9-15 眼部悪性腫瘍の眼球保存的治療法の開発に関する研究
 
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9-15 眼部悪性腫瘍の眼球保存的治療法の開発に関する研究

主任研究者 東京慈恵会医科大学 敷島 敬悟


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
敷島 敬悟
東京慈恵会医科大学 講師
硝子体手術を使用した脈絡膜メラノーマの眼球保存療法の開発
金子 明博
国立がんセンター 医長
網膜芽細胞腫の放射線外部照射を使用しない保存療法の開発
菊地 眞
防衛医科大学校 教授
医用電子工学を使用した眼部悪性腫瘍の眼球保存療法の開発
内山 浩志
東京慈恵会医科大学 講師
網膜芽細胞腫の化学療法に関する研究
毛利 誠
選択的眼動脈動注療法を使用した眼部悪性腫瘍の眼球保存療法の開発
猪俣 素子
国立がんセンター 主任研究官
眼部悪性腫瘍の眼球保存療法開発のための生物学的基礎的研究
大島 浩一
国立岡山病院 医長
涙腺悪性腫瘍の治療成績の向上に関する研究
松井 岳巳
防衛医科大学校 助手
眼部悪性腫瘍の温熱療法の研究


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

半導体レーザーにインドシアニングリーンの網膜下注入を併用することによって、脈絡膜メラノーマの蒸散がコントロールしやすくなった。腫瘍に対して効果的にレーザーのエネルギーを集中できると共に、深部に位置する強膜には障害が及ばず、有用な併用療法であった。レーザープローべ刺入法は、深部までも効果的に加療でき、有効な方法であった。網膜芽細胞腫に対する化学療法の限界を示唆する症例を経験した。皮下に注射した悪性黒色腫に対してレーザーサーミアを行なったところ広範囲な壊死を認めた。新しい化学療法を網膜芽細胞腫に行ない、短期的には全例に著明な腫瘍縮小効果がみられ、非進行例においては眼球温存の可能性が示唆された。眼動注の外カテーテルの開発を行なった。治療抵抗性であった症例より樹立した網膜芽細胞腫細胞株で多剤耐性因子関連遺伝子に異常なメチル化部位があることが見出された。涙腺悪性腫瘍についての全国調査を行ないその調査結果を分析した。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

脈絡膜メラノーマの実験モデルを用い高出力半導体レーザーの眼内照射を行なった。Laser hyperthermiaは、腫瘍細胞の散布は少なかったが、大きな腫瘍への応用は限界があった。高出力蒸散は、十分な効果が得られたが、到達深度のコントロールや腫瘍破壊産物の散布が問題であった。インドシアニングリーンの網膜下注入によって、蒸散がコントロールしやすくなった。Melphalanの選択的な眼動脈注入による網膜芽細胞腫の縮小を行ない、治癒出来る症例が蓄積された。皮下に注射した悪性黒色腫に対してレーザーサーミアを行なったところ広範囲な壊死を認めた。新しい化学療法を網膜芽細胞腫に行ない、短期的には全例に著明な腫瘍縮小効果がみられ、非進行例においては眼球温存の可能性が示唆された。超選択的眼動脈注入法の動注技術の改善を行なった。網膜芽細胞腫細胞株の多剤耐性遺伝子に関する検索を試みた。涙腺悪性腫瘍についての全国調査を行ないその調査結果を分析した。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01