病理科 << 国立がん研究センター中央病院

病理科

1.病理科について
2.診療について
3.研究について
4.研修プログラムについて
5.病理紹介動画

1.病理科について

病理・臨床検査科は病理診断(病理科)と臨床検査(臨床検査科)を担当する部署です。当科では臨床検査室の品質管理と技術能力に関するISO15189認定を取得しており、国際規格であるISO15189により保証される管理および品質マネジメントシステムのもと、医師と臨床検査技師との共同作業により業務を実施しています。

 病理・臨床検査科長 (研究所 併任)
診療科研究担当
平岡 伸介 (ひらおか のぶよし)   平岡 伸介 (ひらおか のぶよし)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
病理専門医研修指導医
病理・臨床検査科を適切に運営しています。膵・胆道系腫瘍病理を専門としています。
 医長 (研究所 併任)
関根 茂樹 (せきね しげき)   関根 茂樹 (せきね しげき)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
病理専門医研修指導医
消化管腫瘍担当

 医長
元井 紀子 (もとい のりこ)   元井 紀子 (もとい のりこ)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
病理専門医研修指導医
日本臨床細胞学会 専門医
呼吸器・皮膚腫瘍を担当します。
 医員
伊藤 礼子 (いとう れいこ)   前島 亜希子 (まえしま あきこ)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
病理専門医研修指導医
日本臨床細胞学会 専門医
血液・泌尿器・乳腺・細胞診を担当しています。

 医員 (研究所 併任)
冲中 敬二 (おきなか けいじ)   森 泰昌 (もり たいすけ)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 口腔病理専門医
口腔病理専門医研修指導医
日本臨床細胞学会 専門医
頭頸部腫瘍・眼腫瘍・皮膚腫瘍担当。

 医員
伊藤 礼子 (いとう れいこ)   渡邊 麗子 (わたなべ れいこ)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
病理専門医研修指導医
日本臨床細胞学会 専門医
婦人科、泌尿器領域および細胞診を担当しています。

 医員
谷口 浩和 (たにぐち ひろかず)   谷口 浩和 (たにぐち ひろかず)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
病理専門医研修指導医
臨床検査管理医
消化管・血液病理を担当しています。

 医員
吉田 正行 (よしだ まさゆき)   吉田 正行 (よしだ まさゆき)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
日本臨床細胞学会 専門医

乳腺・細胞診を担当しています。

 医員 (希少がんセンター 併任)
吉田 朗彦 (よしだ あきひこ)   吉田 朗彦 (よしだ あきひこ)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
病理専門医研修指導医
骨軟部腫瘍、肺腫瘍、脳腫瘍担当です。

 医員
吉田 裕 (よしだ ひろし)   吉田 裕 (よしだ ひろし)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
日本臨床細胞学会 専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
臨床検査管理医
消化管・婦人科を担当しています。実地臨床・治療開発に病理医として貢献したいと思います。
 医員
里見 介史 (さとみ かいし)   里見 介史 (さとみ かいし)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
日本臨床細胞学会 専門医
脳腫瘍、乳腺腫瘍を担当しています。コンサルテーション推進室業務を担当しています。
 医員
助田 葵 (すけだ あおい)   助田 葵 (すけだ あおい)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医

主に肝・胆道・膵領域および呼吸器領域の病理診断を担当しています。

 医員
橋本 大輝 (はしもと たいき)   橋本 大輝 (はしもと たいき)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医
日本臨床細胞学会 専門医
勉強と研究に励み、成果を患者さんに還元できるように努めます。

 チーフレジデント
吉田 研一 (よしだけんいち)   吉田 研一 (よしだ けんいち)
  専門医・認定医資格など:
日本病理学会 専門医

国立がん研究センターの医療に貢献できるよう努力したいと思います。
 レジデント
杉山 迪子 (すぎやま みちこ)   杉山 迪子 (すぎやま みちこ)
  専門医・認定医資格など:
日本外科学会 外科専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
マンモグラフィ精度管理中央委員会認定読影医
臨床経験を活かし、病理診断を通してがん医療に貢献できるよう努めます。
 レジデント
西村 優基 (にしむら ゆうき)   西村 優基 (にしむら ゆうき)
  専門医・認定医資格など:


