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たばこ規制戦略に対する医療従事者組織の役割

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全国組織レベル

国家の医療従事者組織は、組織の内外における行動に責任があります。組織内に対しては、メンバー個人に対してたばこへの意識を喚起するべきです。もし、意識が既に高いのであれば、国家の医療従事者組織は新しい科学的な知見、新しい禁煙方法の開発、新しい政策の開発を共有することが出来ます。もし意識が低ければ、国家の医療従事者組織はより徹底的かつ幅広い議論の中で、科学的なエビデンス、たばこに関する政治学や経済学、たばこの促進の手口や他の重要な事柄について明らかにする必要があります(XXX)。

その他にも、メンバー内に対しては、国家の医療従事者組織は以下の行動をとることが出来ます。

医療従事者の喫煙習慣やたばこ消費に対する態度を調査すること。
メンバー間に調査の結果を広めること。
組織内にたばこのグループを立ち上げ、会議の議決に関わったり、たばこ規制の様々な側面に関する資料を作ったり、メンバー間におけるたばこ規制に働きかけたりすること。
たばこについて他のメンバーを教育すること。
組織の建物や会議を禁煙にさせること。
医療関係のジャーナリストにたばこ問題について手短に説明し、医療関係の出版物にたばこに関するニュースや特集記事を定期的に掲載するように促すこと。
医療従事者に禁煙問題を伝え、常に禁煙方法やその経済性などに関する最新の情報に関する知識があるように教育すること。
たばこ規制の様々な問題と同様に、健康支援に関する一般原則における記者会見などを行う協会の代表者を教育すること。
告訴の問題を取り上げ、メンバーを教育し、訴訟に関係した専門家を作ること。
医療従事者の禁煙を支援することや、彼らが患者の禁煙を支援できるように促したりするといった、禁煙活動をサポートすること。
たばこ関連の持ち株を減らすように、国家の医療従事者組織の投資ポートフォリオを見直すこと。
たばこ会社の代表者のイベントや会議への寄付、プレゼンターや演説者としての参加を拒否すること。なぜなら彼らの意図は、良いスピーチを行うことで、聴衆を混乱させたり、たばこのリスクや弊害の科学的研究に疑念を抱かせたりすることだからである。
あらゆるたばこ会社が組織へ影響を及ぼしたり科学的主導権に参加しようとしたりする戦略を認識し、たばこ会社の影響から組織や社会を守ろうとすること。

組織のメンバーに対しては、全国レベルの医療従事者組織は以下の行動をとることが出来ます。

たばこ規制の活動に関する国家的計画の作成に貢献すること。
他の国家の医療従事者組織と協力し、たばこ規制について共通した立場とったり、共通の目的を持って資源を共有するといった提携を考えたりすること。
ニュースやメディアを利用すること。
政治家に働きかけて、たばこ規制の問題に焦点を当てた会議やその他イベントへの招待されることに関心を向けさせること。
禁煙が標準となるように、医療施設に禁煙キャンペーンを行うこと。
医療従事者の教育内容に影響を及ぼし、たばこ規制の団体に組み込むことで学生の意識を高めること。
国のたばこ問題の詳細なレビューを提示し、たばこ規制の優先事項を明らかにするような、たばこに関する基礎的なレポートを作成する。
たばこ規制の活動計画の各項目を評価し必要に応じ調整するため、進行度をモニターする調査を定期的に行い、たばこ消費に対する一般人の知識や態度を評価すること。
禁煙カウンセリング費用への公的・私的保険適用のためにロビー活動を行う。




たばこ規制に全国レベルの医療従事者組織が関与する事例

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薬剤師

The Indian Pharmacist Association (IPA、インドの薬剤師協会)は、2001年のEUROPharm Forumで述べられた'たばこに反対するヨーロッパの薬剤師調査'に基づき調査を行いました。調査には、地域薬剤師やその他の現場での薬剤師、そして薬学部の学生が参加しました。調査では喫煙や禁煙などたばこの消費に関する姿勢が評価されました。質問項目には、"現在のあなたの喫煙に関する知識は十分といえますか?"、"喫煙の予防や中断は、薬剤師の標準の研修プログラムに含まれるべきですか?"、"あなたの州や国によって行われる法的措置についてご存知ですか?"、"あなたの患者/顧客に喫煙を止めるように助言する意思がありますか?"、"進んで患者/顧客に禁煙に関する情報について文書を書くつもりはありますか?"、"進んで患者/顧客に禁煙の講義に関する情報について文書で知らせるつもりはありますか?"、"実際に進んで患者/顧客にニコチン代替療法(NRT)を働きかけていますか?"、"将来たばこ禁止との闘いにおいて役割を担うと感じていますか?"などの項目が含まれました。IPAは、集められたデータを2003年全国薬剤週間(National Pharmacy Week; NPW 2003)において展開中の運動の資料として用いました。NPW 2003の主題は'将来のたばこ禁止を促進するための薬剤師について'であり、資料は10000人の薬剤師や薬学部の科学者、65の地方や州、500の大学に配布されました。NPW 2003の間には、クイズが行われ、絵画(ランゴーリー; インドの伝統的装飾)が作られました;NRTの講座が行われました;州や地方レベルでは、ワークショップ/セミナーや静かな集会が行われました。一般の人は報道やテレビ、その他のメディアを通じて薬剤師の役割に敏感になりました。この点で、IPAは'たばこのない将来のための薬剤師に関するガイドライン'の準備と実行を行なうこととなりました。

