9-14 新国際分類を用いた神経芽腫の標準的治療法の確立に関する研究
 
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9-14 新国際分類を用いた神経芽腫の標準的治療法の確立に関する研究

主任研究者 群馬県立小児医療センター 土田 嘉昭


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
土田 嘉昭
群馬県立小児医療センター 院長
研究の総括、並びに、新しい標準的治療の導入
澤田 淳*1
京都府立医科大学 教授
乳児神経芽腫に対する新国際分類の適用と標準的治療
杉本 徹*2
京都府立医科大学 教授
乳児神経芽腫に対する新国際分類の適用と標準的治療
秦 順一*1
慶応義塾大学医学部 教授
病理組織学的所見に関する新国際分類と標準的治療
中川 原章*2
千葉県がんセンター 部長
生物学的予後因子に関する新知見と新国際分類
水田 祥代
九州大学医学部 教授
生物学的予後因子と新国際分類による標準的治療
河 敬世
大阪府立母子総合医療センター 医長
進行神経芽腫に対する新治療法の開発
金子 道夫
筑波大学臨床医学系 教授
進行神経芽腫に対する新国際分類の適用と標準的治療
宮内 潤*1
国立小児病院 医長
神経芽腫の分化における細胞周期抑制因子の役割の解析
内藤 春彦*1
国立札幌病院 医長
神経芽腫の縮小手術の研究
田中 丈夫*1
国立呉病院 医長
神経芽腫の臨床的予後決定因子としての遺伝子情報の有用性の検討
*1:平成11年4月1日−平成12年3月31日
*2:平成12年4月1日−平成13年3月31日



平成12年度研究報告 研究成果の要旨

本年度も、神経芽腫の国際リスク分類に関する国際的共同研究に参加した。本年度は、各参加施設が平成11年に経験した症例175例について本研究登録用紙による集計を行い、これを平成7年〜10年に経験した症例556例に加え、計731例とし、集計、並びに、分析を行った。この731例について、国際病期分類(INSS)の登録率は90%であり、国際病理組織分類(INPC)の登録率は71%に止まった。生物学的予後因子についての登録率は、MYCN増幅が82%、1p- deletionが41%、また、DNA ploidyは58%であった。いずれの項目においても最近の登録率は至って向上しているが、過去において登録用紙に記載の欠けていた事項について、今回各施設への直接の問い合わせを行った。本年度は、これら症例の予後調査を行ったが、最も予後と強い相関を示すのは国際病理組織分類(INPC)であることが今回はじめて明らかとなり、また、1歳以上では、病期もMYCN増幅も殆ど予後との相関を示さないという予想外の新事実がはじめて明らかにされた。この間、新規薬剤であるCPT-11について小児最大耐量を決定し、第II相臨床試験へと移行することが出来た。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

神経芽腫の国際リスク分類に関する国際的共同研究に参加した。この2年間、各参加施設が平成10年と11年に経験した症例311例について本研究登録用紙による集計を行い、これを平成7年〜9年に経験した症例420例に加え、計731例とした。これら症例の各登録事項について分析を行ったが、加えて、これら症例の予後調査をも行ったが、最も予後と強い相関を示したのは国際病理組織分類(INPC)であることが今回はじめて明らかとなり、また、1歳以上の症例に限れば、病期分類、MYCN増幅、DNA ploidyも予後に関して有意の差を示さないという予想外の新事実がはじめて明らかにされた。これは、最近の10年間における予後不良群に対する徹底した治療の強化と著しい成績の向上によるものである。この間、神経芽腫にとっては新規薬剤である塩酸イリノテカンについて、小児における最大耐量を決定し、第II相臨床試験へと移行することが出来た。決定された最大耐量180mg/m2/day 3日間連続投与で既に有効例が出ており、臨床プロトコールへの導入が有望と考えられる。また、recombinant human Endostatinの効果をin vivoにて検討し、実験成績解釈上複雑な実験系でありながらも、将来に希望をいだかせる結果を得た。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01