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安藤弥生 ANDO,Yayoi
2011年岐阜大学医学部卒業。NTT東関東病院で研修後、2016年より国立がん研究センター中央病院内科レジデント、2019年より厚生労働省に出向。がん施策や医療分野の研究開発に医系技官として携わった後、2021年より国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門に所属。

患者申出療養(BELIEVE試験)を通じて、
がん患者さんの治療選択肢を増やしたい

国立がん研究センター中央病院の臨床研究支援部門で、がん領域の臨床研究の立案・支援に従事する安藤弥生医師。自らも携わるBELIEVE試験のほか、さまざまな研究におけるFutureプロジェクトの活用に期待を寄せる。

がん遺伝子パネル検査を受けた
患者さんに治療機会を。

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国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門に所属し、主にがん領域の医師主導治験の立案・実施支援を行っています。それ以外にも、患者申出療養や倫理指針下の研究など、治験以外の臨床研究の支援も行っています。
日本で臨床研究を実施する際には、法律や指針など遵守するべき様々な規制があります。臨床研究の種類によってその規制は多様で、それぞれの規制を正しく理解して研究を行う必要があります。
患者さんに還元でき、安全な研究を行うことが課題です。そのため、専門的な知識と経験を蓄えて正しい研究支援をしていきたいと考えています。
私の現在の業務の1つとして、BELIEVE試験の調整事務局をしています。BELIEVE試験は、がん遺伝子パネル検査を受けた後の患者さんが、その結果をもって適応外使用となる薬剤にアクセスできる患者申出療養として、2019年から始まりました。2025年1月時点で、すでに800名近い患者さんに登録いただき、適応外薬を用いて治療を受けています。日本の保険診療下で適応外薬を使うためには、患者申出療養等の枠組みで実施する必要があり、その基盤の一つとして私たちの試験があります。

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皆さんと一緒にがんの治療法を
開発していく「場」を創出したい

BELIEVE試験はすでにスタートから5年近く経過しています。日本の薬事規制が大きく変化するなか、がん患者さんがよりスムーズに治療薬にアクセスできる方法として、どのようなあり方が適切なのか、日々考えながら試験を運営しています。
国立がん研究センター中央病院では、BELIEVE試験のほか、MASTER KEYプロジェクト、ATLASプロジェクトなど、治験にとどまらないさまざまな臨床研究を行い、がん患者さんの治療法の開発を目指しています。FUTUREプロジェクトを通して、より多くの皆さまとつながり、がん患者さんの治療開発が進むことに大きな期待を寄せています。私たち医療関係者が主導するだけではなく、多くの皆さんと一緒にがん患者さんの治療法を開発していく――。
FUTUREプロジェクトはそのような場になれば理想的です。
「がん治療に役立ててほしい」という皆さまの支援の気持ちを真摯に受け止め、ご支援をうけてがん研究を推進することが、私たち医療現場の臨床研究支援の立場にいる者の使命です。がん治療の発展につながるようながん研究の推進に、よりいっそう努力してまいります。

【プロジェクト情報】

BELIEVE試験

がん遺伝子パネル検査で治療候補となり得る遺伝子異常が見つかったものの本邦で承認されている医薬品や治験等の選択肢がない患者さんに対して、適応外薬を使用し、その治療効果を評価する臨床研究プロジェクトです。複数の分子標的薬を対象に含め、がん種横断的に投与が可能とするバスケット型・アンブレラ型の患者申出療養です。

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私たちは、研究基盤の整備や、若手研究者の支援、患者・市民参画の強化を通じて、より良い医療を目指しています。お寄せいただいたご寄付は、これらの活動に大切に活用され、多くの患者さんの未来に繋がります。ご支援を心よりお待ちしております。

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