肝胆膵腫瘍科
肝胆膵外科
1.肝胆膵外科について
2.診療について
3.研究について
当科は本邦における肝胆膵外科のパイオニアであり、肝臓がん、胆嚢がん、胆管がん、膵がんなどの外科治療を中心に行っています。肝胆膵がんの外科治療において全国的に普及している技術の中には当科あるいは当科の関係者が開発に深くかかわったものが少なくありません。特に、肝切除の手術技術については世界をリードしてきました。また、膵がんについても本邦有数の症例数を取り扱っています。肝胆膵の手術は難度の高いものが少なくありませんが、高い技術力と豊富な経験をもとに、患者さんの状態に応じたバランスのとれた治療を行うよう心がけています。
肝胆膵内科や診断部門とも密接に連携し、治療方針を確認すると共にそれぞれの専門家が治療を行うようにしています。外科・内科のどちらを初診された患者さんでも、診断の結果によって適切な診療科が担当いたしますので、治療内容が異なってしまうことはありません。
当科では、高難度手術を安全に行えるよう万全の準備を整えて手術を行うようにしています。手術や術前処置の時期は、病状に応じて適宜調整するようにしていますので、個々の患者さんにとって必要な治療が順番待ちのために適切な時期に受けられないというようなことはありません。
治療法については、正しい治療を提供するために、治療効果の検証を重視しています。各疾患の診療ガイドラインや当科で行ってきた臨床研究の成果に基づいた診療方針をとっています。また、新しい治療の効果を検証するための臨床研究を積極的に行っています。代表的ながんについてのおおまかな治療方針は以下の通りです。
肝細胞癌
肝細胞癌の多くは慢性肝炎や肝硬変を合併していますので、安全な治療を行うためには腫瘍の状態と肝機能を考慮する必要があります。手術だけではなく、ラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓術などの治療成績も考慮します。腫瘍の場所についてはどのような場所でも技術的には切除可能ですが、患者さんの状態によって適切な治療法を選択するようにしています。
胆嚢がん、胆管がん
規模の大きな手術を必要とすることが多いため、黄疸に対する治療や門脈塞栓術など当科で開発した安全対策を駆使して手術を行います。
膵がん
化学療法や放射線療法の治療成績が向上したことを考慮して、手術の悪影響が少なくなるようバランスのとれた手術を行います。
低侵襲手術
腹腔鏡を使って小さな傷で行う低侵襲手術は肝胆膵がんの治療においては安全性や治療効果の問題が十分には解決されていませんので、臨床研究として慎重に行っています。
補助療法
肝胆膵領域では効果が確認された補助療法が少ないので、新しい治療法の効果を確認するための臨床試験を積極的に行って治療成績の向上を目指しています。
肝胆膵外科の診療は5名のスタッフ医師と1名のがん専門修練医、3-4名のレジデント医師がチームを組んで行っています。外来診療は5名のスタッフ医師が一日ずつ担当し、残りの医師が協力して手術を行っています。大学附属病院や一般市中病院とは違い、当院のレジデントは初期研修医ではなく、すでに一般外科医としての研修を終えた段階の医師です。そのため、比較的少ない人数で多数の高難度手術を行うことができています。
診療科の連携による高い総合力
肝胆膵領域のがんに対する治療では、外科治療ばかりでなく内科的な治療や放射線治療、超音波やCT、内視鏡などを使った治療を組み合わせて行う場合が少なくありません。当院では、それぞれの専門家が密接に連絡をとりあって治療を行うようにしており、術後の補助化学療法も化学療法の専門医が行うようにしています。また、集中治療科、緩和医療科、精神科、総合診療科などがん治療を支援する診療科も充実しています。

肝胆膵外科切除症例数(疾患別:2010年)
肝胆膵外科手術症例数(術式別:2010年)
浸潤性膵管がん(2000−2008年)
2.診療について
3.研究について
1.肝胆膵外科について
