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福田治彦 FUKUDA, Haruhiko
1987年神戸大学医学部卒業。兵庫県立柏原病院、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)中央病院、神戸大学医学部附属病院にて、計9年間消化器内科医/内視鏡医として臨床に従事。1995 年 より国立がんセンター中央病院内科医員、1996年よりJCOGデータセンターの実務管理に専任、1998年より国立がんセンター研究所臨床情報研究室長、1999年よりJCOG データセンター長。2006年より国立がんセンターがん対策情報センター多施設臨床試験診療支援部長、2017 年より国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門データ管理部長(現職)。専門は臨床試験方法論。

臨床研究現場のDX(デジタル技術を活用した業務変革)を推進し、
有望な萌芽的研究にも支援の幅を広げたい。

国立がん研究センター中央病院で、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)の臨床試験の支援を行う福田治彦医師。FUTUREプロジェクトを活用した研究現場のDX推進に期待している。

日本臨床腫瘍研究グループが手がける
数多くの臨床試験を支援する

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がん治療には、「3本柱」と言われる薬物療法、外科手術、放射線治療があります。多くのがんに対しては、薬物療法、外科手術、放射線治療の2つ以上を組み合わせる「集学的治療」が行われます。薬物療法の新薬開発は製薬会社主導で行われますが、それ以外の治療法の開発は研究者主導で行われます。こうした研究者主導のがんの治療開発のための多施設共同臨床試験を行っているのが、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)です。
JCOGには成人の固形がんを対象とする16の専門領域別のグループがあり、約190の医療機関の計約800の診療科が参加、常時100前後の臨床試験を実施しています。JCOGの中央支援機構としてJCOGデータセンターとJCOG運営事務局があり、国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門がそれらを担っています。
JCOGデータセンター/運営事務局は、JCOGの16の専門領域別グループが実施するがん治療開発の臨床試験の計画から開始準備、実施中、結果の公表に至るすべてのプロセスを支援しています。

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FUTUREプロジェクトを通してJCOGの
DX化を推進し支援を増強したい

JCOGは製薬企業が行わない治療開発の臨床試験を実施しており、試験の約3分の1が薬物療法、3分の1が集学的治療、4分の1が手術のみの試験です。特に手術手技を評価する臨床試験実績は世界で最も多く、低侵襲手術の有用性に関するエビデンス創出に貢献してきました。また、放射線治療や内視鏡的治療の臨床試験も幅広く実施しています。
しかし、さらなる治療開発や個別化治療の実装に向けた研究は、リソースも限られているためまだまだ充分にはできていません。JCOGのデータセンターおよび運営事務局は、国立がん研究センターとNPO法人がん臨床研究機構(CORE)の職員約50名で運営されていますが、さらなる人員増は困難な状況です。そこで、現場のDX化を推進することで、業務の効率化による支援キャパシティの増強が期待できると考えています。
AMED(⚹)等の公的研究費が獲得できなかった有望な萌芽的研究の支援に費用を支出できれば治療開発の推進につながるでしょう。特に公的研究費ではカバーされにくい用途におけるFUTUREプロジェクトの活用に期待しています。

⚹AMED: 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

【プロジェクト情報】

JCOG(Japan Clinical Oncology Group)

JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)は、日本全国の約200の医療機関が参加するオールジャパンの研究者主導多施設共同臨床試験プロジェクトです。常時100前後の臨床試験を実施し、これまでに400以上の論文が各種ジャーナルに公表されています。

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