日々がん医療に携わる中で、病理診断の研鑽を積んでいきたいと思います。
 レジデント
田中 大貴 (たなか ひろき)   田中 大貴 (たなか ひろき)
  専門医・認定医資格など:


がん医療に貢献できるようがんばります。
 短期レジデント
牧瀬 尚大 (まきせ なおひろ)   牧瀬 尚大 (まきせ なおひろ)
  専門医・認定医資格など:


勉学に励み、正確な病理診断をしてがん医療に貢献できるよう努めます。

病理科は、臨床各科から提出される組織検体の病理学的診断、細胞検体の細胞学的診断を実施しています。これには以下の診断が含まれます。(1)手術により切除された組織にどのような種類の腫瘍がどのように広がっているのか、(2)内視鏡検査や体の外から細い針を刺す等で病変組織の一部を採取した(生検)検体内に、腫瘍が存在しているか、存在していればどのような腫瘍であるのか、(3)体から剥れ落ちた細胞や吸引された細胞の中に腫瘍細胞が含まれているか、含まれていればどのような腫瘍であるのか。また病理解剖も行っています。

病理診断は病変の最終診断になりますので、その後の治療方針決定や治療効果判定にとって重要な役割を持ちます。患者さんには顔が見えませんが、診療になくてはならない存在です。

臨床各科の提出する全身の臓器病変に適切に対応するため、また病理診断の知識・技術は日進月歩であり、その最新の知識と技術を導入し、さらにより優れた新たな診断法の開発を目指すことを可能にするため、当科スタッフの臓器毎の専門性を高くしています。その専門性を活かして、臓器ごとにがんの種類を定めた最新のがん取扱い規約やWHO分類作成に参加しており、また国内のさまざまな病院から病理診断意見相談を受けています。国立がん研究センターでは病理相談外来(セカンドオピニオン)も実施しています。

2.診療について

病理科室内の様子

病理・臨床検査科のうち病理科では11名のスタッフが病理診断業務に従事しています。さらに3名のレジデントが所属し、各臨床科から多くのレジデントを一定期間受け入れています。11名のスタッフのうち10名が病理学会専門医で、1名が口腔病理専門医です。また6名が細胞診専門医で、臨床検査技師のうち12名が細胞検査士です。

当科の主な業務は、病理医と臨床検査技師との共同作業による組織診断、細胞診断、病理解剖です。これらの業務を通じて臨床医へ精度の高い診断情報を提供し ています。2015年度は生検・手術検体23,720件、細胞診12,026件、剖検31件でした。病理診断では詳細な臨床情報に基づいた肉眼的観察と通常のヘマトキシリン-エオジン染色標本の検鏡が最も重要ですが、免疫組織化学や特殊染色による検索も積極的に行い、組織や細胞診標本を用いた遺伝子検索も 診断に活用しています。近年、病変組織における遺伝子異常や分子発現の検索は病変診断のみならず、分子標的治療等の適応決定にも重要な因子としてガイドラ イン化されるなど、診療における重要性がさらに増しています。病理解剖件数はここ数年横ばいの傾向にありますが、剖検による死因、病態ならびに治療効果の評価は今後の診療レベル向上に不可欠なものであることから、重要な業務として取り組んでいます。

部内カンファレンス、臨床各科との合同カンファレンスやCPCが頻繁に開催されています。学会発表や研究論文執筆も奨励しており、病理診断学の向上を目指す研究、基礎研究や治療方針決定に役立てる研究などを臨床各部門、研究所、外部施設と共同で展開しています。治験、受託研究、バイオバンクなどへの協力も行い、病理診断コンサルテーション推進室の業務も担っています。

以上の活動を通し、臨床各科との協力の上、患者さんが最良の医療を享受できるように心掛けています。 また、病理医を志す若い先生方やある特定の分野の腫瘍病理学を集中的に勉強したい先生方の研修を歓迎しています。是非お訪ねください。

