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小児腫瘍科

1.小児腫瘍科(小児内科・小児外科)について
2.診療について
3.研究について


1.小児腫瘍科(小児内科・小児外科)について

小児内科

医師名(ふりがな) 役職・専門分野 専門医・認定医資格 メッセージ
牧本 敦
(まきもと あつし)
牧本 敦 (まきもと あつし)
科長
小児造血器腫瘍
小児固形腫瘍・骨軟部肉腫
小児科学会専門医
がん治療認定医
小児血液・がん暫定指導医
ECFMG certificate
小児腫瘍科は、小児〜若年成人に発症する造血器腫瘍、胎児性腫瘍、骨軟部腫瘍、脳腫瘍など全ての疾患の集学的治療に対応します。
細野 亜古
(ほその あこ)
細野 亜古 (ほその あこ)
医長(東病院兼任)
小児造血器腫瘍
小児固形腫瘍・骨軟部肉腫
日本小児科学会専門医
認定感染管理医師(ICD)
AHA認定PALS provider
 
河本 博
(かわもと ひろし)
河本 博 (かわもと ひろし)
医員
小児造血器腫瘍
小児固形腫瘍・骨軟部肉腫
日本小児科学会専門医
日本医師会認定産業医
 
田中 千賀
(たなか ちか)
田中 千賀 (たなか ちか)
医員
がん専門修練医
小児造血器腫瘍
小児固形腫瘍・脳腫瘍
日本小児科学会専門医  

小児外科

医師名(ふりがな) 役職・専門分野 専門医・認定医資格 メッセージ
荒木 夕宇子
(あらき ゆうこ)
荒木 夕宇子(あらき ゆうこ)
医員
小児外科
小児固形腫瘍
日本外科学会専門医
日本小児外科学会認定小児外科専門医
日本医師会認定産業医
ECFMG certificate
世界でもトップレベルの技術と経験を有する各外科系診療科と連携し、高水準の外科治療を提供していきたいと思います。
山本 裕輝
(やまもと ゆうき)
山本 裕輝 (やまもと ゆうき)
医員
小児外科
小児固形腫瘍
日本外科学会専門医
日本医師会認定産業医
AHA認定PALS Provider
 

小児腫瘍(小児がん)は、通常15歳以下の子どもに発生する悪性腫瘍を指します。約3分の1が白血病・リンパ腫、残りの半分近くが脳腫瘍で、脳腫瘍以外の小児固形がんの多くは、身体の深部から発生する「肉腫」または、胎児性組織が悪性化した「芽腫」と呼ばれるものです。小児腫瘍科は、関連の各診療科と連携しながら、これら多種多様な小児がんの治療を担当します。また、芽腫や肉腫は希に成人にも発生するため、小児腫瘍科で治療を行うこともあります。

※ 小児腫瘍科の対象疾患
■造血器腫瘍
急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病悪性リンパ腫(リンパ芽球性リンパ腫、大細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫など)、他
■脳腫瘍(脳脊髄腫瘍科との連携)
髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞性腫瘍、他
■その他の固形腫瘍
神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、
その他の骨軟部肉腫、胚細胞性腫瘍、他

小児腫瘍科では、小児がんを専門とする小児内科医と小児外科医(※)を擁し、上記疾患に対する標準治療の提供に尽力すると共に、標準治療で再発された患者さんや治癒の難しい患者さんに対して、臨床試験に基づいた新たな治療オプション、すなわち、適応外薬を含む治療、造血幹細胞移植やペプチドワクチンを含む治療等を提供しています(「研究について」を参照ください)。国立がん研究センターの総力を結集し、どのような小児がんの患者さんに対しても、適切な治療を提示することができます。

※ 小児外科について
2011年4月に設置された小児外科では、小児に発生する固形腫瘍、特に悪性腫瘍の診断から治療までを扱っております。小児の悪性固形腫瘍は、それぞれできる場所や組織の形も異なります。それぞれの病気は発生頻度も低く稀な疾患であり、その診断と治療には極めて専門的な知識と技術を要します。これらの病気の診断と治療には、小児固形腫瘍を専門とする小児科医、小児外科医、整形外科医をはじめとする臓器別の腫瘍外科医、放射線腫瘍医、病理医がチームを組んであたらなければなりませんが、小児外科は、各関連部署との密な連携のもと、外科手術や集学的治療を必要とされる患者さんの診療に積極的に取り組んでおります。


