小児腫瘍科 << 国立がん研究センター中央病院

小児腫瘍科

希少がんホットライン 電話03-3543-56011.小児腫瘍科について
2.診療について
3.研究について
4.療養環境について
5.お問い合わせ先について

1.小児腫瘍科について

 小児腫瘍科長 小児腫瘍内科 (希少がんセンター 併任)
小川 千登世 (おがわ ちとせ)   小川 千登世 (おがわ ちとせ) 外来診療日:火・木
  専門医・認定医資格など:
日本小児血液・がん学会 専門医、指導医
日本血液学会 専門医
日本輸血・細胞治療学会 認定医
日本小児科学会 専門医、指導医
ひとりでも多くの小児がんの患者さんが治ることができるように、新しい薬や新しい治療をすすめていきます。
 医長 小児腫瘍内科
熊本 忠史 (くまもと ただし)   熊本 忠史 (くまもと ただし) 外来診療日:
  専門医・認定医資格など:
日本小児血液 がん学会専門医、指導医
日本血液学会 専門医、指導医
日本造血細胞移植学会 認定医
日本小児科学会 専門医
新しい治療をこどもたちに届けることを目標としています。治療はもとより、ご家族をふくめたトータルケアも大切にしています。
 医員 小児腫瘍内科
青木 由貴 (あおき ゆき)   青木 由貴 (あおき ゆき) 外来診療日:
  専門医・認定医資格など:
日本小児科学会 専門医、指導医
日本血液学会 専門医
日本がん治療機構 認定医
小児血液・固形腫瘍の患者さんを対象とした、がん免疫療法の臨床試験に関わっています。患者さんや御家族の気持ちを大切にしながら、日々の診療に取り組んでいます。
 医員 小児腫瘍内科 (希少がんセンター 併任)
荒川 歩 (あらかわ あゆむ)   荒川 歩 (あらかわ あゆむ) 外来診療日:
  専門医・認定医資格など:
日本小児科学会 専門医、指導医
日本血液学会 専門医
日本がん治療機構 認定医
ベルリンに2年間臨床留学し、日本とヨーロッパ共同の臨床試験のコーディネートを行いながら、新薬の開発も含め、さまざまな固形腫瘍や血液疾患の治療について研鑽を積みました。経験を活かせるよう頑張ります。
 短期レジデント 小児腫瘍内科
園田 知子 (そのだ ともこ)   園田 知子 (そのだ ともこ)
  専門医・認定医資格など:
日本小児科学会 専門医、指導医
日本がん治療機構 認定医


 副院長(研究担当)
小児腫瘍科特命担当科長 センター執行役員企画戦略局長 センター先進医療評価室長
藤原 康弘 (ふじわら やすひろ)   藤原 康弘 (ふじわら やすひろ)
  専門医・認定医資格など:
日本内科学会 認定内科医、指導医
日本呼吸器学会 専門医、指導医
固形がんの薬物療法、未承認薬を用いる臨床試験を主に担当しています。
再発されても心配いりません。当院の診療チームと一緒に、がんと仲良く付き合っていく道を見つけましょう。

小児の腫瘍(小児がん)は、成人のがんと異なる性質を持ち、約3分の1が白血病・リンパ腫、残りの半分近くが脳腫瘍で、脳腫瘍以外の小児固形がんの多くは身体 の深部から発生する「肉腫」または、胎児性組織が悪性化した「芽腫」と呼ばれるものとなります。また、まれに成人に多く発症する上皮性の「癌」が小児に発症することもあります。当院では、小児がんの診療に習熟したスタッフが多岐多様にわたるこどものがんの診療に携わっています。

小児腫瘍科の対象疾患

造血器腫瘍
急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫など
固形腫瘍
骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、その他の骨軟部肉腫、胚細胞性腫瘍など
●脳腫瘍(脳脊髄腫瘍科との連携)
髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞性腫瘍など

2.診療について

小児がんの診断は放射線診断科、病理科・臨床検査科、また、外科の専門医も協力して行い、正確な診断を最速で行うことができます。治療に必要な中心静脈ラインの留置も小児であっても当日予約での実施も可能ですので、診断確定後は速やかに治療開始が可能です。生検を必要とする固形腫瘍であっても当科での初診から治療開始までの期間は約7-10日間です。

