胃外科 << 国立がん研究センター中央病院

胃外科

1.胃外科について
2.初診外来のご案内
3.診療について
4.外科治療について
5.研究について

1.胃外科について

 胃外科長  (副院長 [医療安全担当]、 手術室長 併任) 
片井 均 (かたい ひとし)   片井 均 (かたい ひとし) 外来診療日:
  専門医・認定医資格など:
外科専門医、指導医
消化器外科専門医、指導医
消化器がん外科治療認定医
内視鏡外科学会技術認定医
消化器病専門医
消化器内視鏡専門医

 外来医長
診療科研究担当
深川 剛生 (ふかがわ たけお)   深川 剛生 (ふかがわ たけお) 外来診療日:月・水
  専門医・認定医資格など:
外科専門医、指導医
消化器外科専門医、指導医
消化器がん外科治療認定医


 病棟医長
森田 信司 (もりた しんじ)   森田 信司 (もりた しんじ) 外来診療日:月(午前)・木
  専門医・認定医資格など:
外科専門医、指導医
消化器外科専門医、指導医
内視鏡外科学会技術認定医
がん治療認定医
消化器がん外科治療認定医

 医員
大槻 将 (おおつき しょう)   大槻 将 (おおつき しょう) 外来診療日:月・金
  専門医・認定医資格など:
外科専門医




 医員
由良 昌大 (ゆら まさひろ)   由良 昌大 (ゆら まさひろ) 外来診療日:月(初診のみ)、金
  専門医・認定医資格など:
外科専門医


 がん専門修練医
佐藤 雄哉 (さとう ゆうや)   佐藤 雄哉 (さとう ゆうや)
  専門医・認定医資格など:
外科専門医
消化器外科専門医
がん治療認定医


 がん専門修練医
伊藤 麻衣子 (いとう まいこ)   伊藤 麻衣子 (いとう まいこ)
  専門医・認定医資格など:
外科専門医


 中央病院長
西田 俊朗 (にしだ としろう)    西田 俊朗 (にしだ としろう) 外来診療日:木(午後)
  専門医・認定医資格など:
外科専門医、指導医
消化器外科専門医、指導医
消化器病専門医、指導医
内視鏡外科技術認定医
がん治療認定医
胃は消化や吸収以外にもさまざまな働きをもっています。がんの根治と機能温存を両立したからだにやさしい診療にチームで取り組んでいます。これから一緒にやって行きましょう。みんなが支えています。

当胃外科では、固定されたスタッフで、年間約500例の胃がん外科治療を行っています。
2015年の手術件数は、胃腺がん447例、胃GIST18例、その他39例、計504件でした。食道と胃のつなぎ目にできる食道胃接合部がんも当科にて積極的に治療しております。

ご紹介いただいた患者さんは、初診から、入院、手術、術後の外来フォローまで、スタッフ外科医が責任をもって治療いたします。 内視鏡医、抗がん剤治療を行う内科医と連携したチーム医療を行っておりますので、手術の適応でない胃がん患者さんについても、当胃外科を窓口としてご紹介ください。

私たちは「治す」、「機能温存」、「小さな傷」の優先度で治療しています。

「治す」

・標準治療で高い生存率・低い手術関連死亡率
標準治療を胃がん治療のエキスパートが、適正に行うことにより高い生存率が得られています。当院で治療を受けた多くの患者さんが治っています。
胃がんでは、治療によりがんが消失してから5年後までに再発がない場合を「治癒」とみなします。5年経過後に生きている患者さんの割合(5年全生存率)は「治癒」の指標としてよく用いられます。胃がん以外の原因で亡くなられた患者さんが多いと全生存率は低くなってしまいますので、5年経過後に胃がんで亡くなっていない患者さんの割合(5年疾患特異的生存率)も「治癒」のよい指標になります。I期であれば100%近く、がんが進行したIIIA、IIIBでも60%前後の患者さんが治っています。
過去5年間に約2,000人の患者さんの手術を行いましたが、手術に関連して亡くなられた患者さんは、1人もいませんでした。
安全な手術を提供することも私たちのモットーです。

表1. 病期別の5年生存率(2000年から2007年手術患者)
全生存率はがん以外で亡くなる患者さんもカウントされますので疾患特異的死亡率よりも低くなります。
病期(Stage) IA IB IIA IIB IIIA IIIB IIIC IV 全例
手術患者数(人) 1,920 396 348 316 242 214 195 644 4,275
全生存率(%) 94.8 92.6 84.8 78.6 64.0 57.7 38.6 11.9 74.2
疾患特異的生存率(%) 99.4 97.4 92.7 85.0 68.9 62.3 41.9 12.4 78.6

・治らなかった胃がんも治るように
図1. 抗がん剤治療を手術前に行い小さくなったがん
上は内視鏡で見た胃がん、下は患者さんの体の断面を示すCT写真。
左は抗がん剤治療前、右は抗がん剤治療後
図1. 抗がん剤治療を手術前に行い小さくなったがん

CT写真で、 黄色の点線で囲まれたように、胃から遠く離れた大動脈リンパ節に転移や、膵臓の周囲に大きなリンパ節転移があると、標準手術でがんがとり切れても5年生存率は5%から10%しかありませんでした。
抗がん剤治療を手術前に行うと、多くの患者さんで胃の中のがんが小さくなり、転移したリンパ節も小さくなります。それにより、5年生存率は70%と大幅に高まりました。私たちは最新治療で、常に生存率の向上を目指しています。

「機能温存」

早期胃がんの患者さんには治癒を前提として、胃の機能温存に力を注いでいます。

・胃全摘を回避
胃の上部のがんには、胃の上部のみを切除し、小腸を食道と胃の間に移植する 噴門側胃切除を積極的に導入しています。噴門側胃切除後に発生しやすい逆流の頻度が少ない手術です。