2.診療について

小児腫瘍科では、他の病院で治療が困難といわれた患者さんを数多く受け入れているのが特徴です。臨床試験治療を含め、再発患者さんに対する豊富な治療経験の蓄積があります。再発患者さんでも、適切な治療の提供によって長期に生存される方も希ではありません。

一方、最初に小児がんが疑われた段階での受診、御紹介にも常時応じています。小児外科、放射線診断科、臨床検査科、病理科との連携によってきわめて迅速に診断をつけ、さらに病初期からの「こころのケアチーム(精神腫瘍科医師・臨床心理士)」の心理サポートも充実していますので、小児のがん患者さんや御家族の不安を最小限にとどめながら、最適な治療方針を決定していくことができます。

当院では、小児固形腫瘍の診断のための生検から根治的腫瘍切除術、化学療法、放射線治療まで、小児のがん患者さんに必要なすべての医療行為を、一連の流れとして受けていただくことが可能です。本邦において圧倒的な手術症例数を誇り、世界でもトップレベルの技術と経験を有する当院各診療科と連携し、高水準の外科治療を提供して参ります。

診断が未だついていない腹部腫瘤の診断から、新規発症患者さんに標準治療を提供するのはもちろんのこと、治療後の再発腫瘍に対しても患者さんそれぞれに適した治療選択肢を考慮しながら、どのような患者さんにも納得のいただける治療提供を行って参りたいと考えております。

小児腫瘍科 診療実績(疾患別)
診断名 症例数(うち新規発症患者数)
2009年 2010年 2011年
固形腫瘍 横紋筋肉腫 19 (2) 8 (7) 10 (7)
ユーイング肉腫 18 (6) 13 (8) 8 (6)
骨肉腫 14 (4) 4 (1) 8 (6)
神経芽腫 8 (1) 10 (3) 6 (3)
その他固形腫瘍 15 (6) 11 (7) 17 (13)
造血器腫瘍 急性リンパ性白血病 3 (0) 2 (2) 1 (0)
急性骨髄性白血病 2 (2) 1 (0) 2 (1)
非ホジキンリンパ腫 3 (1) 3 (3) 5 (4)
その他造血器腫瘍 1 (1) 3 (2) 1 (1)
83 (23) 55 (33) 58 (41)

小児腫瘍科 治療成績(発症時21歳未満患者のみ)
  2000年〜2005年
症例数
5年生存達成の
患者割合
転移有無による
症例数内訳
転移有無による
生存患者割合
横紋筋肉腫 31 51% なし 27 68%
あり 4 0%
ユーイング肉腫

17

70%

なし 14 71%
あり 3 66%
骨肉腫

8

63%

なし 7 71%
あり 1 0%
神経芽腫

9

44%

なし 1 100%
あり 7 38%
非ホジキンリンパ腫 26 85%  
急性リンパ性白血病 22 77%
急性骨髄性白血病 8 63%


3.研究について

厚生労働科学研究費補助金(医療技術実用化総合研究事業)「小児固形腫瘍領域で欧米臨床導入済みの国内適応外抗腫瘍薬のエビデンス確立のための研究」班、がん研究開発費「小児がんに対する標準治療確立のための多施設共同研究」班をはじめとする臨床試験推進の研究活動を行っています。臨床試験としては、適応外薬剤についての有効性・安全性データの集積を目的とした以下の2試験、および、ペプチドワクチンを用いた1試験を実施しています。また、この他にも新規治療薬剤の治験に積極的に参加し、治療開発に貢献すると共に、必要な患者さんへの治療機会の拡大に努めています(「国立がん研究センター中央病院で実施している治験」を参照ください)。

【適応外薬を用いた臨床試験】
■再発小児固形腫瘍に対する塩酸ノギテカンとイホスファミド併用療法(TI療法)の第 I / II 相試験
■再発小児固形腫瘍に対する低侵襲性外来治療 ビノレルビン+シクロホスファミド(VNR-CY)対 テモゾロミド+エトポシド(TMZ-VP)ランダム化第 II 相試験

【ペプチドワクチンを用いた臨床試験】
■GPC3各種小児がんに対するHLA-A24および-A2結合性Glypican-3(GPC3)由来ペプチドワクチン療法の臨床第 I 相試験