| 医師名(ふりがな) | 役職・専門分野 | 専門医・認定医資格 | メッセージ |
| 小菅 智男 (こすげ ともお) ![]() |
副院長 (診療担当) 肝胆膵腫瘍科 科長 肝胆膵外科 超音波診断 |
日本外科学会指導医・専門医 日本消化器外科学会指導医・専門医 消化器がん外科治療認定医 日本肝胆膵外科学会高度技能指導医 日本超音波医学会指導医・専門医 |
|
| 島田 和明 (しまだ かずあき) ![]() |
外来医長 肝胆膵外科 |
日本外科学会指導医・専門医 日本消化器外科指導医・専門医 消化器がん外科治療認定医 日本肝胆膵外科学会高度技能指導医 |
|
| 江崎 稔 (えさき みのる) ![]() |
病棟医長 肝胆膵外科 |
日本外科学会指導医・専門医 日本消化器外科学会指導医・専門医 消化器がん外科治療認定医 日本肝胆膵外科学会高度技能指導医 日本消化器病学会専門医 |
|
| 奈良 聡 (なら さとし) ![]() |
医員 肝胆膵外科 |
日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医 消化器がん外科治療認定医 |
|
| 岸 庸二 (きし ようじ) ![]() |
医員 肝胆膵外科 |
日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医 がん治療認定医 |
|
| 大黒 聖二 (おおぐろ せいじ) ![]() |
がん専門修練医 肝胆膵外科 |
日本外科学会専門医 | |
| 堀 周太郎 (ほり しゅうたろう) ![]() |
がん専門修練医 肝胆膵外科 |
当科は本邦における肝胆膵外科のパイオニアであり、肝臓がん、胆嚢がん、胆管がん、膵がんなどの外科治療を中心に行っています。肝胆膵がんの外科治療において全国的に普及している技術の中には当科あるいは当科の関係者が開発に深くかかわったものが少なくありません。特に、肝切除の手術技術については世界をリードしてきました。また、膵がんについても本邦有数の症例数を取り扱っています。肝胆膵の手術は難度の高いものが少なくありませんが、高い技術力と豊富な経験をもとに、患者さんの状態に応じたバランスのとれた治療を行うよう心がけています。
肝胆膵内科や診断部門とも密接に連携し、治療方針を確認すると共にそれぞれの専門家が治療を行うようにしています。外科・内科のどちらを初診された患者さんでも、診断の結果によって適切な診療科が担当いたしますので、治療内容が異なってしまうことはありません。
当科では、高難度手術を安全に行えるよう万全の準備を整えて手術を行うようにしています。手術や術前処置の時期は、病状に応じて適宜調整するようにしていますので、個々の患者さんにとって必要な治療が順番待ちのために適切な時期に受けられないというようなことはありません。
2.診療について
1) 診療の方針
肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、十二指腸に発生した腫瘍の診療を行っています。がんはもちろんですが、がん以外の腫瘍や腫瘍かどうかの診断が難しいものについても対応しています。治療法については、正しい治療を提供するために、治療効果の検証を重視しています。各疾患の診療ガイドラインや当科で行ってきた臨床研究の成果に基づいた診療方針をとっています。また、新しい治療の効果を検証するための臨床研究を積極的に行っています。代表的ながんについてのおおまかな治療方針は以下の通りです。
肝細胞癌
肝細胞癌の多くは慢性肝炎や肝硬変を合併していますので、安全な治療を行うためには腫瘍の状態と肝機能を考慮する必要があります。手術だけではなく、ラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓術などの治療成績も考慮します。腫瘍の場所についてはどのような場所でも技術的には切除可能ですが、患者さんの状態によって適切な治療法を選択するようにしています。
胆嚢がん、胆管がん