情報源:Presentation on pharmacists for promoting a future free of tobacco in India by M.V. Silvia Prasad Reddy and Prafull D. Sheth, SEARPharm, New Delhi, India, 7 September 2004.
(http://www.fip.org/projectsfip/pharmacistsagainsttobacco/activities.htm)




歯科医師

1992年、日本人の健康をたばこの危険から守るため、又は医師と歯科医師間で協力してたばこ規制を進めるために、たば規制のための日本の医師−歯科医師の組織が設立されました。メンバーには、i)喫煙をせず、たばこの製造・販売・消費を奨励しない医師と歯科医師、ii)喫煙をせず、たばこの製造・販売・消費を奨励しない学生、が含まれています。

情報源:http://www.d2.dion.ne.jp/~nosmoke/english.htm




医師

オーストラリアにおいて、たばこは主要な予防できる死亡や疾病の原因です。従って、政府やその他を促して喫煙への曝露を減らすような効果的な戦略を導入させることは、オーストラリアがん協議会(Cancer Council Australia)の重要な目標といえます。このための努力の一つの貢献として、Cancer Council Australiaと国立心臓財団(National Heart Foundation)が1998年12月に戦略的なたばこ政策の研究に関する国民的合意のための会議を開き、そこで政策と研究の専門家がたばこ規制に関する10の分野について検討を行いました。続いて、専門委員会が提案された事項の戦略的重要性と実現性を決定し、優先事項のリストを作成しました。その結果がオーストラリアにおけるたばこ規制:優先順位適合型研究の検討課題です。

この文書は、この国において効果的なたばこ規制を支援するために必要な研究について要点を述べています。Cancer Council Australiaは、National Heart Foundation、Australian Medical Association、Action on Smoking and Healthと共に、開業医におけるたばこの事実についても明らかにしました。これはオーストラリアの主要な医療機関から開業医に向けた情報提示でした。Cancer Council Australiaはがんが原因となる障害や死亡を減らすための探求の一部として、たばこの消費を規制する国内および国際的な努力に貢献しています。Cancer Council Australiaは国際対がん連合(International Union Against Cancer)と国際反たばこNGO連合(International Non-Governmental Coalition Against Tobacco)のメンバーであり、WHO FCTCのような国際的な活動にも貢献しています。

情報源:http://www.cancer.org.au/Healthprofessionals/PositionStatements/smokingtobaccocontrol.htm




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看護師

歴史的に、アメリカ合衆国における看護師は他の医療従事者に比べ喫煙率が高い傾向にありました。医療従事者における最も大きな集団であるために、看護師は効果的に禁煙介入を実施し、Healthy People 2010で提案された喫煙の減少目標を進める際に、非常に大きな可能性を有していると考えられます。従って2004年1月、アメリカの看護大学連盟(American Association of Colleges of Nursing)とアメリカ看護基金/アメリカ看護連盟(American Nurses Foundation / American Nurses Association)と少数民族の看護連合(National Coalition of Ethnic Minority Nurses Association)は、ロバート・ウッド・ジョンソン基金に資金援助を受け、たばこのない看護師構想(Tobacco Free Nurses Initiative)を設立しました。Tobacco Free Nurses Initiativeは、喫煙している看護師の支援や喫煙の予防や禁煙を看護師に奨励する枠組みの作成に焦点を置いた、最初の全国的な主導機関といえます。

Tobacco Free Nurses Initiativeの任務は、看護師がたばこ規制における看護師自身の障壁、例えば教育不足、専門職内での喫煙、看護師の指導力の欠如など、を減らすことにより、健康管理を実際に進めていくつもりがあることを保証しています。看護師は、禁煙の助力をしたり、喫煙を予防したり、受動喫煙の曝露を減らす戦略を促進したりする素養を備えるべきです。

Tobacco Free Nurses Initiativeは、以下のことを通じて任務を果たしています;
1) 看護師や看護学校の学生の禁煙への努力をサポートする
2) 患者への看護において、たばこ規制の資源を提供する
3) 看護師に禁煙社会の指導者又は支持者としての教養を高めさせる

Tobacco Free Nurses Initiativeには以下のものが含まれます;
1) 看護師によるオーダーメイドのインターネットによる禁煙の介入
2) 教育と報道に関する資料
3) たばこ規制における看護師の役割を高めることを提唱するような看護指導者による初めての全国的首脳会議

このプログラムは個人的又は職業的に看護師が直面するそれ以外の重要な公衆衛生の問題に取り組む際に、モデルとして使用されたりします。

情報源:http://www.nursingworld.org/anf/tobacco/
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更新日:2007/05/01