治療においては、初発時の標準的な治療はもちろんですが、標準的な治療で治すことが難しい難治・再発白血病や固形腫瘍の治療を提供していることも当科の特徴です。未承認薬や適応外薬を含む治験や臨床試験への参加による治療や造血幹細胞移植を含む治療などを提供しています。国立がん研究センターの総力を結集し、どのような小児がんの患者さんに対しても、適切な治療を提示することができます。 (現在進行中の治験/臨床試験については、3.研究についてをご覧ください)

また、当科の特色として、国内髄一のがん専門施設の中の小児腫瘍科として、乳幼児から思春期・若年成人(AYA, adolescent and young adult)世代の幅広い年代のがん診療にも力を入れています。高校に在学中の治療では、地元の高校に通えないために単位が足らず時に留年や退学となってしまうことがありますが、当院の院内学級 (いるか分教室)は、高等部までを要し、地元校のカリキュラムを踏襲しながら高校課程の単位を履修できる全国でも数少ない院内学級です。(詳しくは下記「いるか分教室について」をご覧ください)

小児に多いがんに加えて、乳児からAYA世代までのさまざまながんの治療への対応が可能ですので、当科での相談や受診を希望される場合は小児がん・希少がんホットライン 03-3543-5601にいつでもご相談ください。

●AYA世代のがんの診療について

AYA世代は、中学生(一般的には15歳以上)から30代までの年齢を含み、小児に好発するがんと成人に好発するがんがともに発症する可能性がある年代です。また、肉腫など、この年代に多い特徴的ながんも存在します。従って、この年代のがんの診療には、小児腫瘍/成人腫瘍にまたがる多岐にわたる腫瘍に対応できる専門知識が必要となり、時に適切な治療提供が難しい場合があります。小児腫瘍科は長年にわたり、この世代の腫瘍診療に携わってきており、経験は豊富です。当院では、各分野のエキスパートが集まる日本の髄一のがん専門施設である事の強みを生かし、外科各科、骨軟部腫瘍・リハビリテーション科(常勤スタッフ6名)や乳腺・腫瘍内科(常勤スタッフ7名)と連携・協力・情報共有する事により、外科的切除を含む標準治療や各科で実施中の治験を含む新しい治療までAYA世代のあらゆるがんに対して幅広い選択肢を提供する事が可能です。

図1 AYA

●妊よう性温存への取り組み

AYA世代のがん治療においては、がん治療後の妊よう性の保持への取り組みも必要です。抗がん剤や造血幹細胞移植の合併症としての不妊は、将来挙児・妊娠を希望する可能性が高いAYA世代にとっては重大な問題となります。当院においては中学生以上の患者さんにおいては、聖路加国際病院生殖医療センターとの医療連携を開始し、抗がん剤投与前の精子/卵巣保存や治療後の不妊相談を連携して進めています。

図2 NCC-聖路加妊孕性連携

  項目 2011 2012 2013 2014 2015
固形腫瘍 横紋筋肉腫 14 8 7 3 5
ユーイング肉腫 8 5 9 7 10
骨肉腫 7 4 10 11 8
神経芽腫 5 2 7 14 7
網膜芽腫※ 2 5 9 13 7
その他の骨軟部腫瘍 6 13 10 1 7
その他の固形腫瘍 8 10 5 3 2
造血器腫瘍 急性リンパ性白血病 0 3 3 3 7
急性骨髄性白血病 2 1 1 2 1
非ホジキンリンパ腫 5 2 1 2 1
その他造血器腫瘍 0 1 0 1 1
  57 54 62 60 56
※化学療法実施例のみ

外来診療担当 曜日別一覧
G外来 小児腫瘍科
診療科 備考 時間
小児腫瘍科   午前/午後 青木 小川 荒川 小川 熊本

3.研究について

日本国内で行われている各小児がん研究グループでの多施設共同研究への参加に加え、米国小児腫瘍研究グループ(COG)や欧州のI-BFMグループとの国際共同研究も行っています。当院の特徴でもある再発治療については、適応外薬剤を使用した再発治療の開発、保険診療ではまだ使用できない新薬や新規治療の治験を実施して、国内のすべての患者さんに実施できるような治療となるように開発を進めると同時に、難治の患者さんへの治療提供も行っています。