規模の大きな手術を必要とすることが多いため、黄疸に対する治療や門脈塞栓術など当科で開発した安全対策を駆使して手術を行います。
膵がん
化学療法や放射線療法の治療成績が向上したことを考慮して、手術の悪影響が少なくなるようバランスのとれた手術を行います。
低侵襲手術
腹腔鏡を使って小さな傷で行う低侵襲手術は肝胆膵がんの治療においては安全性や治療効果の問題が十分には解決されていませんので、臨床研究として慎重に行っています。
補助療法
肝胆膵領域では効果が確認された補助療法が少ないので、新しい治療法の効果を確認するための臨床試験を積極的に行って治療成績の向上を目指しています。
2) 診療体制
当院では、難治といわれ、診療の過程でさまざまな問題を生じることの多い肝胆膵のがんに対して、総合力で対応する体制が整っています。肝胆膵外科の診療は5名のスタッフ医師と1名のがん専門修練医、3-4名のレジデント医師がチームを組んで行っています。外来診療は5名のスタッフ医師が一日ずつ担当し、残りの医師が協力して手術を行っています。大学附属病院や一般市中病院とは違い、当院のレジデントは初期研修医ではなく、すでに一般外科医としての研修を終えた段階の医師です。そのため、比較的少ない人数で多数の高難度手術を行うことができています。
診療科の連携による高い総合力
肝胆膵領域のがんに対する治療では、外科治療ばかりでなく内科的な治療や放射線治療、超音波やCT、内視鏡などを使った治療を組み合わせて行う場合が少なくありません。当院では、それぞれの専門家が密接に連絡をとりあって治療を行うようにしており、術後の補助化学療法も化学療法の専門医が行うようにしています。また、集中治療科、緩和医療科、精神科、総合診療科などがん治療を支援する診療科も充実しています。

3) 診療実績
2010年は310例の入院症例を取り扱い、278例の切除手術を行いました。各癌種の切除数はいずれも国内トップクラスです。肝胆膵外科切除症例数(疾患別:2010年)
| 原発性肝がん | 64 | 肝細胞癌 | 50 |
| 胆管細胞癌 | 14 | ||
| 転移性肝がん | 60 | 転移性肝がん | 60 |
| 胆道癌 | 37 | 肝外胆管がん | 22 |
| 胆のう癌 | 15 | ||
| 膵がんおよび 膵頭部領域腫瘍 |
98 | 膵がん | 61 |
| 膵がん以外の膵腫瘍 | 28 | ||
| 十二指腸(乳頭部)癌 | 9 | ||
| その他 | 19 | その他 | 19 |
| 総切除数 | 278 |
肝胆膵外科手術症例数(術式別:2010年)
| 肝切除 | 148 | 肝切除 | 118 |
| 胆道再建を伴う肝切除 | 22 | ||
| 肝部分切除を伴う胆嚢切除術 | 8 | ||
| 肝膵同時切除 | 1 | 肝右葉切除+膵頭十二指腸切除 | 1 |
| 膵切除 | 119 | 膵頭十二指腸切除 | 76 |
| 尾側膵切除 | 30 | ||
| 膵中央切除 | 4 | ||
| 膵全摘 | 9 | ||
| 切除以外の手術 | 13 | 切除以外の手術 | 13 |
| 総手術数 | 281 |
4) 治療成績
肝細胞がん(2000−2008年)| 進行期 | 症例数 | 3年生存率 (%) | 5年生存率 (%) |
| I | 33 | 87 | 75 |
| II | 144 | 89 | 81 |
| III | 195 | 67 | 54 |
| IV | 72 | 61 | 44 |
| 合計 | 444 | 73 | 59 |
浸潤性膵管がん(2000−2008年)
| 進行期 | 症例数 | 3年生存率 (%) | 5年生存率 (%) |
| I | 9 | 62 | 62 |
| II | 8 | 71 | 71 |
| III | 109 | 51 | 40 |
| IVa | 172 | 33 | 17 |
| IVb | 73 | 25 | 18 |
| 合計 | 371 | 38 | 26 |






