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主任研究者 国立がんセンター東病院 斉川 雅久 研究者氏名、所属および分担研究課題
平成12年度研究報告 研究成果の要旨 上咽頭がん症例における治療合併症を、治療中あるいは治療終了後6カ月以内に認められるもの(治療中合併症)と治療終了後6カ月以上を経過してから発生するもの(治療後合併症)の2種類に大別して検討した。Grade3以上の治療中合併症は23.7%、重篤な治療後合併症は9.6%に認められた。分析結果から予後が良好でかつ治療合併症の少ない理想的な治療法を考えると、照射総線量70Gy前後、照射総日数50日前後、化学療法のregimenとしてはCDDP+5-FUを使用し、化学療法を放射線療法と同時あるいは放射線療法終了後に施行する形が現時点での一応の妥協点と思われた。下咽頭がん症例における喉頭温存手術は次第に多くの施設に普及しつつあるが、各施設の治療成績は十分に良好であった。新しい術式も数多く考案されている。多重がん症例の治療成績の検討から、多重がんを伴う咽頭がん患者でも全がんの根治をめざすことにより、多重がんを伴わない症例と同等以上の治療成績の得られることが判明した。 平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨 上咽頭がん396例の調査から、治療方針の中心は放射線療法であり、化学療法が広く併用されていることが判明した。化学療法の併用方法には大きな施設間格差が認められた。治療合併症が比較的多く、Grade3以上の治療中合併症は23.7%、重篤な治療後合併症は9.6%に認められた。治療関連因子の分析から、照射総線量70Gy前後、照射総日数50日前後、化学療法のregimenとしてCDDP+5-FUを使用し、化学療法を放射線療法と同時あるいは放射線療法終了後に施行する形が、予後が良好でかつ治療合併症の少ない理想的な治療法に近いものと考えられた。下咽頭がん症例における喉頭温存手術は次第に多くの施設に普及しつつあるが、各施設の治療成績は十分に良好であった。新しい術式も数多く考案されている。咽頭扁平上皮がん症例では多重がんの多発が認められたが、多重がんを伴う咽頭がん患者でも、全がんの根治治療をめざすことにより、多重がんを伴わない症例と同等以上の治療成績の得られることが判明した。
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更新日:2004/12/01 |