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主任研究者 徳島大学医学部 松本 俊夫 研究者氏名、所属および分担研究課題
平成12年度研究報告 研究成果の要旨 がん細胞と骨との相互関係の解明を通じ骨転移の機序を明らかにすると共にその診断、治療法の開発を進めた。1)骨代謝マーカーが乳がん患者の生命予後や骨関連事象の予測に有用であることを示した。骨基礎質中のIGFがNF-κBを解する増殖促進、アポーシス阻害により乳がん細胞の骨転移を促進する可能性が示された。乳がん細胞はVEGFを発現し血管新生や破骨細胞形成に関与する可能性を示した。 2)がん細胞膜に発現する基質分解酵素MT-MMPが浸潤偽足部分にCD44との結合を介するアクチンによる制御で局在し、MT-MMPのCD44切断活性が細胞移動時の偽足の遊離に関わる可能性を示した。3)がん細胞が産生する骨吸収因子の多くが、がん細胞自身或いはその接触下で間質細胞、血管内皮細胞でのCOX-2の誘導によりPGE2産生を促進し、破骨細胞形成を促進することを明らかにした。骨髄腫細胞がMIP-1を産生しMIP-1は間質細胞との接着や骨吸収を促進することを見出した。4)骨吸収抑制薬ビスフォスフォネートの骨転移、骨髄腫治療への応用などの新しい治療法の検討を進めた。 平成11年度〜12年度総合研究報告 研究成果の要旨 がん細胞と骨との相互関係の解明を通じ骨転移の機序を明らかにすると共にその診断、治療法の開発を進めた。1)乳がん患者では手術後長期にわたり骨転移が出現すること、骨代謝マーカーが乳がん患者の生命予後や骨関連事象の予測に有用であることを示した。乳がん細胞はVEGFを発現し血管新 生や破骨細胞形成に関与する可能性を示した。2)がん細胞膜に発現する基質分解酵素MT-MMPががん細胞の浸潤偽足部分にCD44との結合を介するアクチンによる制御で局在し、MT-MMPのCD44切断活性が細胞移動時の基質からの偽足の遊離に関わる可能性を示した。3)がん細胞が産生する骨吸収因子の多くが、がん細胞自身あるいはその接触下で間質細胞、血管内皮細胞でのCOX-2の誘導によりPGE2産生を促進し、EP4受容体を介した破骨細胞形成の促進をもたらすことを明らかにした。骨髄腫細胞がMIP-1を産生しMIP-1は間質細胞との接着や骨吸収を促進することを見出した。4)骨吸収抑制薬ビスフォスフォネートの骨転移、骨髄腫治療への応用などの新しい治療法の検討を進めた。
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更新日:2004/12/01 |