11-23 全身用定位的放射線治療装置の開発とその適性線量の研究
 
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11-23 全身用定位的放射線治療装置の開発とその適性線量の研究

主任研究者 国立国際医療センター 伊丹 純


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
伊丹 純
国立国際医療センター 医長
定位的照射法(全身用)の臨床応用の研究
近藤 達也
国立国際医療センター 部長
脳および脊髄疾患に対する治療の研究
上村 志伸
国立国際医療センター 部長
消化器癌に対する放射線治療の研究
鈴木 紀夫
東京大学医学部 教授
定位的照射の適性線量についての基礎的検討
桐野 高明
東京大学医学部 教授
定位的1回大量照射による神経細胞および神経膠細胞における経時的組織学的変化とアポトーシスの研究
青木 幸昌
東京大学医学部 助教授
全身3次元 non-coplanar 定位的照射の最適化の研究
幡野 和男
千葉県がんセンター 部長
MRIによる体幹腫瘍の呼吸性移動量の研究
金井 達明
放射線医学総合研究所 室長
粒子線による線量局所集中化に関する技術開発の研究
徳植 公一
国立がんセンター 医員
定位放射線治療の適応拡大と適性線量の研究
植松 稔
防衛医科大学校 講師
体幹部臓器の移動を経時的に把握し正確な放射線照射を行うシステムの研究


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

本研究班で開発された呼吸同期全身用定位的放射線治療装置の改善の結果、照射制御装置および呼吸同期照射に関してはほぼ完成の域に達した。患者固定に関しては、固定ベッドなどの支持具の必要性、体位監視の必要性、治療施行直前のCTなどによる位置確認が必須と思われた。装置の機械的精度の確認後、臨床使用が開始されたが、1回大量照射を原則として、肝腫瘍および肺腫瘍を対象とした。径4cm以下の肺腫瘍23例では、辺縁線量30Gyを投与した症例で現在まで局所腫瘍再増殖は観察されていない。また、1回大線量照射にもかかわらず重篤な有害事象は見られていない。また、体幹部腫瘍に対する分割照射も継続施行され良好な局所制御率を上げられた。更に、頭蓋内腫瘍に対するガンマナイフを用いた1回大量照射およびSMARTによる分割照射もほぼ確立された方法として良好な成績をおさめた。更に、長期追跡により、定位的照射法の有効性を確認することが重要である。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

本研究班で開発された呼吸同期全身用定位的放射線治療装置の改善の結果治療装置本体は完成の領域に達した。しかし、治療計画および患者固定に関してはいまだに改善の余地がある。装置の機械的精度の確認後、臨床使用が開始されたが、1回大量照射を原則として、肝腫瘍および肺腫瘍を対象とした。径4cm以下の肺腫瘍23例では、辺縁線量30Gyを投与した症例で現在まで局所腫瘍再増殖は観察されていない。また、1回大線量照射にもかかわらず重篤な有害事象は見られていない。また、体幹部腫瘍に対する分割照射も継続施行され良好な局所制御率を上げられた。更に、頭蓋内腫瘍に対するガンマナイフを用いた1回大量照射およびSMARTによる分割照射もほぼ確立された方法として良好な成績をおさめた。特に放射線抵抗性といわれる腎癌転移や悪性黒色腫に対する効果が確認され、1回大量照射の有効性が示唆された。更に、長期追跡により、定位的照射法の有効性を確認することが重要である。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01