病理診断の様子


表1 病理科で行われた診断件数(延べ患者数)
受診診療科 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
 脳脊髄腫瘍科 230 249 228 290 294
 頭頸部腫瘍科 635 744 941 1,154 1,308
 乳腺外科 2384 2503 2,568 3,086 3,560
 呼吸器外科 2063 2103 2,201 2,563 2,581
 消化管外科 8105 8376 8,447 8,942 9,023
 肝胆膵外科 670 664 750 805 857
 泌尿器・後腹膜腫瘍科 894 830 785 858 847
 婦人腫瘍科 1267 1241 1,294 1,397 1,649
 骨軟部腫瘍科 518 516 555 697 777
 皮膚腫瘍科 596 564 639 531 602
 血液腫瘍科、造血幹細胞移植科 1032 1442 1,422 1,639 1,664
 放射線診断科、放射線治療科 109 254 152 220 249
 その他 843 354 342 305 357
 検診センター 488 365 570 1,233 1,243
総計 19834 20205 20,894 23,720 25,011

表2 病理科で行われた細胞診断件数(延べ患者数)

受診診療科 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
 脳脊髄腫瘍科 29 56 43 48 37
 頭頸部腫瘍科 177 208 274 258 275
 乳腺外科 435 458 500 588 697
 呼吸器外科 1863 1876 2,961 2,248 2,404
 消化管外科 733 779 732 839 714
 肝胆膵外科 426 445 544 638 576
 泌尿器・後腹膜腫瘍科 2988 2973 2,968 2,795 2,707
 婦人腫瘍科 4034 3949 3,886 3,886 4,484
 骨軟部腫瘍科 20 36 25 24 22
 皮膚腫瘍科 21 14 26 28 25
 血液腫瘍科、造血幹細胞移植科 116 290 356 366 393
 放射線診断科、放射線治療科 188 212 145 189 224
 その他 305 73 196 117 160
 検診センター 812 820 0 2 4
総計 12147 12189 12,656 12,026 12,722

表3 病理科で行われた病理解剖(剖検)件数
受診診療科 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
 脳脊髄腫瘍科 3 1   2 3
 頭頸部腫瘍科          
 乳腺外科 5 5   5 4
 呼吸器外科 10 4 7 12 6
 消化管外科 3 7 3 3 3
 肝胆膵外科 2   2 3 2
 泌尿器・後腹膜腫瘍科 1       1
 婦人腫瘍科          
 骨軟部腫瘍科       2 1
 皮膚腫瘍科 1   2    
 血液腫瘍科、造血幹細胞移植科 7 10 6 3 7
 放射線診断科、放射線治療科 2     1 1
 その他          
 検診センター          
総計 34 30 20 31 28

3.研究について

病理科では診断に直結する外科病理学的研究も積極的に行っており、研究所、臨床各科および他施設との研究協力も積極的に行われています。2016年における研究活動を以下に要約します。

1)肝胆膵腫瘍部門
がん組織に誘導される3次リンパ装置とがん免疫微小環境、がん浸潤、がん組織構築との関係や臨床病理学的意義について報告しました。十二指腸乳頭部に発生した原始腸管型腺がんについて報告しました。

2)消化管腫瘍部門
大腸ポリープの解析を通じ、PTPRK-RSPO3融合遺伝子およびRNF43変異を鋸歯状腺腫に特徴的な遺伝子変異として同定しました。リンチ症候群に伴う大腸腺腫において、年齢とミスマッチ修復異常の相関を明らかにしました。

3)血液腫瘍部門
MALTリンパ腫がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に転化した症例の臨床病理学的検討を行い報告しました。抗CD30抗体療法抵抗性のホジキンリンパ腫の症例報告をしました。血液腫瘍科との共同研究として、種々のリンパ腫において、BCL2・cMYCの共発現、HLA class I, IIの発現の検討を行いました。

