国立がん研究センター
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今の職場は、24時間看護師がいる病棟と違い、患者さんが自らの意志で決断や選択ができるかによって結果が変わります。学生だった頃、どんな看護師になりたいのかを書いたのですが、私は「患者さんがその人らしく生きられるお手伝いができる看護師」と書き、今も原点になっています。ここで働くうちに、「その人らしく生きる」とは、病と闘いながらも自分の治療や暮らしを自らの意思で選択すること、それには根拠となる理由が必要で、私の役目は根拠となる知識を伝えることだと思うようになり、がん化学療法看護認定看護師になりました。自分の原点を忘れず、これからもがんばります。23皮膚排泄ケア認定看護師特定行為研修修了2009年度入職国立病院災害医療センター附属昭和の森看護学校卒(肝胆膵外科、肝胆膵内科、大腸外科、泌尿器・後腹膜腫瘍科、婦人科)2015年度入職人間総合科学大学卒がん化学療法看護認定看護師千葉県立野田看護専門学校卒2014年度入職仕事のやりがい②プロの知恵を結集し最善を尽くす東病院で経験を積み、皮膚排泄ケア認定看護師の資格を取りました。以前は一般的な総合病院に勤めていましたが、この病院に来て良かったと思うのは、プロ意識の高い看護師が多く、相談しやすい環境があること、他の職種の専門家たちと知見を結集して、ベストを尽くせることです。例えば褥瘡の発生した患者さんが家に帰りたいという時に、希望をかなえるためには何が問題で、何が必要なのか知恵を出し合います。医師から相談を受けることもあり、責任は重いですが、最善を尽くすことに意義を感じます。どのような環境でどんな人たちと働くかは、自分の成長にとっても重要だと感じています。データ分析に基づく看護を目指す「その人らしく生きる」を手伝う私にとって、成長のターニングポイントは副看護師長になったことです。立場が変わり、広い視野が必要になる中で、今、目指しているのはデータ分析に基づく看護です。例えば患者さんの転倒など現場で起きている事象の原因や傾向を分析し、改善プランに反映できれば看護の質は高まります。副看護師長になったことで自分の理想を実現しやすくなりました。看護研究が進む利点は、知識が体系化され、広く普及させることができることにあります。当院は大学院進学支援制度が充実しているので、進学を果たし、データを生かした看護の確立に挑戦したいと思います。信坂 佳美猪狩 匠7B病棟島津 昌子通院治療センター

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