9-16 咽頭がんの標準的治療法の確立に関する研究
 
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9-16 咽頭がんの標準的治療法の確立に関する研究

主任研究者 国立がんセンター東病院 斉川 雅久


研究者氏名、所属および分担研究課題
研究者氏名
所属施設 地位
分担研究課題名
斉川 雅久
国立がんセンター東病院 医長
咽頭がんの標準的治療法の確立に関する研究
長谷川 泰久
愛知県がんセンター 副部長
中・下咽頭がんの治療法に関する分子生物学的因子からの研究
吉野 邦俊
大阪府立成人病センター 部長
中・下咽頭がんの適正治療法に関する研究
中塚 貴志
埼玉医科大学 教授
咽頭がん切除後の再建術式の検討
永原 國彦
国立京都病院 医長
咽頭がんの喉頭温存術式の確立に関する研究
川端 一嘉
財団法人癌研究会附属病院 副部長
下咽頭がんの標準的治療法の確立に関する研究
明神 美弥子
国立札幌病院 医師
咽頭がんの化学療法併用放射線療法に関する研究
雲井 一夫
国立姫路病院 医長
咽頭がんの標準的治療法の確立に関する研究
西川 邦男*1
国立病院四国がんセンター 医長
頸動脈に浸潤した進行咽頭がんの切除と再建に関する研究
冨田 吉信*1
国立病院九州がんセンター 医長
咽頭がんに対する放射線併用化学療法の研究
*1:平成11年4月1日−平成12年3月31日


平成12年度研究報告 研究成果の要旨

上咽頭がん症例における治療合併症を、治療中あるいは治療終了後6カ月以内に認められるもの(治療中合併症)と治療終了後6カ月以上を経過してから発生するもの(治療後合併症)の2種類に大別して検討した。Grade3以上の治療中合併症は23.7%、重篤な治療後合併症は9.6%に認められた。分析結果から予後が良好でかつ治療合併症の少ない理想的な治療法を考えると、照射総線量70Gy前後、照射総日数50日前後、化学療法のregimenとしてはCDDP+5-FUを使用し、化学療法を放射線療法と同時あるいは放射線療法終了後に施行する形が現時点での一応の妥協点と思われた。下咽頭がん症例における喉頭温存手術は次第に多くの施設に普及しつつあるが、各施設の治療成績は十分に良好であった。新しい術式も数多く考案されている。多重がん症例の治療成績の検討から、多重がんを伴う咽頭がん患者でも全がんの根治をめざすことにより、多重がんを伴わない症例と同等以上の治療成績の得られることが判明した。


平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨

上咽頭がん396例の調査から、治療方針の中心は放射線療法であり、化学療法が広く併用されていることが判明した。化学療法の併用方法には大きな施設間格差が認められた。治療合併症が比較的多く、Grade3以上の治療中合併症は23.7%、重篤な治療後合併症は9.6%に認められた。治療関連因子の分析から、照射総線量70Gy前後、照射総日数50日前後、化学療法のregimenとしてCDDP+5-FUを使用し、化学療法を放射線療法と同時あるいは放射線療法終了後に施行する形が、予後が良好でかつ治療合併症の少ない理想的な治療法に近いものと考えられた。下咽頭がん症例における喉頭温存手術は次第に多くの施設に普及しつつあるが、各施設の治療成績は十分に良好であった。新しい術式も数多く考案されている。咽頭扁平上皮がん症例では多重がんの多発が認められたが、多重がんを伴う咽頭がん患者でも、全がんの根治治療をめざすことにより、多重がんを伴わない症例と同等以上の治療成績の得られることが判明した。

本ページは、研究成果の要旨のみを掲載しております。
詳しい研究報告をご覧になりたい方は、「厚生労働省がん研究助成金による研究報告集 平成12年度」を全国の医学部・医科大学図書館に配布しておりますので、そちらをご利用下さい。



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更新日:2004/12/01