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FIOCセンター長挨拶

がん医療(予防・先制医療を含む)の革新(イノベーション)を目指す上で、患者・家族の方々や一般市民・行政関係者は元より、研究者・医療関係者の間に限っても、ますます産学官にまたがる複数の専門領域・職種・立場の人々の協働、すなわちパートナーシップが欠かせなくなっています。


我々研究者がパートナーを探す場面として、例えば下記のような例が考えられます:

  • 自分は臨床医。日頃感じている臨床疑問(clinical question)への答えが欲しい。
  • 自分達は臨床研究者。臨床試験の計画をしている。付随研究として、治療抵抗性のメカニズムを探るための分子解析を初めから試験に組み込みたい。
  • 自分は製薬会社の研究者。NCCならではの、臨床試料と情報の集積を活用したい。その際、がんの臨床及び基礎研究の専門家集団と、頻繁に、心ゆくまで意見を交換しながら、薬を開発したい。
  • 自分達は疫学者。コホート研究の計画をしている。発がん要因の暴露とリスクの指標となるバイオマーカーの探索を行いたい。
  • 自分は研究所の若手主任研究者。研究を次の段階に進めるため、この論文に出ている新しい解析をやってみたい。

互いに対する敬意に基づく、多様な研究者同士の接点を如何に創り出し、活発なチームサイエンスを推進することができるかが、世界のがん研究開発拠点に問われています。FIOCは、そのような時代の要請に対して、当センター研究所が提示する答の一つです。


その基本コンセプトはFIOCのページの冒頭に示した図の通りです:

この図に示すように、FIOCは研究所と、両病院および社会と健康研究センターの間に位置して、基礎・臨床・公衆衛生研究の様々な領域の研究に積極的に参画していきますが、特に創薬のTR(基礎から臨床への橋渡し研究)とリバースTR(臨床から基礎への橋渡し研究)に重点的に取り組みます。その際、先端医療開発センター(EPOC)とは特に緊密に連携しつつ活動していきます。また、産学官連携を含む研究も、FIOCの重要テーマの一つです。

FIOCは研究所の15の施設・部門からなるバーチャルなセンターで、研究者パートナーとしてのディスカッションを重視したコアファシリティ機能を提供します。また、国立がん研究センターのバイオバンクの運営業務も担当しています。

医学・生命科学がbig science化し、AIが登場するメガトレンドがあります。しかし個々の研究者同士がちょっと立ち止まり、互いに関心を持ち、すこし手を差し出すことで、世界を大きく変える成果につながった例はたくさんあります。新しい時代の中でも、FIOCがそのような接点をたくさん作り出し、そこから多くの新たな研究が生み出されることを願っています。