<未承認薬・開発中の薬剤を用いた臨床試験>
  • 高リスク肝芽腫に対する国際共同臨床試験(第V相試験)〔AHEP0731〕:登録中
  • 第一再発小児急性リンパ性白血病標準リスク群に対する国際共同臨床試験(第V相試験)〔JPLSG IntReALL SR 2010〕:登録中
  • 小児および若年成人におけるT細胞性急性リンパ性白血病に対する多施設共同第U相臨床試験〔JPLSG ALL-T11〕:登録中
  • 小児急性骨髄性白血病に対する多施設共同第II相試験〔JPLSG AML-12〕:登録中
  • 小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病に対する多施設共同第U相および第III相臨床試験〔JPLSG ALL-B12〕:登録中
お問い合わせ先:小児がん・希少がんホットライン 03-3543-5601
または小児腫瘍科 小川千登世: chitogaw @ ncc.go.jp

臨床試験登録や治療についてのご相談・患者さんのご紹介は上記までお問い合わせください。なお、スムーズな情報提供のため、原則として担当医からのみとし、患者さんからの直接のお問い合わせはご遠慮ください。

4.療養環境について

小児がんの治療は一般的に6ヶ月以上の長期にわたり、小児・AYA世代の患者さんにとっては充実した治療環境はもちろんのこと、あそびを含めた療養環境の整備、治療中の学習のサポートは不可欠と考えています。当院では、ちいさなこどもからAYA世代までのがんと闘う患者さんが安心して治療を受けることが出来るように、院内学級(いるか分教室)・看護師・子ども療養支援士・保育士・こころのケアチーム等の専門家が連携して、それぞれの患者さんに最適な治療環境の提供を目指しています。

1)家庭を重視した療養環境

小児がんの治療は長期に渡るため、入院が長期間続く事は珍しくありません。長期の入院は、本人はもちろんの事、御家族や自宅に残る兄弟にとっても大きな負担となると考えており、当科では欧米型の通院治療を組み込んだ治療のスタイルを取り入れており、治療がない日は極力自宅で過ごせるように配慮をしています。
・ 原則抗がん剤および必要な支持療法の継続中のみの入院とし、治療の間の期間は週1,2回の通院で血液検査のチェックや必要な検査を行っています。
・ 遠方からの通院の患者さんについても地元のクリニックと病院や連携して、それぞれの患者さんに合わせて最善の療養環境を提供します。

2)いるか分教室について

いるか分教室は、1998(平成10)年度に東京都立墨東特別支援学校の分教室として小児病棟に開設されました。対象は小学校1年生から高校3年生までで、入院中も学校生活を続けることができるよう支援しています。12A病棟のフロアー内に学習室があり、子ども達が来室しやすい環境が整っています。治療中でも、それぞれの体調や進度に応じて学習を進めており、自宅療養中の学習についても前籍校と連携を図りながら対応しています。 (詳しくはこちらをクリックください:いるか分教室

図3 いるか分教室

3)子ども療養支援士

当科では、患者さんとご家族が安心して治療を受けて頂けるように、2名の子ども療養支援士が入院療養生活をサポートしています。子ども療養支援士は医療チームの一員としてこどもの目線を大切にしながら、療養環境の整備やあそびの支援を行う専門職です。

・あそびは、入院中の表面化しないストレスを発散し、心を癒すための大切な手段と考えています。乳幼児から思春期までその時の病状や個性・発達に応じたあそびの支援を行っています。
・こどもたちは、慣れない環境の中で初めての治療や処置をたくさん経験します。また、検査や治療の一部は痛みを伴う事もあります。どんなところに行くか、どんなことをするのかなど、こども目線でコミュニケーションをとり、こころの準備をサポートします。
・ボランティアや他職種とも連携しながら、ニーズに合わせてご家族・兄弟へのサポートを行っています。

図4 子ども療養支援士作品

子ども療養支援士からのコメント

こども療養支援士

医師や看護師など他職種と連携・協働しながら、こどもと家族のニーズに合わせて、主にあそびを通じた心理社会的支援を行っています。こどもたち一人ひとりが、その子らしく過ごすことができるようこどもの気持ちに寄り添うことを大切にしています。

子ども療養支援士の活動について詳しくご覧になりたい方は 日々歩No.05 2014年11月発行掲載の子ども療養支援士スタッフインタビューPDFをクリックしてご覧ください。

子ども療養支援のご案内

子ども療養支援のご案内

5.お問い合わせ先について

お問い合わせ先:小児がん・希少がんホットライン 03-3543-5601
または小児腫瘍科 小川千登世:chitogaw @ ncc.go.jp