10-1 非血縁者間の同種血液幹細胞移植法による悪性腫瘍の治癒率向上に関する研究
 
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10-1 非血縁者間の同種血液幹細胞移植法による悪性腫瘍の治癒率向上に関する研究

主任研究者 名古屋第一赤十字病院 小寺 良尚


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
小寺 良尚
名古屋第一赤十字病院 部長
HLA不適合非血縁者間骨髄移植並びに血液幹細胞移植におけるリンパ球系細胞の機能と役割に関する研究
森島 泰雄
愛知県がんセンター病院 部長
GVHDとGVLに関与する抗原に関する研究
塩原 信太郎
金沢大学附属病院 助教授
非血縁者間骨髄移植におけるドナーリンパ球輸注(DLT)のガイドライン策定に関する研究
谷本 光音
名古屋大学医学部 講師
GVLの作用機序に関する研究
坂巻 壽
東京都立駒込病院 医長
移植後合併症(GVHDを除く)の制御法のガイドライン策定に関する研究
平岡 諦
大阪府立成人病センター 部長
非血縁者間血液幹細胞移植における重症GVHDの制御法ガイドライン策定に関する研究
笠井 正晴
札幌北楡病院 副院長
同種末梢血幹細胞移植法の確立に関する研究
原田 実根
岡山大学医学部 教授
同種骨髄移植と同種末梢血幹細胞移植の比較に関する研究
加藤 俊一
東海大学医学部 助教授
非血縁者間における骨髄移植と臍帯血移植の比較に関する研究
小川 誠司
東京大学医学部 助手
HLA不適合非血縁者間骨髄移植並びに血液幹細胞移植におけるリンパ球系細胞の機能の応用に関する研究
田野崎 隆二
国立がんセンター中央病院 医員
血液幹細胞の ex vivo プロセッシングならびに凍結保存に関する研究
権藤 久司
九州大学医学部 助手
同種血液幹細胞移植の適応のガイドライン策定に関する研究
山田 博豊
国立名古屋病院 医長
高精度FISHを用いた同種血液幹細胞移植後のMRDおよびキメリズム解析:再発早期診断と治療効果の評価
井原 章裕
国立病院呉医療センター 医長
臍帯血幹細胞移植に関する研究
村山 徹
兵庫県立成人病センター 医長
慢性骨髄性白血病の骨髄移植後の微小残存病変検出におけるリアルタイムPCR法の有用性と他の方法の比較


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

非血縁者間骨髄移植(UBMT)におけるHLA-DNAレベル適合、不適合両群を対象としてFK506予防投与の有用性に関るエビデンスを得るため前方視的多施設共同研究を開始した。移植関連死を減じ安全な移植法確立のためミニトランスプラントを実施した。同種末梢血幹細胞ドナーの安全性を短期、中長期にわたって確認するための全国的フォロウアップシステムを日本造血細胞移植学会との共同作業で構築した。小児領域では非血縁者間臍帯血移植の成績がUBMTとほぼ等しいことを確認した。Donor Leukocyte Transfusionにおけるエフェクター細胞がT細胞分画に属するとの知見を得た。移植後合併症としての血栓性微小血管障害の概念を確立し、GVHDと鑑別診断することにより予後を改善し得るとの知見を得た。


平成10年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

急性白血病に対する日本骨髄バンクを介した非血縁者間骨髄移植(UBMT)治療成績が同胞間骨髄移植と同等であること、海外ドナーからの移植成績が国内ドナーからのそれと比べ遜色ないこと、UBMTの成績向上にHLA Class-I抗原のDNAレベルでの適合が重要であること、FK506の予防投与が有用であることを確認した。同種末梢血幹細胞移植の患者における成績が骨髄移植と等しく血液回復は骨髄移植より速やかであること、及びドナーの短、中、長期安全性を確認した。非血縁者間Donor Leukocyte Transfusionが移植後の致死的合併症であるB-lymphoproliferative disorder(BLPD)に対し実施され有用であるとの知見を得、UBMT例における適応規準を定めた。HLA-C座抗原、マイナー抗原HA-1の不適合が移植後再発率を下げること、凍結保存同種造血幹細胞が臨床応用可能であることを示した。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01