4)肺・縦隔・胸膜腫瘍部門
特発性肺線維症に合併する肺腺癌に関する臨床病理学的、遺伝子変異の特徴について報告しましました。 肺腺癌浸潤に関して予後と関連する因子(浸潤要素、経気腔進展STAS、腫瘍径の大きな置換型腺癌における浸潤径)の研究を行いました。肺腺癌に出現するgiant lamellar bodyについて報告しました。共同研究として肺癌、胸腺腫瘍におけるPD-L1の免疫組織化学的発現を検索しました。

5)骨軟部腫瘍の病理
滑膜肉腫におけるSMARCB1免疫染色性の減弱現象が、正確で迅速な診断に有用であることを確認しました。CIC遺伝子再構成を有する円形細胞肉腫20例を臨床病理学的・免疫組織化学的に解析し、この腫瘍がEWSR1遺伝子再構成を有するEwing肉腫とは全く異なる独立した腫瘍単位であることを証明しました。通念とは異なり、粘液型脂肪肉腫が稀には後腹膜に原発しうることを5例のシリーズから明らかにしました。線維形成性線維芽細胞腫の診断においてFOSL1免疫染色が有用であることを報告しました。

6)乳腺
乳癌の原発巣と再発巣におけるホルモン受容体発現とHER2発現・増幅が変化することを示すとともに、再発症例における予後予測に寄与することを明らかにしました。また乳房温存手術を受けた非浸潤性乳管癌症例における乳癌再発に関与する危険因子について報告しました。

7)婦人科腫瘍部門
子宮体部癌肉腫の国際共同研究に参画し、組織学的パターンが予後や化学療法への反応性に関連することを報告しました。 子宮体部癌肉腫のHER2発現について報告しました。腹膜癌の稀な転移形式について報告しました。

8)頭頸部・眼腫瘍部門
上顎部悪性腫瘍における眼球温存手術とそのリスクについて27例を臨床病理学的に検討しました。その結果、顕微鏡的な骨膜侵襲が再発のリスクであることを明らかとしました。舌骨に発生した軟骨肉腫について報告しました。

4.研修プログラムについて

国立がん研究センター中央病院病理科では、病理研修を希望される先生のニーズに応えられるよう、複数の研修プログラムを設けています。病理研修を始められる方、腫瘍病理学全般の知識の研鑽を希望される方、専門臓器分野を集中して研鑽あるいは研究したい方など、多様な要望にお応えしています。

病理研修プログラム

1)新専門医研修プログラム

平成29年度から日本病理学会主導で実施される新専門医研修制度に基づき、当科を基幹施設とする病理専門研修プログラムを設けました。同プログラムでは、病理診断を専門とし、病理専門医の使命を果たせる病理医の育成を第一義と考えています。その実現に必要な、専門的な知識・技術を有する指導医と多彩・豊富な経験症例、評価指導環境を整備しています。また病理診断の背景にある疾患病態の性格やその形成メカニズムの理解を通じて、病気の原因・本態・経路とその結果を探求していく病理学の専門家としての姿勢を学べるように考えています。本プログラムを履修することにより、一般病理からがん専門病理まで無理なく研修可能です。

病理専門研修プログラム

詳細は下記プログラムをご覧ください。
国立がん研究センター中央病院病理科 新専門医研修プログラム

2)外科病理レジデントコース

当院では、従来より外科病理レジデントコースを設け、様々な出身大学のレジデントが研修を行ってきました。現在既に病理研修を開始している方や、他分野からの転向希望者には、正規レジデントコース(3年)、がん専門修練医(2年コース、チーフレジデント)、短期レジデントコース(3カ月単位で最長2年まで)など、個人の希望に合わせた複数の研修方法があります。詳細は下記のパンフレットをご覧いただき、気軽にお問い合わせください。

国立がん研究センター中央病院病理科 正規レジデント・がん専門修練医・短期レジデントコースプログラムpdf

5.病理紹介動画

平成29年4月の第106回日本病理学会総会にて上映しました病理紹介動画です。