図2 噴門側胃切除の模式図
図2 噴門側胃切除の模式図

・幽門保存
胃の出口の幽門は胃での消化にたいせつな働きをしています。がんが幽門から離れているときは幽門保存胃切除を行っています。幽門の働きを司る神経も温存します。

図3 幽門保存胃切除の模式図
図3 幽門保存胃切除の模式図

「小さな傷」

・腹腔鏡下手術
早期胃がんの患者さんには、ガイドラインでも治療の選択枝とされている腹腔鏡下幽門側胃切除や幽門保存胃切除を積極的に行っています。腹腔鏡下手術は、開腹手術よりも創が小さく、手術後の回復が早いこと、また開腹手術と同じくらいの効果があることを期待しています。腹腔鏡下胃全摘、噴門側胃切除については標準治療ではありませんが、手術のメリットとデメリットを患者さんに十分説明し、希望があれば行っています。

図4 腹腔鏡下胃切除の模式図
二酸化炭素でお腹を膨らませ、内視鏡をお腹の中に挿入しテレビの画面を見ながら手術を進めます。
図4 腹腔鏡下胃切除の模式図

2.初診外来のご案内

治療・検査待ち期間一覧はこちら

電話による初診外来予約
当院では、原則として電話による予約をお願いしております。予約外来では、ゆっくりと時間をかけた診察と丁寧な説明を行っております。

予約のお電話は、紹介元の先生でも患者さんご本人でも結構です。紹介状をご用意いただき、国立がん研究センター中央病院の初診受付 03-3547-5130へお電話ください(受付時間10:00-16:00、土、日、祝日、年末年始を除く)。現在、どの医師の初診外来でも、翌診療日には予約をとることができます。

“予約なし”の場合でも、診療いたします。
予約診療をお勧めしますが、お急ぎの場合は、予約なしでも初診外来を受診していただけますので、ご安心ください。胃外科外来は、月曜日から金曜日まで、毎日開いております。患者さんは、紹介状をお持ちになり、直接、当院の初診受付にお越しください。
なお、予約診療が優先になりますので長時間お待たせすることがございます。その節はご容赦ください。

3.診療について

胃がんは、病気の進み具合により治療法や治癒率が大きく変わります。正確な診断に基づいて治療方針を決定するために、当院では内視鏡医、外科医、内科医が常に外来におり、相談をしながら診療を行っています。また、胃がん病棟を共有して緊密に連携していますので、手術と抗がん剤治療の両方が必要な患者さんも、病棟を移動することなく、外科主治医と内科主治医のもとで安心して滞りなく治療を受けられます。

4.外科治療について

経験豊富なスタッフ外科医が、年間500例の胃がん手術を行いながら、極めて安全な外科治療を行っています。

胃外科 がん種内訳(患者数)
がん種 2012 2013 2014 2015 2016
胃腺がん 413 443 400 447 427
胃GIST 11 12 10 18 20
胃悪性リンパ腫 0 0 0 0 0
その他 57 20 27 39 29
481 475 437 504 476

胃外科 手術死亡率
2012年〜2016年 胃切除リスク2007例)
手術関連死亡率 0
手術後在院死亡率 0.05

当胃外科では、進行胃がんに対する拡大手術から、早期胃がんに対する機能温存手術や低侵襲手術まで、根治性と術後QOLのバランスを考慮したテーラーメイドな外科治療を、エビデンスに基づいて提供しています。

 早期胃がん
     機能温存手術(幽門保存胃切除、噴門側胃切除)
低侵襲手術(腹腔鏡下胃切除)
 進行胃がん
  定型的D2胃切除、胃全摘、膵頭十二指腸切除
術前化学療法+手術治療、手術+術後補助化学療法
傍大動脈リンパ節郭清   

胃外科 術式内訳(患者数)
手術方法 2012 2013 2014 2015 2016
幽門側胃切除 146 167 111 127 101
胃全摘 90 82 93 91 101
幽門保存幽門側胃切除 48 46 32 32 27
噴門側胃切除 19 18 24 28 28
楔状切除 10 15 10 21 20
膵頭十二指腸切除 1 1 0 2 0
腹腔鏡下幽門側胃切除
(含む幽門保存手術)
37
(22)
28
(14)
51
(26)
76
(39)
78
(34)
腹腔鏡下胃全摘 1 0 1 4 2
腹腔鏡下胃楔状切除 0 0 0 0 1
その他 129 118 115 123 118
481 475 437 504 476


胃外科手術成績 手術患者の5年全生存率(他病死含む)および疾患特異的生存率
ステージ 患者数 5年生存率(%) 5年 疾患特異的生存率(%)
IA 1920 94.8 99.4
IB 396 92.6 97.4
IIA 348 84.8 92.0
IIB 316 78.6 85.0
IIIA 242 64.0 68.9
IIIB 214 57.7 62.3
IIIC 195 38.6 41.9
IV 644 11.9 12.4
全例 4275 74.2 78.6
ステージは胃癌取扱い規約13版
2000年から2007年で非治癒切除も含む

5.研究について

がん患者さんに新たな治療法を提供するために、臨床試験を中心とした多くの研究を積極的に行っています。現在、大きな胃がんやスキルス胃がんに対する術前補助化学療法の有用性、リンパ節転移が著しい胃がんに対する術前補助化学療法の有用性、腹腔鏡手術の有用性の確認などに関する臨床試験を行っています。また、胃がん発症に関連のある遺伝子検索などの基礎研究も、研究所と協力して行っています。