びました。中でも小児科は大人の看護とは違う工夫が必要なため、例えば子どもたちが嫌いな薬を飲むときも自分のやり方で支えたいと思いました。小児科で子どもたちの成長を日々感じることがやりがいになっています。嫌がっていた薬を飲めるようになったり、自分の気持ちを話してくれるようになったり。私が工夫したことがその子にマッチして治療をがんばってくれるようになるのはとてもうれしいです。中央病院では、医師、看護師だけでなく子ども療養支援士、保育士、心理士、また地域連携室などのチームで、成長発達段階に応じてがん治療をサポートしています。多職種のカンファレンスではさまざまな視点から意見交換が行われ、勉強になりますし刺激を受けることが多いですね。自分が成長したと思うことは?最初の頃は、子どもたちやご家族への声の掛け方や伝え方が分からず壁にぶつかり、先輩にたくさん話を聞いてもらいました。今、コミュニケーションの取り方が自分なりに分かってきたところです。看護と直接関わりがある会話が全てではなくて、夜勤で時間がある時に子どもと遊んだり、いろいろな話をしたりしながら関係を築くことで、子どもには治療を受け入れる意欲が生まれ、親御さんとの関係も良くなります。子どもの体と心の変化を、子ども自身やご家族と一緒に私が感じることが大事だと思うのです。がんを看ることは、病んだ臓器だけを見ることではなくて、生きて生活するその人の全体を見ること。がん看護の専門性を高めることができる当院は、看護師として大きく成長できる場だと感じています。20National Cancer CenterHospital(小児腫瘍科、骨軟部腫瘍科、眼腫瘍科)12A病棟2022年度入職日本赤十字看護大学卒やりがい❶先輩看護師の働きがいはどこに?島方 梨央がんを看ることは、その人の全体を見ることどんなことにやりがいを感じますか?中央病院「患者さん」を看ることに徹したその中に…

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