13-22 脂質によるがん制御に関する研究
 
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13-22 脂質によるがん制御に関する研究

主任研究者 国立感染症研究所 西島 正弘


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
西島 正弘
国立感染症研究所 部長
エキソソームの性状解析とがんワクチン製造への応用
井上 圭三
帝京大学薬学部 教授
リゾホスファチジン酸受容体のアゴニスト、アンタゴニスト活性を有する脂質分子の探索
新井 洋由
東京大学大学院薬学系研究科 教授
がん細胞の増殖・浸潤を支配するリゾホスファチジン酸の産生機構の解析
岡崎 俊朗
京都大学大学院医学研究科 講師
アポトーシス誘導脂質セラミド調節を介した抗がん剤耐性機構の解明とその克服
前濱 朝彦
東京都立臨床医学総合研究所 研究員
がん抑制遺伝子PTENの変異による組織特異的発がんメカニズムの解明
渡辺 雅彦
国立がんセンター研究所 室長
昆虫類に存在するがん細胞傷害性因子とそのレセプターに関する研究


平成13年度研究報告 研究成果の要旨

1)エキソソームのリン脂質はPG含量が極めて高いこと、そのPGは飽和脂肪酸のみの分子種からなること、コレステロール含量が高いことを示した。2)多彩な作用を持つ脂質性メディエーターのリゾホスファチジン酸 (LPA)の新規LPA 受容体 EDG7 を同定し、EDG7 が不飽和脂肪酸を持つ LPA にのみ反応するユニークな LPA 受容体であること、前立腺ガンのある段階では細胞増殖に関わることなどを見出した。血中LPA産生酵素と考えらるlysoPLDの精製、クローニング、性状解析を行った。3)薬剤耐性化した細胞ではセラミドの細胞内量が減少し、耐性化を克服するためにはセラミド量を増加させることが重要であることを示した。4)PTENはそのC-tail領域を介してPICT-1と結合して安定性を保ち、腫瘍組織に見られるC-tail領域の変異体はPICT-1との結合能を失わせることによって細胞内で速やかに分解され、その結果ガン抑制因子としての生理機能を損失することが示唆された。5)ピエリシン-1レセプターは、スフィンゴ糖脂質であることが示唆された。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成13年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01