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放射線治療科

1.放射線治療科について
2.診療について
3.研究について


1.放射線治療科について

担当医師名 外来診察日 役職 専門分野
伊丹 純
(いたみ じゅん)
伊丹 純 (いたみ じゅん)
月・木・金 放射線治療科科長
加賀美 芳和
(かがみ よしかず)
加賀美 芳和 (かがみ よしかず)
火・水・木・金 外来医長
角 美奈子
(すみ みなこ)
角 美奈子 (すみ みなこ)
月・火・水・木・金 病棟医長
サルコーマ外来
伊藤 芳紀
(いとう よしのり)
伊藤 芳紀 (いとう よしのり)
月・火・水・木 医員
馬屋原 博
(まやはら ひろし)
馬屋原 博(まやはら ひろし)
木・金 医員
師田 まどか
(もろた まどか)
師田 まどか(もろた まどか)
月・火・水・木・金 医員
荻野 尚
(おぎの たかし)
荻野 尚(おぎの たかし)
併任(東病院)
吉村 亮一
(よしむら りょういち)
吉村 亮一(よしむら りょういち)
  医員(非常勤)

放射線治療は外科療法、薬物療法(抗がん剤による治療)とならぶがんに対する治療の三本柱の1つです。がんの種類や進行状況と患者さんの体の状態、治療に関する希望に応じ、治癒を目指す治療より症状緩和を目的とした治療まで、幅広く応用されています。放射線治療は手術と同じく部分の治療であり、その効果や多くの副作用は治療部位に限られます。その特徴として(1)臓器の働きや形を保つ、(2)副作用の少ないがん治療、(3)根治的治療より緩和的治療まで幅広い応用範囲、(4)手術や化学療法の併用でよりよい治療効果が得られる、などがあります。しかし欧米に比較しわが国では、充分利用されているとはいえない状況です。

放射線治療科では、すべての臓器科と連携し、また他院とも協力してよりよい放射線治療を提供するための努力をしています。放射線治療の方法には、X線や電子線などによる外部照射のみでなく、カプセルに入った放射性同位元素という放射線を出す物質を用いる小線源治療などさまざまな方法があり、治療する範囲も骨髄移植の前に行う全身照射より小さな病巣を正確にねらい撃ちする定位放射線照射など、治療装置や技術の進歩が進んでいます。

放射線治療科では、治療方法の検討(薬物療法や手術などの併用や放射線治療方法を検討します)、治療計画、内容の検討(精度管理)、放射線治療の実施、治療中や治療後の診察(効果や副作用は治療後長期間みる必要があります)などを行いますが、放射線腫瘍医・放射線治療の知識を持つ診療放射線技師や看護師・医学物理士など多くの関係者がチーム医療を支えています。

当院における治療を希望される方は、国立がん研究センター中央病院ホームページの「初めて受診を希望される方へ」を参考に、初診予約をお願いします。


2.診療について

1)診療内容の紹介

国立がん研究センター中央病院は、4台の外部照射用リニアックと小線源治療装置・小線源治療室により放射線治療を実施しています。陽子線や重粒子線などの粒子線治療が必要な場合は実施可能な施設に紹介しています。

三次元治療原体照射:治療が必要な範囲の形に合わせた照射範囲をCTやMR画像をもとに三次元治療計画装置で作成し、正常組織への影響をなるべく少なくするように工夫した治療方法です。当院では1990年代より導入され現在では大半の治療に応用しています。

定位放射線照射:病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法です。通常の放射線治療に比較し周囲の正常組織の線量を極力減少させることが可能です。当院では1991年に転移性脳腫瘍に対し応用開始しましたが、その後肺や肝臓などに応用範囲を拡大しています。

強度変調放射線治療(IMRT):強度変調放射線治療とは、最新のテクノロジーを用いて照射野内の放射線の強度を変化(変調)させて照射を行なう方法です。強度変調放射線治療では、照射範囲のみでなく放射線の量をがんの形に合わせて治療することができます。当院では頭頸部腫瘍や前立腺がんで導入し、対象の拡大を進めています。

小線源治療:管、針、ワイヤ、粒状などの形状となった容器に密封された放射性同位元素を放射線源として、がんやその周囲組織に直接挿入したり埋め込んだりして治療します。放射線の集中性に優れた治療です。2009年5月より主に低リスクの前立腺がんを対象としてヨウ素125小線源永久挿入療法を開始します。2泊3日の入院により治療可能です。詳細は、当放射線治療部にお問い合わせください。

アイソトープ治療:放射性同位元素を注射で体内に入れ取り込ませた病巣で放射線を出させることにより治療する方法です。転移性骨腫瘍の一部に対し、ストロンチウム-89という放射性同位元素の出すベータ線での治療に使用しています。

陽子線治療:陽子線は体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。陽子線は病巣のみに効率よく線量を集中でき、副作用を少なくできます。この治療は国立がん研究センター東病院で行っており、その相談外来を行っています。


2)診療内容の特徴と実績

当院では治療の対象となるがんにより、放射線治療単独での治療以外に手術との併用(術前・術中・術後)や薬物療法との併用により、効果を高め副作用を軽減する工夫を行っています。また、放射線治療の特徴をいかし外来で多くの治療を実施しています。患者さん自身に自らの病気や体の状況を理解していただき、よりよい生活の質(Quality of Life)をともに考え一緒に治療を選択していきます。当院での治療以外の選択が好ましい場合には、他施設の紹介も行っています。

この数年の診療実績としてがんの発生部位ごとの治療計画数を下に示します。

放射線治療科 診療実績(原発部位別治療計画数)
原発部位 2007年 2008年 2009年
頭頸部 111 115 95
90 117 99
357 397 431
乳腺 523 549 452
食道 276 220 213
30 34 29
101 86 78
膵臓・胆道 60 38 48
女性性器 154 255 331
泌尿器・男性性器 118 128 159
骨軟部 64 75 69
皮膚 19 16 26
小児腫瘍 25 22 32
血液 145 137 220
その他 35 47 52
計画数 2108 2236 2334
新患者数 1234 1181 1194

特殊治療(患者数)
  2007年 2008年 2009年
術中照射 4 0 0
全身照射 19 24 38
定位放射線照射 6 14 26
強度変調放射線治療 15 42 81
小線源治療 44 186 223


3.研究について

治療方法の開発を行うため、院内のみでなく多施設共同研究グループに参加し、臨床試験を行っています。また、放射線治療の質の向上や放射線治療の新たな装置の開発に関する研究を行っています。

放射線治療に関する研究では、標準的治療の確立に向けた研究やよりよいQOLを目的とした臨床研究を行っています。乳がんや喉頭がんでは1回の放射線量を多くし回数や治療期間を短くする臨床研究を実施しています。

放射線治療に関する研究のみでなく、手術や薬物療法との併用療法の一部としての放射線治療について多くの臨床試験に参加し、治療計画の立案より実施内容の検証まで幅広く関与しています。