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希少がんセンター

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センター長ごあいさつ

センター長 川井 章

希少がんセンターは、国立がん研究センターにおいて、最新、最良の希少がん診療を実践すること、最先端の希少がん研究を推進すること、さらに実際の診療・研究活動を通してわが国における希少がん医療の課題を明らかにし、解決してゆくことを目的として発足しました。

胃がんや乳がんという言葉は聞いたことがあっても、“希少がん”という言葉を聞いたことがある人はあまりいないかもしれません。希少がんとは、特定の病気そのものをさすのではなく、“発生のまれながん”全体をさす言葉です。希少がんは、まれであるがゆえに、“5大がん”など他のがんに比べて、それぞれの疾患に関わる人的な層・経済的な支援にも乏しく、診療や研究の体制も十分に整えられたとはいえない状況にあります。がん診療連携拠点病院の整備、緩和ケアの強化などがん医療の均てん化が進められ、5大がんなど多くのがんの治療成績が改善する一方で、希少がんに関しては、治療実態の把握も十分ではなく、生存率もその他のがんに比べて劣るなど多くの課題を残していることが明らかとなっています。

厚生労働省の検討会では“人口10万人あたりの年間発生率(罹患率)が6例未満のもの、数か少ないため診療・受療上の課題が他のがん種に比べて大きいもの”が希少がんとして定義されています。この定義に従うと、骨の肉腫、軟部肉腫、悪性脳腫瘍、メラノーマ、眼腫瘍、悪性中皮腫、小児がんなど100種類以上の悪性腫瘍が希少がんとして分類されます。個々の希少がんはいずれもがん全体の1%にもみたないまれな腫瘍ですが、すべての希少がんを合計するとがん全体の15~22%にもなり、希少がんの問題はけっして“まれ”なものではないことに気づかされます。

国立がん研究センターは、これまでもわが国では最も多くの希少がんを診療する施設として、世界的にもトップレベルの治療成績を達成してきました。しかし、分子標的薬の登場、粒子線治療の導入など高度・複雑化する医療に対して、従来の希少がん診療の枠を超えた対応が求められるようになるとともに、新たな医療技術開発のためには基礎研究者と臨床医の緊密な連携が一層重要になってきました。希少がんセンターは、このような希少がんに対して、国立がん研究センターの英知を結集して挑むためにつくられました。希少がんセンターは、すべての希少がん患者さんが、病院や診療科の枠を超えて最新・最適な治療を受けられるよう、国立がん研究センターにおける希少がんの診療・研究の要となります。

また、希少がんの患者さんの話をお聞きすると、ご自分の病気に関する正しい情報を得ることに苦労された経験をお持ちの方が大変多いことに気づかされます。希少がんセンターでは、希少がんに関する正確かつ最新の情報を、広く社会に伝えてゆくことも重要な仕事と考えています。ホームページを充実させてゆくとともに、専任の看護師による“希少がんホットライン”を開設し、希少がん患者さんとご家族、医療者の方々の疑問、相談にお答えしています。

希少がんセンターは、患者さんに“寄り添う”気持ちと“グローバルな”視野をもって、希少がんのかかえる問題に全力で取り組んでまいります。みなさまのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

国立がん研究センター希少がんセンター
センター長 川井 章